第百六十七章・ヴィクター古城はホラー?
今日の更新はここまでの予定です。力尽きました。いや、冗談ですが、用事が入ったので、更新できるか分からないのです。予定は未定です。もし夕方近くに更新出来たらします。
第百六十七章・ヴィクター古城はホラー?
大雨の中、日も暮れて、俺たちはびしょ濡れで森をさまよっていた。雨宿りできるところは無かった。
しかし、暗闇の森の中で、古い城を見つけた。ゴシックな感じの城だった。
「あそこで雨が止むまで泊めてもらおう」
俺は、皆に言った。
城は無人のように、人の気配が無かった。堀に囲まれていて、石で出来た橋を渡って城の門に行く。
「こんなところに古城?」
ルルチェは地図を見たが、こんな城は地図には載ってなかった。
「しょうがないだろ。見た目は不気味だが、雨宿りにはここしか無さそうだし」
俺は錆びた鉄の門を開けると、城の敷地に入った。
皆もそれに続く。
「ホントに不気味な城だな」
コマドリも言うが、一番怖がっていたのは、案の定、イーゼルだった。
イーゼルはダンジョンも暗く陰鬱なところも、とても苦手だったな、と俺は思い出していた。
「イーゼル、大丈夫か?」
「いえ、怖いです。ここは何か、呪われてるような感じがします」
「呪い‥‥‥ねぇ」
俺はルルチェの方を見た。
「結界みたいなのは張ってはいないみたいね。長年、放置されてる感は否めないけど」
「魔族が住んでいるということは?」
「そういう感じでもないわ」
「なら、一泊くらいしてもいいのかもな?」
「でも、一応管理している人がいるはずよ。カル・デールの領内の建物だし」
「管理してるようにも見えないけどな‥‥‥」
まぁいい。俺は大きな開き扉を開けた。
中は吹き抜けになっていた。辺り一面に蜘蛛の巣が張られていて、壊れたステンドグラスの破片が散乱している。一気にホラー感が出るような造りだ。
モンスターいるんじゃないか?
俺は、奥にまで行こうとしたが、俺の袖をイーゼルがつかんできた。俺の足が止まる。
「おい、イーゼル!」
「だって、怖いんですよ」
それは分かるが‥‥‥。
まぁ、コマドリもルルチェも似たような反応をしているけどな。
俺はそんな、幽霊とか死霊とかの類は信じてないのだ。
夜中にひとりでトイレにも行ける。
城の壁には大きな肖像画が飾られていた。これはこの古城の持ち主の絵だろう。本人かもしれない。
下の方にヴィクター・フランケンシュタインとか書いてあるから、ヴィクター城と呼ばせてもらおう。
ここには霊気が渦巻いてあると、ルルチェは言った。
ん?待てよ?
ヴィクター・フランケンシュタインって、あのフランケンシュタイン?
「この世界にヴィクター・フランケンシュタインがいるのか?」
俺はルルチェに訊いた。
「誰だっけ、それ?」
「機械を使って、死人を蘇らせた博士だよ」
「そんなの知らないわ。初めて聞いた」
「まぁ、シャレでそんな名前にした奴がいるのかな?それともただの偶然か」
「さぁ‥‥‥」
俺たちは二階に上がる階段で、上へと上った。
読んで頂いている皆様には深く感謝します!!