第百六十四章・フランジータ寺院の尼僧三姉妹。
今日は早めに更新します。読んで頂けたら幸いです。読者の皆様にも良いことがあるように祈っています。
第百六十四章・フランジータ寺院の尼僧三姉妹。
フランジータ寺院の門の前にいたのは若い尼僧だった。
「ようこそ、フランジータ寺院へ。ブービートラップはいかがでしたか?楽しんでいただけたでしょうか?」
楽しくねーよ!
死ぬところだったわ。
ブービートラップで殺そうとしたのは否定しないのか‥‥‥。
「いや~、なんであんな仕掛けが用意されてたんですかね?まるで昔の冒険活劇映画のようだった」
「冒険活劇映画とは何でしょうか?」
「いや、何でもないよ。それで、何であんな仕掛けが?」
「この寺院は世界中の名のある僧侶たちが集う場所なんです。そういう僧侶のサンクチュアリですので、証文をお持ちでない方は、真正面から入っていただくことになっているんです」
それであのブービートラップを通らなきゃいかんのかよ。
「で、あなたは?」
俺は目の前にいる尼僧に訊いた。
「わたくし、ここの責任者の妹なんです」
「妹?」
「はい。長女のアルファ、次女のソフィア、そしてわたくしエルファが、この寺院の代表なのです」
「へー」
俺は感心した。こんな若い僧侶が責任者たちとは。
「とにかく中へ。この寺院に用事があって来られたのでしょう?」
「あ、ああ」
門を開けてもらった俺たちは、中へと案内される。
通路の途中で大きな納骨堂を通った。天井にまで伸びている納骨堂は、それぞれに人の骨が入ってあるだろう骨壺がたくさん並べてあった。
たくさんという表現では足りないらしい。何万という骨壺が収納されていた。
俺たちはその中央の通路を案内される。
納骨堂を出ると、さっき言ってた次女の尼僧が立っていた。
「どうも初めまして。次女のソフィアです。この巨大な納骨堂の管理を任されています」
「あ、どうも」
なるほど。次女というだけあって、エルファの姉という感じだった。
「この寺院はとても大きいんだな、ソフィアさん」
「ええ。世界一の寺院ですから」
確かに、タハジ・マハールや、アンコールワット級の建物だったので、中もスケールが違う。タハジ・マハールやアンコールワットに行ったことはないが。
内装は壁のあちこちに彫刻が掘られ、さらにどっかの神像が並んでいる。どれがどこの宗派なのかすら分からないが。
俺たちはここでバトンタッチで、エルファからソフィアに案内役が変わった。
「ここからはわたしがご案内します」
連れて行かれたのは、奥のチャーチだった。十字架が立っている、大きな部屋だった。
ここはキリスト教の神殿かよ!
「ここは?」
「かつていた、異世界転生とかいう方法で、この世界に来たという女性が持ち込んだ宗教です。異世界転生というのは、わたしにはちょっと分からないのですが」
そんな転生者がいたのかよ。俺とカンダタだけではないのか。
ルシフィーネのやつはホントに仕事のミスが多いんだな。
アホなのか、あの女神は。
「それで、その方はどこに?」
「さぁ。どこかへ旅に出たそうです。十年ほど前に」
「そうなのか‥‥‥」
その部屋で少し待ってると、長女であるアルファが来た。
「ソフィア、ここからはわたしが応対します。ご苦労でした」
「はい、お姉さま」
そう言うと、ソフィアは下がった。
「皆、綺麗な方ばかりだな」
俺のお世辞でなく、本心。
「あら、あなた煩悩の塊のような人ですね」
え、そ、そうなの?
「美女なんて、俗世ではたくさんいらっしゃるではありませんか?」
「ま、まぁ」
「お連れの三人の女性も、とても可愛らしいですね」
俺は皆を見た。
まぁ、それが俺の自慢でもあるがな!
今日の更新はここまでです。読んで頂いて感謝です!!