表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
175/479

第百七十四章・女たちの話に、俺いなくても良くね?

師走に入りました。これからもっと寒くなりますね。風邪には気をつけてくださいね。

第百七十四章・女たちの話に、俺いなくても良くね?



 さっそく、俺たちは腰を落ち着けて話すことが出来た。椅子に座って、豪華なテーブルを囲み、本題に入る。

「あんたはこの土地を支配してるって?」

「あら、それは失礼ですね。わたくしはここの領主ですのよ」

 そうは言うが、彼女は目をギラリとさせる。

 こっちが本性か?

「ルルチェ、どう思う?」

 ルルチェは俺に向かって笑みを見せた。

「ここからはわたし、ダ・ガール・フォー・ルルチェがお話します」

 エクル・エスペランザは顔色を変えた。

「そなたはダ・ガールの?」

「ええ。姫です」

「王族の方が冒険者になってるなんて、知らなかったわ」

「それはそうでしょうね。わたしは王家の身分を封印していた時期がありましたから」

「どういうことです?」

「大賢者様のところで、五年間修行をさせてもらいましたから」

「大賢者?そんな人がまだこの世界にいらっしゃるというのですか?」

「ええ。そうです」

 ルルチェは自分がナメられないようにと、口調を強めた。

「それでエクルさん、わたしたちはカル・デールの要請で、この領地に不正が無いか、調査に来たのです」

「調査?」

「はい。何でもここでは領土拡大のために、暗躍が行われているという情報を得てまして、わたしたちはカル・デールからの依頼で、この土地の様子を調べて、報告するように言われまして」


 ルルチェの奴、口から出まかせ言うなぁ‥‥‥。

 本来は討伐だぞ。

 でも、円滑に話が進むのなら、それで悪くはない。


 エクル・エスペランザは、う~んと言うと、首を天井に向け、フッと笑い、俺たちの方に目をやる。

「確かに領土の問題はありますね。でも、わたくしは本来もらうはずだった土地を、取り上げられたのです。わたくしの両親が亡くなったあとのことですが」

「え?」

「わたくしは正当な土地を手に入れるために、領土拡大をしていたまでです」

「でも、カル・デールに届けもしてないのに、勝手に拡張するのは違法です」

「書類のほとんどを燃やしたのは、カル・デールの役人ですよ」

「それは、あなたとカル・デールの間の問題です。このことは報告させていただきます」

「あら、意外と厳しいのですね」

「わたしも王族ですから」

「でも、まだ若いですね。今ある土地は渡すわけにはいかないです」

 エクル・エスペランザは、両手を広げた。

「この土地を含む、カル・デールの北の大地はわたくしの物です!」


 この女、しゃらくせぇ!と、俺は思った。


「ダ・ガール・フォー・ルルチェさんでしたね。強い女は大好きですよ」

「王族に負け犬はいないですから」


 おいおい、ドラゴンのヴァーラントに攻撃して、負けちゃったこと、忘れてないか?

 

「では、あなた方はここで死ぬことになるのですよ?」

 エクル・エスペランザは、脅しにかかってきた。

「それは本気ですか?」

「ええ。わたくしは目的のためなら‥‥‥」

「手段を選ばない‥‥‥ですか?」

「決まり文句かもしれませんが」


 まぁ、そういうセリフはよく聞くものだ。フラグも立ったのかな?


「じゃあ、わたしたちはあなたのやっている、奴隷を働かせているブラック企業を潰させていただきます」


 ブラック企業って‥‥‥。確かに今ではこの世界にも会社と名の付く企業などはあるが。


 それでもこのファンタジー世界には違和感あるわ~。


「ま、そういう脅しには屈しないのがわたしの流儀ですから」

 ルルチェが強気に言う。

 何だか、俺たちの出番は無しみたいだな。

 イーゼルは真剣に話を聞いていたが、コマドリは腕を組んで、ボーッとしてる。


 俺ももう、あとはルルチェに任せることにした。



いつも読んで頂きありがとうございます!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ