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第百七十六章・戦いが始まる前に。

髪を切りに行かないと、けっこう伸びていますからね。年末ですし。

第百七十六章・戦いが始まる前に。



 カル・デールのポラリスとトドスに会いに行った俺たち一行。夜中に突然現れた俺たちを、快く迎え入れてくれたのは、ポラリス姫とトドス王子だった。

王族の間で、俺とイーゼル、コマドリとルルチェが、ポラリス姫とトドスの前に座った。

「それで、エミリディアに話を聞いて、ここまでやって来たってことね?」

 ポラリス姫は、俺たちを見ながら言った。

「エミリディアを送ったのはポラリスじゃないの?」

 俺が話すより先に、ルルチェが訊いた。

 発言権はルルチェにあるようだ。

「エミリディアにはリタ・エールとの同盟を促してもらうための公務に行かせたの。彼女が自ら、買って出た仕事なのよ」

「なるほどね。エミリディアにはカルデッド島のことがあるから、リタ・エールへの使者としての公務には適任だったのね?」

「ええ。その彼女があなた方に、そのような頼みをしていたなんて、わたしは知らなかったわ」

「エミリディアなりの考えがあったのかもね。元魔族の政治家だったんだし」

「戻ってきたら、わたしも訊いてみるわ」


 俺が話す番が来た。

「ポラリス姫。俺がお願いしたいのは、エトカニア騎士軍団を派遣してくれることだ。俺のチートでも、戦争に勝つほどの戦力は持ってない。敵の魔族ケルベロスや兵たちを、けん制して欲しいんだ」

「エトカニア騎士たちの再編成は、まだ終わってないのだけれど‥‥‥」

「そうなのか?」

「ええ。わたしたちの結婚式であなた方、冒険者にしこたまやられたショックから立ち直れなかった騎士は、みんな外してしまったから」

「そりゃ、悪いことをしたな」

 俺のバツが悪くなる話に耳が痛い。

「あなた方のせいではないわ。結局、こちらの戦力が足りなさ過ぎただけなのよ」


 俺のチートのせいなんだけど‥‥‥。

 それを言うと、ややこしくなるから言わないけどね。


「で、戦力になりそうな人材が整うまでそんなに時間がかかるのか?」

「即席でメンバーを集めることは出来るけど、どんがめ騎士団になってしまうわ」

「それでもいい。一人でも多くの兵に参加してもらうことが重要なんだ」

「相手の兵たちは皆、女性たちらしいわね。女性相手に戦うというのは騎士道精神から外れてしまうわ」

「おいおい、結婚式の時は、俺以外にもイーゼルやコマドリを相手にしたくせに‥‥‥」

 それを聞いたポラリスは、そっぽを向いて、しらばっくれた。

 ま、いいけどね。


「エトカニア騎士たちの戦力を当てにしているのなら、送ってあげる。でもまだ、ちょっと待って」

「ああ、いいよ」

「それと、魔族はそちらで何とかして」

「え、なぜ?」

「エミリディアは出張中だし、他は当てにならないわ。魔族に触れるのはこちらでは出来そうもないの」

「そうか。まぁ、魔族は俺たちで引き受けるよ」

「そうしてくれると助かるわ」

「分かったよ。でも、最後は俺も、エクル・エスペランザと対決になるかもしれないから、生け捕りにしようかどうか、迷ってる」

「どうせここに連れて来れば、火刑以外は無いかもしれないけどね」

「ホントに火刑好きだな、カル・デールは」

 

 まぁ、奴隷を強制労働させて、金を掘らせるような奴を相手に、容赦は不要か。


 俺の前世では、昔は世界中の国が、奴隷を連れて来て、働かせていた歴史があるのだ。これは全世界が行っていたことなので、別段、意外なことではない。だけど、勇気ある者は、それに抗おうとして、殺された者もいるのだ。このことに関して、責任を取れる者はいないが、言い訳する奴もいないに違いない。恥ずべきこととして、歴史に血の一行を残してもらいたい。


 人間の世界の方が、魔族よりももっとえげつないのかもしれないな。それは俺たちも同じだろう。俺たちの正義で戦いは行われているのだからな。


 まぁ、正義の話をする余裕などないから、ここら辺は割愛しようと思う。大事なことではあるのだが。


 俺たち一行は、そのままカル・デールの城に泊まった。


 明日からやることはたくさんあるはずだ。

 そのためにも休息はきちんと取るようにする。



「さよならの朝に、約束の花をかざろう」をDVDで観ました。絵が綺麗だったです!!

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