第二百二十五章・リュードラの滝
今日は早めに更新します。年末は忙しくて、更新時間にズレが出てきますのでご了承ください。
第二百二十五章・リュードラの滝
俺たち一行は、川沿いを歩いて行った。この先に大きな滝があって、そこに麻薬工場があるという話だ。ここはジョディスの情報を信じることにした。
これも女性の上位主義の範疇なのか?
遠くに見えるのは、大きな箱型の建物だった。滝のそばにある。
「あれがそうか?」
俺は皆に訊く。
「わたしには分かりませんよ、リューイチ」
イーゼルが言った。
「滝のそばの工場。あれで間違いないようだな」
俺は勝手に締める。
「でも、黒幕があそこにいるとは限らないんじゃないの?」
真っ当なことを言うルルチェ。
「そうだな。でも、あれも麻薬に関係するところだ。潰さなきゃ!」
「あのね、いきなり壊しても、あの工場で働いている人たちはどうなるの?それに、あの工場が雇用を生んでいるのなら、工場がいきなり無くなったら、その人たちはそのあとどこで働けばいいというの?」
「工場で働く人たちには罪は無いということか?どうだか‥‥‥」
「そうじゃなくて、あの工場で働いて、食べている人たちもいるってことよ」
「ポンカを作ってるんだぞ?麻薬の製造に手を貸しているんだ」
「でも、工場を壊して解決できる問題ではないはずよ!」
ルルチェの言ってることも、一理あるが。
俺はタバコが嫌いなのだが、まず、あの煙が嫌いだ。俺は生前、とある休憩室で人を待ってた時、他の数人がタバコを吸っていて、その煙だけでもダメだったのに、俺が「タバコの煙が苦手なんです」と言うと、その場の全員が、一斉に俺の顔に向けて、タバコの煙を吹きかけてきたことがあり、何て奴らだと思ったことがあった。だから、俺はタバコも、タバコを吸う人間も大嫌いなのだが、タバコを作って生活している者もいるし、タバコを売って金を稼いでいる人もいるので、俺はそれに関しては否定はしないし、しょうがないなと思ったりしたことはある。
この麻薬にしても、同じことが言えるのだろう。そうルルチェは言いたかったのだ。
こんな例えで満足か?
まぁいいや。
「工場はともかく、それじゃあ、その黒幕はどこにいるんだ?」
「分からないわ。でも、情報だけならどうでも得られるはずよ」
「そんなに簡単に口を割るか?」
「確かにポンカの元締めは王国とつながっているみたいだから、フイ・ティーク・ラ・ミルア王女も黙殺してるようだけど‥‥‥」
「とにかく、工場を目指すぞ。傭兵軍団には気をつけろよ」
俺たちは滝を抜けると、その近くの工場に入っていった。
* * *
工場の中は、静まり返っていた。
もしや、俺たち冒険者が来ることを知り、みんな逃げ出したのか?
その時、隠れていた傭兵軍団が、俺たちを囲んだ。
待ち構えてやがったのか?でも、どうやって俺たちがここに来ることを知ったんだ?
俺は、ルーシーの姿を見つけた。
あいつが一足先にここへ来て、密告したようだな。侮れねぇ奴だ。
俺たちは傭兵軍団と戦うために、戦闘準備をした。
さぁ、かかってこい!
メッタメタのギッタギタのボッコボコにしてやるぜい!!
ジャイ〇ン風にな。
読者の皆様には感謝しかありません!!