第二百十二章・テールーの町での恋物語〈中編〉
昨日はよく眠れませんでした。頭使い過ぎかなぁ?あ、昨日もたくさんのアクセス数をありがとうございます!!
第二百十二章・テールーの町での恋物語〈中編〉
シア・ラース王朝は、女性は男性に尽くすことが女の幸せであると、シア・ラース・ア・リストレア姫が説いていて、このフイ・ティーク王朝では男は女に死ぬまで尽くせと説いているのだ。
その間に位置する二人が、恋愛関係になると、一体どうなるんだろう?
「冒険者さん、わたしは以前、シア・ラース王朝の騎士、ガブリエルさんに思いを告げられたんです。その時は答えをはぐらかしたんですが‥‥‥」
それ、いけないやつだぞ!
前にも思ったことだけど、もう一度繰り返す。俺はかつて、好きになった女の子に告白したことがある。しかし、友達からならいいよと言われて、これで付き合うことになったのだと、俺は勝手に思い込んでいたのだが、相手の女の子は、あとでやっぱり嫌になったらしいのだが、それを直接俺に言い出すのは自分が悪者になるからと思い、無視してればそのうち、俺が諦めて、自然消滅するだろうと考えて、ずっとそこから無視される日々が続き、俺が一体どういうことなんだと詰め寄ったら、俺から脅されたと周囲に言い出し、周りからは俺が、自分が振られたことに逆ギレしたように思わせて、俺が悪にされてしまったことがあるのだ。その間、無視されてから半年の月日が流れていた。
その時、さらに俺は周囲から孤立してしまったのだ。女は怖い。要するにその子は俺をキープ君にしていたと知ったのは、学校を離れてからのことだった。
だいたい一度だけデート(?)したことあるけど、周りに見られて変な誤解を受けないように変装して来るなんて、失礼にもほどがあるだろ!
そこはマジでキレたい。
告白されたのに、ちゃんと返事をしないのは無責任だろと、俺は思った。
「あんた、その人に返事を先延ばしとか、やるなよ?」
俺はジェフェリアに強く言った。
俺は半年、答えを先延ばしにされた挙句、悪者にされたのだ。それはやっちゃいけない!
「相手は自分の気持ちを大事にしてるはずだ。自分も誰かに好きだと言って、先延ばしにされたら、嫌だろう?」
後ろでコホンと咳払いをするイーゼル。
あ、俺もそういや、イーゼルに対しての気持ちをはぐらかしている面があったな。
言い過ぎは良くない。
「そのガブリエルって騎士には、ちゃんと自分の気持ちを伝えるようにしような。責任はあるからな」
ジェフェリアは、「うん」と、首を縦に振った。
誠実な子だとは思うが、この子はイマイチその辺の主張に欠けているように見えた。
* * *
翌日、俺たちは町を見て回った。小さな町にしては、商業が盛んだった。商人たちが集まる場所となっていたのだ。
適当に食事を済ませると、果物屋に騎士の格好をした男がいるのを見つけた。
ひょっとして、あれがシア・ラース王朝の騎士ガブリエルという奴なんじゃないか?
ジェフェリアに話しかけている様子だった。
さて、あの子はどう出るんだ?
俺はそれが楽しみになってきた。
他人の色恋は甘美なものだ。
騎士ガブリエルよ、ちゃんとした答えをもらえよ!
もうすぐ年末のお掃除です。更新が滞りなく出来るか心配ですが、出来るだけすることにします。よろしくお願いいたします。