第二百二十七章・ミセス・ボスの正体!
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第二百二十七章・ミセス・ボスの正体!
俺たちがフイ・ティークの王朝に戻ると、フイ・ティーク軍が待ち構えていた。
「何だ、お前たちは?」
俺は軍隊相手に対峙した。
いつものことだが、少々ワンパターンじゃないか?
ま、別にいいけど。
「女王のミルア様の命令だ。ついて来い」
俺たちは城へと案内させられる。
俺は素直に女王に会いに行くことにした。仲間も一緒についてくる。
さて、女王は俺たちをどうするつもりなのか?
興味はある。ちゃんと依頼のドクロの墓所の件は達成したはずだ。この上、何をどうするつもりなのか?
城の玉座には、ミルア女王と、ポンカ売りのルーシー、国女のジョディス、それにもうひとり、見慣れない女性がいた。
「わたしがミセス・ボスのエリザベス・ホワイトだ。ルーシーの母にして、女王直属の女王バチ政策の立案者でもある」
なるほどな。ポンカは国を挙げての大政策だったのか。
子供までも巻き込んでのっていうのは、超意外だったが。
「あんたの工場は破壊させてもらったよ。残念だったな」
エリザベスは、余裕の表情で俺を見て言った。
「工場を失っても、ポンカ製造の知識を持った人員はたくさんいる」
「なぜ国の男たちをポンカで苦しめた?ええコラ?」
ヤンキー風にいきがってみる俺。
「なぜって、この世には二種類の男がいる。ひとつは女性のために頑張って働く男。もうひとつは、女性のために働けないダメな男。弱い男とも言う。あなたのようなヘタレな男が、まさにそうなのだ」
またそれかよ!
ヘタレでダメな男で悪かったな。確かに生前の俺は、それだったかもしれない。それは否定はしない。
でもなぁ‥‥‥。
「ダメな男はポンカで廃人にさせることで、金だけを巻き上げる。あとは死んでも知らん。それがこの国の政策なのだ」
「麻薬が政治に関わっているとはな。あんたら異常だぜ」
「ダメな男を排除して何が悪い?そんなのは女性のためにならないだろう?」
「この国はいつもそれなんだな。〝女性のために!″が、すべての元凶だ」
「女性が男どもに差別されてた時代を知らんだろう!それが女性をどれだけ苦しめたのか、分からないようだな。政略結婚、売春、家庭内暴力。この国に男尊女卑はもう存在しない。ここは女性のための国なのだ!」
言いたいことは分かる。分かるが‥‥‥。
「それでも、間違っちゃいけねーな。あんたらの行いは正義ではない」
「正義?」
「ああ。女が男の上に立つ。それは大いにけっこう。でも、麻薬は違法だろう。実際は後ろめたいはずだ。それを知っているから裏路地で売買してるんだろ?」
「うるさい!お前は他国の政策に口出しする気か?」
「ポンカはいずれ、国を滅ぼす。それが分かっているのなら、勝手にやればいい。俺はあんたらがどうなっても知らん」
俺は身をひるがえして、イーゼルたちに言った。
「帰ろう。ダ・ガールへ」
俺たちは兵士たちをかき分けて、玉座の間を出た。
「この国は滅ぶさ。ポンカが完全に消えない限りな」
俺たちは王都をあとにした。
もうこの王朝に用はない。
冷めた目で、俺は遠くを見つめた。
麻薬なんてホントにくだらない。でも、俺のいた世界でも、様々な理由で麻薬ははびこっているのだ。友人知人にすすめられてとか、ファッション感覚でな。しかし事情はどうあれ、クスリは悪いということは、忘れてはいけない。
これは俺の怒りだ!
そういう辛辣な気持ちで、俺はフイ・ティーク城をあとにした。
読者の皆さんに感謝を!!