第二百十六章・尼僧ゼン・サドラーとの対面。
昨日ほとんど寝れなかったので、今日は今、起きました。更新時間がズレて、誠に申し訳ございません。
第二百十六章・尼僧ゼン・サドラーとの対面。
ドクロの墓所の正面に、巨大な扉が目の前に映る。ここは巨大な墓なのだ。
ということは、ここにいるのは墓所の墓守り人か。
俺はその大きな扉を開ける。鉄で出来たその扉は、ゴゴゴと音を立てて開いた。
誰も出てこない。
「ここには尼僧がいるはずだ。誰も出迎えしないとは、どういうことなんだ?」
俺は独り言のように言った。
「勝手に入っていいのかな?」
ルルチェが困惑しながら言う。
「いいんじゃないか?どうぞ入ってくださいとでも言われているように、鍵のひとつも掛けていないような感じだし」
と、コマドリも言う。
「フランジータ寺院の時のように、ブービートラップがあったりしないよな?」
俺は警戒した。
そこへ、頭を丸めた尼僧が来た。
「どうも初めまして。わらわはゼン・サドラー。冒険者様たちですね?よくお越しくださいました」
いるじゃん、人が。
てか、ここを統べる、墓所の守り人さんだろ、この人?
「初めまして。俺はリューイチ。ダ・ガールの直属の冒険者です」
「やっとお越しになりましたね。ケガがなくて良かったです」
俺たちを心配してるのか?
それにしちゃ、ゾンビたちを野放しにし過ぎじゃないか?
奴らに噛まれたら、死ぬところだぞ?
「どうぞ、中へ。奥で粗茶でも出しますよ」
「そりゃお構いなく」
俺たちは、墓所の奥へと案内された。
この墓所は、どこもかしこも石造りで出来ていた。光を入れる窓のようなものはあったが、どうやって造ったのかは謎だった。
「ゼン。あんたはここの尼僧だろ?」
「はい。そうですが」
「どうしてゾンビが生まれるのか、訊いてみたいんだが‥‥‥」
ゼンは笑みを見せた。
「この世には、救う価値もない人間だっているのですよ。わらわたちはその罪人を、いつか奴隷として使うために研究に研究を重ねているのですよ」
「実験でゾンビを作り出していたというのか」
「ええ、そうです」
「ゾンビとは、ここでは皆、悪人なのか?」
「はい。悪を制するためにはもちろん生け贄だって必要になるでしょう。自分にとっても大切な誰かを救えなかった時などにね。ゾンビたちは人々を苦しめてきた悪人たちなのです」
「大切な人ってのは?」
「もちろん、わらわの婚約者ですよ。わらわはかつて、僧侶になる前に、婚約していたんです。でも、悪者に婚約者が殺されてしまった。わらわはその犯人を探し出し、ゾンビの実験材料にしました。どんなに大事な人でも、犠牲になり得るのです。でも、それでゾンビの誕生に成功しました。これもわらわの婚約者の犠牲あってのことでした」
「そんなことって‥‥‥あんたは一体、どういう人なんだ?」
「わらわはゾンビ研究家であり、この墓所を牛耳るゼン・サドラー。僧侶にして、ネクロマンサーです」
俺たちは青ざめた。この人は普通じゃない。
死霊使い、ネクロマンサーなのか?
読んでくださる皆さんには感謝しか無いです!!