第百七十七章・宣戦布告はお早めに?
休みの日なのにたくさんの人が読んでくれて、本当にありがとうございます!!
第百七十七章・宣戦布告はお早めに?
俺たちは、エクル・エスペランザと直接対決をすることにした。連中もそれは分かっているはずだ。問題はタイミングだ。
俺たち一行は、今日の昼過ぎに、再びヴァンラード館へと赴くことにする。
敵にはケルベロスの群れや、殺し屋、魔女がいることも、事前の情報で分かってる。敵の兵はみんな女で、戦闘員。しかも7000人くらいいる。
こっちはとにかく少数でも戦闘に長けている俺たちが、一番に戦わないといけない。
カル・デールの方で、斥候が敵の様子を見てきたらしい。そしてすぐに報告が来た。
どうやら、敵も戦闘用意をしているとのことだ。
戦いはヴァンラード館の前に広がる平原と、森の中で行われるであろうことも、分かっていた。
さて、昼を過ぎたら、使者を送って、エクル・エスペランザに宣戦布告をするか。
これから戦争を始める。宣戦布告は大事だ。
かつて、俺がいた世界では、太平洋戦争勃発の際、日本がアメリカへの宣戦布告がタイミング的に遅れてしまったため、ハワイの真珠湾基地への攻撃が奇襲となってしまい、相手からは、いまだに『真珠湾を忘れるな』精神を持たせるようになってしまったのだ。
まぁ、なぜハワイがアメリカの領地であったのかということは謎なのだが‥‥‥。
戦いが始まるのはもうすぐだ。
「よし、俺たちが先頭に立つぞ!」
俺が仕切ると、他の三人もうなずいた。
「ケルベロスは俺が引き受けるよ」
俺が森の中から指示を出す。
「リューイチ、わたしは敵兵と戦いたいのだが」
コマドリが名乗り出てきた。
「じゃあ、頼む!」
「ああ!」
イーゼルは当然、敵にいる魔女との対決のために待機させておく。
さて、ルルチェには後方を守ってもらうかな。
カル・デールから、馬に乗った使者が送られる。宣戦布告の書状も持たせてある。ついに始まる。
と、その時、カル・デールの使者が飛んできた矢に撃たれ、馬から落ちた。
「なんだ?」
俺は使者を見た。肩口に矢が刺さっている。
「使者が射られた!助けろ!」
俺は叫んだ。
これは開戦の合図か?
そんなことより、先に使者を助けないと!
俺は森を出て、走った。
これは予定にない、俺の勝手な行動だった。
皆、面食らっている。しかし、それでも俺は、使者のところへたどり着くと、使者の体を起こしてやった。軽症で済んでるが、この人を森の方まで連れて行かねばならない。
その時、ケルベロスの大群が、俺たちを狙って走ってきた。奴らは宣戦布告の前に攻撃してきた。これでは逆にやられちまう!
相手を見くびり過ぎていた。向こうから奇襲してくるとは!
しかも相手はケルベロスたちだ。
「チィ!厄介な!」
俺は、追ってくるケルベロスたちから逃げるように、使者を連れて、森へと急いだ。
このままじゃ、戦えない。援護が必要だ。
誰か‥‥‥。
その瞬間、援護に回ってくれたのは、イーゼルだった。
小説を書くというのがこんなにキツく、楽しいものだと知ったのは、今日この頃です。読者の皆様がいらっしゃるから書けるんですね!!