第二十章・出会いは森の中に?
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第二十章・出会いは森の中に?
オッサンは森の奥深くに逃げ込んだらしい。
靴の足跡がそれを証明している。
あんな魚の乱獲は違法であると言ったのはルルチェだった。
でも俺はその前からそうだとは思っていたが。
とにかく俺たちは今、自ら冒険を展開しているようだ。
俺は冒険の前にレベルを上げさせたいのだが。特にイーゼルには。
なぜならいつまでもパーティーは組んでられないからだろう。
彼女はおそらくいつかは一人で生きていかなければならないだろうからだ。
ルルチェには帰るべき王都があるし、コマドリだっていつかは山里へ帰る日が来るだろう。でも、イーゼルには‥‥‥。
でも、ひょっとしたら、俺はイーゼルと‥‥‥‥。
いや、今は考えるまい。
足跡の先には小さな小屋があった。
あそこか!
俺たちは小屋の前に立つ。
「ここなの?」と、ルルチェは俺に言った。
俺はうなづく。
「さて、どうする?」
「でも、この小屋って‥‥‥」
ん?
ルルチェは入るのをためらった。
コマドリもイーゼルも戦闘態勢だったのだが。
いや、あんなオッサン相手に戦闘もクソもないが。
「ルルチェ、何かあやしいのか?」
「この小屋のサイズを見て」
「小さいな。思ったより」
「そう。それに鉄のにおいもする」
「言われてみれば‥‥‥」
「ここは鍛冶屋よ」
「鍛冶屋?」
「ええ。からくりにも強いということ」
まぁ、さっきのサメは良く出来てた。
「ここにいるのはきっと、ドワーフよ」
「え、マジか?」
さすが、賢者。
「悪さするやつか?」
「そうとは限らない。ドワーフにもいろいろいて‥‥‥」
俺は扉を開ける。
オッサンと背の低い髭もじゃのドワーフがいた。
ってか、どっちもオッサンだ。
紛らわしいのでドワーフとオッサンでいいだろう。
「おいコラ、オッサン!」
タバコでもくわえたい心境だな。まぁ、タバコを吸ったことはないが。
威圧感を出したい。俺は見てくれがヘタレに見えるらしいし。
ま、ヘタレに見えても俺は実力的にはチートスキルなんだが。
それが外見に比例しないのは悲しすぎる。
でも、俺の見た目がヘタレに見えなければイジメに遭うこともなかっただろう。
「魚の乱獲してたな?現行犯逮捕だ」
イーゼルたちも小屋の中に入ってくる。
「ここがオッサンの隠れ家なのですか?」と、イーゼル。
イーゼルもオッサン呼ばわりか。
「オッサン、どうして魚の乱獲などしていたのだ?」
コマドリもオッサン呼ばわり。
オッサンが染みついとるなぁ。
「ダ・ガールの王族の者として、オッサンの魚の乱獲には罪を着せたいわ」
ルルチェ、お前もか‥‥‥。
その時、追いつめられるようなオッサンをかばうように、ドワーフが口を挟む。
「あのからくり巨大ザメは儂の作品だ」
ルルチェが前に出た。
「あのサメを作ったというの?では、あなたも共犯?」
「剣を作るもんは剣で殺すもんと同罪になるのか?」
「乱獲に使うという名目で作られたものならば、罪にはなりますよ。人を苦しませるために呪いをかけるのと一緒で、悪意があります」
俺が間に入った。
「待て待て、俺たちは警察ではないぞ」
「警察?何だそれは」と、ドワーフ。
「まぁ、国家機構だよ」
「そういう類から査察を受けるいわれはない。儂は一介の鍛冶職人に過ぎんからな」
「じゃあ、なぜあんなからくり巨大ザメを?」
「ただの実験じゃよ。儂の科学で何ができるか試しとったんじゃ」
「ただの機械のテストだったってこと?」
「そう言ったはずだ。儂が知人のオッサンに試すようにちょっと貸しただけだしな」
こいつ、自分も背の低いオッサンなのにオッサンと呼ぶのか。オッサン憐れだな。
気がつくと、あのオッサンはもういなかった。
「あれ、あのオッサンは?」
「逃げましたよ、さっき」
イーゼルが真顔で言った。
何で逃がしたんだよと言いたいところだが。
「まあ、あの人はただのオッサンみたいでしたし」
最後まであの人はオッサンだったか‥‥‥。悲しいな。強く生きろよオッサン!
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