第百九十九章・イーゼルの恋と将来?
今日は午前中の更新が遅かったので、夕方は早めに更新します。
第百九十九章・イーゼルの恋と将来?
旅に出る一日前、俺はイーゼルに呼ばれた。例のダ・ガールの祠だ。
一緒に祠の前に行く。
「どうしたんだ?何か俺に用があったか?」
俺はイーゼルん方を向いて、言った。
「はい。わたしはリューイチが好きです」
いきなり告られた!
「お、俺はお前が、その、嫌いではないよ、うん」
てか、何でこのタイミングで告られたんだ?
俺には謎だ。何かのラッキーデーなのか?俺って一日一善でもしてきたのか?
神に祈ったのか?正義を全うしたのか?魔王を倒したのか?いや、魔王はもういないけど‥‥‥。
「リューイチには誰か、想い人がいますか?」
「いや、いないけど‥‥‥」
振られた回数なら、指折り数えるほどもあるのだが。
いや、今はそういうことじゃない。
「お前の気持ちは分かったよ」
そう言うしかない。
これは一体どういえば良かったんだ?
答えが見つからん‥‥‥。
「いずれ冒険が終わるとしましょう。その時、わたしはついに独り立ちの時が来ます。その時、誰がそばにいてくれるのか、先の心配があるんです」
「それは、お前の自由だろ?」
「はい」
「お前が旅をする間に、また別の想い人が出来るかもしれない。そうなったら俺は‥‥‥」
「そんなことありません!」
イーゼルは怒った。そして言い切った。
「わたしはずっと、あなたを見てきました。あなたのそのヘタレっぷりには、ある種の優しさがあります」
「そ、そうか?」
なんか、褒められてる?
「旅はすぐには終わらないぞ?」
「だから、わたしは待ちます。そしてリューイチが自分の旅を終えたと思ったら、わたしのことを思い出してください。待ってますから」
これがイーゼルの恋なのか?
でも、俺は‥‥‥。
「分かったよ。いいぜ。その時は一緒に生きよう」
「本当ですか?」
イーゼルは驚きの顔を見せる。こんな顔は初めて見た。
「温かく生きよう。それで良いか?」
「は、はい!」
「でも、今は冒険を楽しもうぜ!」
「え?」
「今は今だよ。それが一番良いことだ。そう思わないか?」
「は、はい‥‥‥」
俺はイーゼルの肩を叩いた。
「冒険はもう終わりって時は、冒険をやめた時だ!そんな日も来る。でも今は、ルルチェもいて、コマドリもいて、お前もいて、それで冒険なんだ。それで冒険を通してもっと、絆を深めていったら、俺は満足になるさ。きっと素晴らしい生き方を見つけられる。それまでは旅を続けようぜ!ダメか?」
「いいえ。そうですね。それでいい、いえ、それが良いですね!」
「だろ?俺たちは仲間だ。今はそれを大事にしよう!な、イーゼル」
「はい!」
イーゼルは目に薄く涙を見せた。
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