第二百二十六章・ポンカ製造工場にて!
年末はいろいろと忙しいので、更新時間に影響が出ますので、よろしくお願いします。
第二百二十六章・ポンカ製造工場にて!
傭兵軍団は俺たちを待ち伏せていやがった。相手はざっと300人か?でも、こいつらは人間ではなかった。魔族の集団だった。こいつらも時代が変わって行き場を失くした連中だろう。
「お前ら、俺たちを相手にするのか?後悔するぞ!」
しかし、奴らは戦う気満々だった。
「我々はお前たちを倒す!女性のために!」
こいつらも女性上位の働きバチ化しているのか‥‥‥。
「この工場も、ミセス・ボスも我ら魔族が守る。女性のために!」
いちいちうるさいな。
黙らっしゃい!
どうせこの工場は、働く人が今はいないので、傭兵軍団との激突には最適だ。戦いでぶっ壊れても、俺知-らねェーからな!
「じゃあ、始めるか?」
俺は仲間に訊く。
「用意は出来てます、リューイチ」
イーゼルは持っている杖を構えた。
「やっちまえ、イーゼル!」
「はい!」
イーゼルは爆破魔法の呪文を唱えた。
工場内で爆発が起こる。
イーゼルはさらに連発して魔法を放った。
工場内のあちこちで、爆発が連続して起こる。
傭兵軍団はひるんだ。
「こ、こいつら、強いぞ!」
「ひるむな。女性のために!」
「そうだ!女性のために!」
「女性のために!」
いちいちウルセーって、まったく。
おふざけもここまで来ると、笑えねー。
くたばれ雑魚ども!
俺は錬金の剣を振り、傭兵どもを片っ端から斬っていく。殺しまではしないのが、俺のやり方だ。だから、死者は出ない。
しかし、戦闘不能になる奴は続出していた。
これは政治的な戦闘でもある。
公然と出回る麻薬を撲滅させるつもりで、俺は戦うのだ。ここで叩いておけば、ダ・ガールにクスリが入ってくることも無いだろう。これ以上ポンカが出回ることは無くなる。だからそのために、ここは絶対に潰しておかなければならないのだ。
傭兵軍団を全滅させるのに、ほとんど時間は掛からなかった。さすがに俺のチートも、ここまで来れば一発芸では収まらない強さだろう。
俺Tueeeeeeeeee!!
「団長はどこだ?」
俺は工場内を見回す。
「俺が団長だ。女性のために!」
満身創痍な傭兵軍団の団長が、倒れていたのを起き上がろうとしていた。
「この工場の元締めは誰だ?どこにいる?」
「し、知らねぇ‥‥‥。ここにはいない」
「場所を言えば、総崩れの恥だけは勘弁してやろう」
ていうか、もうほぼ、全滅というか、壊滅状態なのだが。
まったく笑える話だぜ。
これがミセス・ボスの飼ってる魔族の傭兵軍団か。
しょぼ過ぎる‥‥‥。
「本当に知らないんだ。信じてくれよ!」
「無力だな」
「うるさい!まだ負けはしない。我々は‥‥‥」
団長は俺にひるむ気配がなかった。が、それでも工場内を見渡すと、倒れている魔族でいっぱいだった。
「我々は負けない!女性のために!」
それはもういい。
俺は団長を殴って、黙らせた。死んでないだけでも良しとしろ。
まったく、女王バチ政策や過労死させるだけの男性の重労働や、はびこる麻薬。この王朝は問題だらけだ。フイ・ティーク・ラ・ミルア女王ってのは一体、どういうつもりなんだ?
俺たちが勝利した後、全員を工場の外に出し、イーゼルの最大級の爆破魔法で工場を破壊した。ドクロの墓所の時と同じだ。すべてを破壊して、全部を終わらせる。
まぁ、ルルチェはそれに対して一言、言いたいことはあるだろうが。でも、彼女は偽善だとは思わない。ま、俺の偽悪とはいつか、対立するかもしれないだろうけどな。
「しかし、結局ミセス・ボスの居場所は知ることが出来ないままだったな」
俺はそうつぶやく。
「この戦いは必要だったの?」
ルルチェが俺に訊いてきた。
「情報は得られなかったんだ。残念だよ。でも、ポンカ工場は破壊したぞ。あんな物が出回るのは、これでしばらくは無いだろう」
「それはそうかもしれないけど‥‥‥」
「まだだ。まだミセス・ボスに会うまでは、終わらない!」
俺は王都に戻って、ミセス・ボスの居所を知るために、また裏路地へ行くことを決意した。
読んで頂ける皆様に感謝です!!