第百九十二章・リュクタアール・エズモンドは?
休日にもかかわらず、読んで頂いてる皆様に感謝です!!
第百九十二章・リュクタアール・エズモンドは?
ぞろぞろとやって来るヴァンパイアキラーの連中たち。やっとお出ましか。
「こいつは徹夜仕事になるかもな。敵は400。それに奴らは魔族。油断できない」
俺は錬金の剣を抜いた。
「敵の総大将は?」
ベアトリアースが答える。
「黒装束のリュクタアール・エズモンド」
「何か特徴は?」
「胸が異常にデカいというところですかね」
「おい!」
「別にわたくしはセクハラ主義ではありませんのよ。ただ、事実を言うのみです」
ロリっ子のこいつは至って純粋な性格なのだな。
「で、そいつを倒せばいいんだな?」
「いいえ。全滅でお願いします」
「ぜ、全滅?マジでか?」
「これは生死を賭けた戦いです」
「つまり、殲滅戦ってワケか」
「そうです。容赦してはいけません」
そういう戦いは苦手だな‥‥‥。
大勢のヴァンパイアキラーたちが、走ってきた。
「さぁ、大掃除だ!」
俺は剣を握った。
敵は、俺の振る剣を、ことごとくかわしていった。
「な、何だこいつら!」
ベアトリアースが指先から銃弾を飛ばして、敵を倒しながら言った。
「だから言ったでしょう。奴らはマーシャル・アーツの達人ばかりなのですよ。というか、戦闘中は戦闘に集中しなさい」
はい、分かりました!
俺は通り抜けたヴァンパイアキラーを追う。
他の敵は、皆に任せよう。
「待てコラ!ヴァンパイアキラーども!!」
俺は背中を見せた敵に斬り付ける。さすがの武術の達人でも、背後からの攻撃には対処できまい。
武道家のレラでさえ、俺のチートに勝てなかったのだから、いくら武術に長けていようと俺のチートには敵わないのだ。
俺はさらに敵をぶった切る。
錬金の剣の長所は、どんな奴でも一撃で仕留められることだ。
これほど実戦に向いている剣は無い。さすがの錬金術で精製された剣だ。
ありがとな、ケイト!
戦闘はずっと続いた。何せ殲滅戦なのだから、一匹たりとも逃してはいけないのだ。
「おい、コマドリ!逃げる奴を仕留めてくれないか?」
「ああ、分かった!」
コマドリは敵の軍団の後ろに回り込み、退路を断った。
「イーゼル、火炎魔法で奴らを焼いてくれ!」
「はい!」
イーゼルの火炎放射が、敵をどんどん火だるまにしていった。
リエットも加勢して、風魔法でかまいたちを起こし、敵を裂いていった。
敵が武術を得意としているのならば、俺たちに近づく前に倒してしまえばいいのだ。
戦闘は、夜明け前まで続いた。
けっこう皆、ヘトヘトになる。
俺やベアトリアースは、かなりの体力の持ち主なので、その辺は心配はいらなかったのだが。
最後の一匹を斬り倒した俺は、敵の全滅を確認した。
「あれ、敵の総大将の、確かリュクタアール・エズモンドって奴は?」
ベアトリアースも、敵の総大将がいないことに気づく。
「しまった。どさくさに身を隠したようですね」
「え?どうすんだよ?」
「あのヴァンパイアキラーのことだから、栄養補給に行ったとしか、考えられませんね」
「と、言うと?」
「たぶん、森の鍛冶屋のケイトが狙われるかもしれません」
「な、何だと?あいつは厳戒令のことは知らないはずだぞ!」
「マズいですね。リューイチ、助けに行ってあげなさい!」
「言われなくてもだよ!」
俺はその場を離れ、森がある方へ走って行った。
読者の皆様に幸あれ!!