第二十二章・寒くて死ぬ………。
スミマセン、寝坊してしまいました。投稿するのが遅れて本当にすみません!!ところで昨日のアクセス数が170を超えていました。読者の皆様、本当にありがとうございます!!
第二十二章・寒くて死ぬ………。
氷の大地へ行くのには州をまたがなければならなかった。行く途中で州境にアンデーレの町という石造りの町があったので、寄ることにした。
雪が降り続ける町として有名だそうだ。でもこんな町、俺も含めてパーティーの誰も知らなかった。
まぁ、イーゼルは里を出たばかりで俗世間には疎いし、コマドリも同じだ。大賢者のところでずっと修行していたルルチェも世間知らずのお嬢様、いや、お姫様だったので、世の中はというとまったく疎かったのだ。
俺は例外というか、イレギュラーだぞ?何せ、いきなりこの世界に転生したので、それからそんなに日が経っているわけではない。この世界を熟知しているはずもない。
冒険だって魔王不在なのだから、適当だが冒険になるものは選ばないって寸法だ。
アンデーレの町は寒かった。町の人はみんな、生活するのに防寒着やコート、マフラーに手袋が必要だったらしく、モコモコ状態だった。
「俺、寒いの苦手だったんだよなぁ。軽く死ぬ。ってか、コタツに潜り込みたい。これじゃマジで死ぬ。いや、俺はマジ死ぬわ!」
「何をぶつぶつ言ってるのですか、リューイチは?」
イーゼルが訊いてきた。
「コタツとかよく分からない単語も出てきましたし」
「コタツは気持ちいいぞ~。一度入ったらもう出れない」
「食虫植物に捕まった昆虫のようですね。そのまま本当に死ぬのですね?」
「いや、俺が言いたいのは寒さは俺にとって敵だということだ」
「大丈夫なんですか?このあと氷の大地に行くのですよ?」
「ま、確かに凍って死ぬかもな。でも、俺たちにはこれがある。防凍着だ!」
試しに俺は、ドワーフから買い取った防凍着を着てみた。これはいい!てか寒さどころか逆に暑い!!
イーゼルたちも防凍着に袖を通した。
ああ、暑い!!汗が出る。寒さはしのげるが逆に暑いのは本当だった。
「そういえば、お前たちのレベルって今はどのくらいなんだ?」俺はみんなに訊く。
「え?」と、イーゼル。
ポケットのカードを出して、のぞくように見た。
イーゼル 14歳 女
職業 魔女 レベル18
HP 70
MP100
攻撃力30
防御力20
素早さ23
知力 45
体力 30
魔力 80
運 35
と、まぁイーゼルはこんな感じだった。
コマドリもステータスカードを見た。
「わたしはこんなもんだなぁ」
コマドリ 17歳 女
職業 くのゼロ レベル15
HP 90
MP 0
攻撃力70
防御力40
素早さ60
知力 30
体力 40
魔力 0
運 23
ルルチェはカードを俺に見せた。個人情報をこんなにも開けっ広げなやつも珍しい。でも、いちいち確認しないのは三人とも同じだったので、俺が一応確認してやる。
ダ・ガール・フォー・ルルチェ 16歳 女
職業 賢者 レベル18
HP 80
MP 75
攻撃力38
防御力29
素早さ50
知力 50
体力 30
魔力 75
運 24
このレベル勢で元魔王の幹部に勝てるというのか?
と言っても冒険する以上、大きな目的がなければ足が止まってしまう。
相手は雪女の氷版ってところか。
氷の恐ろしさは分かっている。俺もそれほどバカではない。
俺たち一行は厚い手袋とブーツを町で買って、氷の大地に備えた。
そして町の宿屋に泊った。なんと通された部屋には暖房が効いていて、そこに一泊すると、俺はこれからの寒い、いや、凍る氷の大地に入るのを拒むように部屋から出なかった。
寒さに対しての暖房は悪魔の罠だ。
見事に俺は食虫植物に食べられた昆虫になってしまったようだ。蜘蛛の巣に引っかかったチョウチョとも言える。
昼前にイーゼルたちが俺に声をかけてきたが、俺はベッドから出なかった。
これはいかん。引きこもり時代を思い出していた。
一度引きこもったら、出るのにはものすごくエネルギーがいるのだ。それで皆、出られなくなるのだ。大変なんだぞ、引きこもりから脱出するのは!
俺は遂には、コマドリに忍者刀を突き付けられて、やっと起き上がった。
さすがにそれは死ぬだろ、マジで‥‥‥。でも、俺はそれであったかい部屋から出ることができた。
う~む、三人とも寒さには平気なのか?
昼食後に俺たちは氷の大地へと続く、西の方へと旅立った。
ああ、寒い。死にそうだ‥‥‥。
苦手だったファンタジーにも慣れつつあります。この小説のおかげかもしれませんね!!