第百八十一章・魔女のイーゼルVS魔女のアンナ!
今日は雨ですけども、犬の散歩は行かなくてはいけないですので‥‥‥。今日もたくさんのアクセス数をありがとうございます!!
第百八十一章・魔女のイーゼルVS魔女のアンナ!
戦闘の用意をするイーゼル。
「あなたも魔女なんですね?」
イーゼルは尋ねた。
「そうですよ。魔女です。魔女のアンナといいます」
「わたしはイーゼル。まだ十五歳の未熟な魔女ですが‥‥‥」
「イーゼルさん?わたしとあなたは、もしや同郷では?」
「先輩ですか?魔法学校の?それがどうして、こんなことに手を貸しているのです?」
「これがわたしの独り立ちだからですよ、イーゼルさん」
イーゼルは黙った。独り立ちという言葉が引っかかった。
「あなたも十五歳になったら独り立ちしなくてはならないから、故郷をあとにしたのでしょう?あなたはもう、自分の身の振り方を考えているのですか?」
「そ、それは‥‥‥」
「さっきの冒険者の男性、あの方があなたの想い人ですか?」
「ち……違います!」
「そうですの?」
「リューイチは、その、わたしの旅の仲間です」
「それだけ?」
「ええ。それだけです」
「わたしに隠し事は出来なくてよ?」
「すべてお見通し、というわけですか」
「その通りです、イーゼルさん」
「無駄口はやめにしましょう。お互いに魔女同士。魔法で決着をつけましょう」
それを聞いたアンナは、ニコリと笑った。
「いいでしょう。魔法対決ですか。久しぶりの戦闘で、わたしはもう、戦いたくて、ウズウズしてるんですのよ。始めましょう。魔女の戦いを!」
「ここで負けるわけにはいきません。わたしも遠慮なくいきます!」
イーゼルは呪文を唱え始めた。
「それは火炎魔法の呪文。なら、わたしは氷雪魔法で応戦するまでです」
アンナの呪文の唱え方は、とても速かった。イーゼルが呪文を唱え終わる前に唱え終わる。
氷の魔法が、イーゼルに向かって来る。それを飛び避けたイーゼルは、地面に倒れる。
「どうしました?魔女と戦うのは初めてなんでしょうか?」
笑みを浮かべるアンナ。
イーゼルは立ち上がると、再び呪文を唱えた。
「それは風の魔法!それなら‥‥‥」
アンナは土の魔法で土砂の壁を作り、風を防御した。
「いかがです?あなたの魔法では、わたしは倒せなくてよ?」
イーゼルは、目をつむる。そしてまた、呪文を唱え始めた。
「それはミサイルの魔法‥‥‥」
アンナはそこで油断した。
イーゼルが唱え終わらないうちに、簡単な詠唱不要の火炎魔法で、アンナの死角である足元へ、攻撃したのだ。小さな火炎放射が、アンナの足を襲う。
「熱っ!」
ひるんだアンナに、イーゼルは爆破魔法でとどめを刺す。
爆発が起こった。そして、間一髪でバリヤを張り、難を逃れたアンナが、ローブや装束をボロボロにして立っているのが見えた。
「なんてこと‥‥‥。バリヤが間に合ったというのに、このダメージは‥‥‥」
アンナは動けなくなっていた。立っているのが精いっぱいという感じであった。
「これ以上の戦いは、もうやめた方がいいと思います。どちらに軍配が上がったのか、分かるでしょう?」
「そ、そうね‥‥‥。わたしの負けみたい。イーゼルさん、あなたは油断のならない性格をしていますね?」
「わたしはそのままの性格です。あなたがわたしをどういう風に見ていたのかは知りませんが、見た目や雰囲気で判断したのが、あなたの敗因につながったのでは?」
「皮肉ね‥‥‥。恐ろしい子!」
「誉め言葉と伺っておきます」
イーゼルは、そう言うと、ボロボロのアンナをそこに残し、金山へと急いだ。
小説をたくさんの人に読んでもらって、幸せを感じます。読者の皆様に幸あれ!!