第百八十九章・ダン・ルーエのスイーツ祭り開催!
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第百八十九章・ダン・ルーエのスイーツ祭り開催!
日が昇ると、一斉に店の人たちが、王都の広場にたくさんのスイーツを持ってきて、並べ始めた。
そこにはスコーンやマフィン、ケーキやシュークリームなどがズラリと並んだ。チョコレートにゼリーなどもある。これは女子には至福だ。
午前中に俺たちは、広場へ来た。
ウチの女子たちは、反応せざるを得ないだろう。何せ、これだけのスイーツが食べられるのだ。もちろん金はいるが。
買い食いのレベルではない。プリンアラモードには行列が出来ている。
広場のそばに、イートインスペースが用意されているが、席は埋まっている。
まぁ、たくさん食べな。
俺は広場をウロウロする。
あれ、なんか見た顔の人がいるぞ?誰だっけか?
よく見ると、思い出した。ダン・ルーエの国境警備主任のクリスティーナだ。
この日のために来たのか。
まだまだいる。プロコト・パーティス王国の王女、エヴァもいる。護衛が彼女を囲んでいたが。
そのそばには、ネコ科の獣人族のリルエ、それにルイ・イークの海軍大佐のナディアがいた。マカロンやジェラートを食べていた。さらには武道家のレラ、タリル族のミーシャもいる。また、クッキーやドーナツを手に持った、エルフのマイナリースにアレキサンドリア(アレク)、さらにダン・ルーエの海軍将軍トゥエルや、女海賊のリリー・プラド・ハモレミストも、ポップキャンディーやキャラメルを口に入れながらいるのが見えた。
こりゃ一体どうなってんだ?敵対している者同士でも、今日は無礼講なのか?
スイーツってのは世界を救うのか?誰も彼も今日だけは戦わないのかよ!
俺は驚きを隠せなかった。皆、勢ぞろいだ。
「おっ、お兄さんじゃんか!」
俺に声をかけてきたのは、セーラだった。その横にクララもいる。
「おお!久しぶりだな、二人とも!」
「ああ。お兄さんたちもスイーツ祭りに来てたんだな」
セーラは手にクレープを持っている。クララも俺に、挨拶のお辞儀をチョコンとした。
クララは手に持っているパイを食べていた。
「二人とも、郵便の仕事は?」
「ふたり揃って有休取ってきた。この日のためにな」
「そうか」
女子たちの宴だよ、やっぱり。
「みんな女子はスイーツ大好きなんだな‥‥‥」
「お兄さんは何か食べないのかい?」
「いや~、俺は見てるだけでも口の中が甘くなっちまって、食べるのは遠慮してるんだよ」
「そうなのか?もったいない。ここは天国だよ!」
天国とは違うが、一度死んだ俺は、あの世?みたいなところへ行ったことはあるのだけれどな。ルシフィーネのやつ、元気でやっているかな?
そう思っていると、何と、あの女神ルシフィーネまでが、カップケーキを手に、歩いていたのを見つけてしまった。あいつまで下界に下りてきて、このスイーツ祭りに来ているのかよ!どうなってる?
まぁ、あいつにはいろいろと言いたいこともあったが、今日はやめておこう。無礼講に個人的な文句など、謙虚さが無いにもほどがあるからだ。俺を魔王不在の世界に転生しやがったことなど、今となってはどうでもいい。
この世界に来てから、良かったこともあるのだ。
良い奴らも悪い奴らもいた。それはそれで、冒険には不可欠なものだったしな。
冒険やめるとか思った時期もあるが、それでも俺は、諦めなかった。
もちろん、仲間の説得もあったし、思い直すこともあってのことだが。
しかし、あいつと同じ空間で、同じ楽しみを共有しているようなもので、不思議な感じではあるけどな。
こうして、スイーツ祭りは日が暮れる前に終わりを迎え、それぞれが皆、それぞれの日常へと戻っていくのが分かった。
なるほどな。今日、この日は忘れられない日となったのは確かだ。
ちなみに女子の諸君、太らないようにな!
日が暮れるのが早くなってきましたので、更新も少し早めにすることにしました。ご了承ください。読者の皆様に幸あれ!!




