第百七十九章・助け?いや、援軍か!
今日は気分が良かったので、戦争映画観てたら、またキツくなってきました。う~む、何だかなぁ。
第百七十九章・助け?いや、援軍か!
俺たちが館の真正面から中へ突入したあと、平原ではさらなる兵力が投入されたようだった。
もうすでに俺たちを追う女兵士たちはいなくなって、代わりに新エトカニア騎士軍団に攻撃をするようになっていた。
新エトカニア騎士軍団の皆でも、7000人の敵を相手にしていたら、それでは多勢に無勢だろう。
しかし、俺たちもここまで来たのだから、もう戻れはしない。
悪いがこのまま戦ってほしいのだ。何とかならないか心配だが、それでも俺たちは、先を急いだ。
館の中に突っ込むと、俺たちは、やけにその中が静かなのに気づいた。
「リューイチ、この館はもぬけの殻ですよ」
イーゼルが言った。
「そのようだな。でも念のために警戒しよう」
俺は逆に慎重になる。
昨日とはまったく違う雰囲気のヴァンラード館だった。
エクル・エスペランザはいないようだ。もしや、逃げたか?
俺たちは館を突っ切った。迷路に行くこともない。地下でなければ、地上のどこかには必ずいるはずだ。一階の部屋を探し回る俺たち。
やはりどこにもいない。
こんなことってあるのか?
俺は二階に行ってみた。どの部屋も空っぽかと思いきや、忍者刀を持った女がひとり、エクル・エスペランザの部屋に立っていた。
「お前は?」
「魔族のクローディアだ。殺し屋で通っている。わたしの相手はお前でいいのか?」
左目に眼帯の女。こいつで間違いない。喫茶店『もか』のエルフ、アレキサンドリアが言っていた刺客の一人。
コマドリが部屋に来て、クローディアを見つめた。
互いに忍者刀同士。しかし、持ち方は、コマドリは逆手持ちだったが、相手は正眼の構えだった。
「リューイチ、こいつはわたしが斬る!」
「殺すのか?」
「いざとなったら!」
「こいつはおそらく覚悟を決めているだろう。だから、わたしも覚悟を決める」
「ヤバいと思ったら、逃げろよな」
「冗談!」
俺はコマドリにこの場を預けた。
死ぬなよ、コマドリ!
俺は別の部屋に行った。そこの窓から、外の合戦がよく見えた。やはり新エトカニア騎士軍団は苦戦しているようだ。ましてや、女相手では本気は出せないだろう。
もっと別に、カル・デールの兵が来ればいいが‥‥‥。
そう思った時、森の中からさらにたくさんの魔族たちが応援に来た。
あれは?
よく見ると、エミリディアと、その部下たちが援軍としてやって来たのだ。加勢するエミリディアたち。
これは強力な援軍だ!
彼女たちの到着で、形勢は逆転した。
エミリディアの軍は、相手が女兵士たちだろうが、お構いなしにやっつけてくれる。
これで安心だ。
俺はイーゼルと合流すると、館を出た。
「リューイチ、エクル・エスペランザはおそらく、金山にいると思います!」
「金山?」
ああ、奴隷を働かせているというあの場所か。この先にあるらしいんだっけな?
俺とイーゼルは、その金山に向かって、足を速めた。
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