第百七十三章・エスペランザ邸へ!
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第百七十三章・エスペランザ邸へ!
その日の夜、俺たちはエクル・エスペランザの館のそばへ来た。門番の女が行く手を阻む。
「お前たち、誰だ?」
俺が前に出る。ここは俺が‥‥‥。
「この館はエクル・エスペランザの館でいいのか?」
「そうだ。エクル・エスペランザ様のヴァンラードの館だ」
「そうか。ご主人に会いたいのだが」
衛兵の女は、俺たちを見回した。
「そのなりは、まさかとは思うが、お前たちは冒険者なのか?」
「ああ!」
おれは強く言った。何も恥じる必要はない。
事実を言うまでだ。
「それで、いまだに冒険者たちがいて、ここに何の用だ?アポは取っているのか?」
「いや、これはアポなし突撃取材ってやつさ」
俺は某アメリカのドキュメンタリー映画監督の真似をしてみた。
「こんな夜更けに嫌がらせのつもりか?アポのない者にはお帰り願っている」
俺はため息をついた。
「俺は冗談でここへ来たのではない。エクル・エスペランザと話があって来たんだ。ここに危機がやってくると伝えにな」
「危機だと?」
「ああ、そうだ」
「分かった。ちょっと待ってろ」
門番の女は、屋敷の中へ入っていく。それから十分後、また門番がやって来た。
「領主さまの了解が出た。入っていい」
「そう来なくっちゃ!」
俺たちは屋敷の中に入った。別の兵士の女が案内する。
中は外観とは違い、コンクリートのような材質で出来た迷宮になっていた。上へあがり、下へ降り、ここがどの辺なのかよく分からなくなってきた。
まさか、迷路があるとは思わなかった。でも、秘密の扉のようなものもあるだろう。さっきの門番が十分くらいで、行って戻ってきたくらいだから、近道はあるのだろうな。
エクル・エスペランザの館の大ホールに、やっと来た。
二階まで吹き抜けになっている。俺たちはそこで待つように言われた。
さて、どう出るか?
二階から、エクル・エスペランザと思われる女がドレスに身を包んで下りてきた。
「そなたたちが冒険者の方たちなのですか?」
意外に礼儀正しい。
まぁ、領主なのだから、きちんとした育てられ方はしているのだろう。
「わたくしはエクル・エスペランザと申します。冒険者の人たちなら歓迎しますよ。今どき珍しいですからね。魔王もいないのに、どうして冒険が出来るのか不思議ですが」
「ああ、それは、この世界にはまだ、攻略されていない場所が山ほどあるからなんだよ」
「へー。興味が湧きますね」
「楽しいぞ。冒険は」
「でも、子供の遊びのようなものではありませんか?ちゃんとしたところに働きに行って、社会に貢献した方が、よっぽど健全な気がします」
それって、俺たちがニートのようなイメージってことかと思ったが、それは違うぞ!
「今は就職難で、ハローワークに行っても、仕事が無いんだよ」
この世界にハローワークがあるかは知らないが‥‥‥。
「まぁ。それではわたくしの領地で就職が出来るように斡旋してもいいですよ?」
「悪いが遠慮する」
俺たちは、この先も就職はしないつもりだからだ。
もちろん、理由はある。
魔女のイーゼルは独り立ちするために旅に出たのだ。
くの一のコマドリはレベルを上げて、故郷に貢献するのが最終的な目的。
ルルチェは王族の姫として、いずれ民主国家の樹立をするために賢者の上の大賢者となるのが、最終目的。
俺はまだ、分からないが、冒険は続けるだろう。
みんなそれぞれ、目的は違えど、俺たち四人はパーティーを組むことになったのだ。
そのために冒険者になったのだ。
でも、その目的は皆、バラバラだが、それでも俺たちの団結力は今までの冒険者たちよりも強いだろう。
当然、もう今は冒険者なんていなくなって、その絆の強さを比較することは出来ないと思うが。
さて、本題に入ろうか。
立ち話も何だからと、俺たちは、奥の間へと通された。
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