第二百三章・フイ・ティーク王朝もちょっと変‥‥‥。
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第二百三章・フイ・ティーク王朝もちょっと変‥‥‥。
王都に入った俺たちは、まず挨拶として、フイ・ティーク城へと入った。
俺たちはただの冒険者でしか無いにもかかわらず、手厚く迎えられた。
もうビップ待遇だったが、俺だけはなぜか、扱われ方が雑だと思った。
イーゼルやコマドリ、ルルチェは歓待されているようだ。
アレ?この差って何?
俺たちは玉座に案内された。そこでは、女王が座っていて、イーゼルたちに礼を尽くしていたが、俺はまるで、ゴミを見るような目で見られた。
俺、何かしたか?
「長旅ご苦労です、冒険者の方々。今回は我が国の墓所から出るゾンビたちを何とかしてくれるということで、わたしたちもあなた方を大歓迎いたします」
「ああ、どうも。俺はリューイチと言います」
俺は頭を下げた。
「誰がリーダーなのですか?まさかリューイチとかいうあなたが、このパーティーのリーダーなのですか?」
俺たちはお互いを見合わせる。
え~と‥‥‥。
「わたしたちはリューイチのパーティーだぞ?」
そう言ってきたのは、コマドリだった。
「リューイチが仕切ってるというわけではないと思うけど、でもリューイチが旅の先導者よね?」
ルルチェもそう言う。
「そうです。リューイチ以外に誰がリーダーやってるんだと思うんです?リューイチがわたしたちの代表ですよ」
イーゼルもそう言って、俺を示した。
「何ということ!男性が主役など、もってのほかですよ!」
女王は声を上げて言った。
「わたしはフイ・ティーク・ラ・ミルア。この国を統治する者です」
ミルア女王は俺の方を向いて言う。
な、何だ?
「男性というものは、女性の前に出てはダメです!男は女のために死ぬまで働き、戦が起きれば女性を守るために戦い、命を落とすことが男性の生き方なのです」と、ミルア女王の弁。
この国の女王も、何か変なこと言ってるけど‥‥‥。
「良いですか?我が国では『女王バチ政策』というものを展開しているのです。男というものは、女王バチのために、つまり女のために尽くし、そして朽ちていくのが生き方なのです。男は女の奴隷なのです。それが本当の富国強兵となるのですよ」
なるほど。この国では女性が男より偉いのか。
シア・ラース王朝は男が女より上の国で、この国では逆に、男は女にその身を捧げ尽くすのが習わしなのだな。
面白いわ、それ。ここは笑うトコじゃないのね?
女性が男を奴隷にしているってのは、なかなか興味深い。女性の方が強いというのも、一つの在り方なのかもしれないな。
「男性ってのはそこまで下な存在なんですか?」
俺は女王に訊いた。別に否定しているわけではないのだが。
「女王バチ、つまり女性が上なのです。男は女のために生き、そして死ぬべきなのです。それがこの国の法であり、力の無い男や弱い男、ダメな男は生きる資格すらないのです」
俺がもし、チートでなかったら、生きる資格すらないと言われているようなもんだ。
そのチートの俺でさえ、女の下で、あくせく働かないといけないというのか。
「あなたはヘタレ顔をしていますね。この国の男性でなくて良かったです。年収600万リールくらい稼げなくては、結婚すら出来ないですよ。冒険者というのは、もう古い考えですし、収入も安定してないでしょうからね」
ほっとけ!収入低くて悪かったなコラ!
「この世の少ない資源を奪い合う、経済戦争に勝ち残ってこそ、男は評価されるものなんです」
ふ~ん。でもその辺は、俺のいた世界と考え方は似てるのかもしれないな。
男が戦争する理由は、女性や子供を食わせるためだという話もあるしな。もちろん、戦争などはしてはいけないのだが、世界の少ない資源を奪い合っているというところは、現代の戦争の在り方とは同じかもしれない。それが経済社会における、戦争と言えるだろう。そしてそれ行うのは主に男だ。
いろんな考え方があるものだなと、俺は思った。
いや、くだらん考えも中にはあるけどな、コンチクショウ!
いや、怒ってはないよ、別に?
ただ、俺は地味に傷つくけどな。ははは‥‥‥。
俺はその場で苦笑するしかなかった。
読者の皆様に幸あれ!!たくさんの幸運を祈っております。