第百六十三章・フランジータ寺院への通り道は危険がたくさん?
今日もゆっくり書いてます。無理は禁物ですからね。読者の皆様には感謝しかありません!!
第百六十三章・フランジータ寺院への通り道は危険がたくさん?
無事に荒野を越えることに成功した俺たち一行は、地平線に向かって歩いた。
しばらく行くと、巨大な寺院が見えてきた。
あれがフランジータ寺院か。
俺はその建築物を間近で見たくなって、早歩きで近づいていく。
「リューイチ、止まって!」
ルルチェが叫んだ。
俺はその声で、足を止めると、下を見た。
崖があったのだ。落ちたら谷底へ真っ逆さまだった。
遠くからでは地続きになっているように見えた。
「危なかった‥‥‥」
これはトラップか?
「落ちるとこだった」
「リューイチ、気をつけてください」
と、イーゼルが言った。
「こんなところに崖があるなんて、思いもしなかったよ。サンキュな」
それはそうと、寺院は崖の向こうにあるというのに、崖があるんじゃどうやって行けばいいんだ?
その問いを解決することを、コマドリが言う。
「あれじゃないのか?橋がある」
左の方に鉄橋があった。しかし、年季が入っているようで、ボロボロだった。
「あの橋を渡らないと行けないのか」
「そのようだぞ」
コマドリはそう言うと、橋の方に行く。
俺たちも続いた。
橋は崖をまたいでいたが、何やら立て札が立っていた。
「何か書いてあるぞ?」
と、コマドリ。
『このはしわたるべからず』
そう書いてある。
「どうするんだ?これでは橋を渡れないぞ?」
「これはな、とんちだよ」
俺はドヤ顔で言った。みんな、イラッとしただろう、この俺の表情に。
「とんちって何よ?」
ルルチェが訊いてきた。
よくぞ訊いてくれた!
「これは、端を渡ってはいけないという意味でとらえればいいんだよ。だから、橋じゃなく、端っこを通るべからずってことだ」
「そ、そうなんですか?」
と、イーゼル。
「ああ。まぁ、見てろ」
俺はそう言うと、鉄橋の真ん中を歩き始める。
「確かに端を渡ってるな‥‥‥」
コマドリが真剣に俺を見ていた。
と、突然俺の足元の床がパカッと開いて、俺は落下する。
ギリギリで橋のどこかを手でつかんで、落下を止めることが出来た。
「あっぶねー!」
ブービートラップだった。
俺はなんとかよじ登って、橋の上に上がる。
「落ちたら谷底だぞ?」
俺は安全を確認しつつ、橋を渡り切った。
皆も、橋を叩いて、安全だと分かってから、橋を渡った。
「リューイチ、そなたアホなのか?」
「言うな!」
橋を渡ると、今度は大きな祠があった。そこを通らないと、先には行けないようになっている。俺たちは祠に入った。
扉を閉めた途端、両側の壁が、トゲを出してきて、さらに両側から俺たちを串刺しにするよう、壁が迫ってくる。
俺は、錬金の剣を横にして、両壁が迫ってくるのを止めた。
「前の扉を開けて、みんな外へ出るんだ!」
イーゼルが扉を開ける。そのあとに続いて、コマドリとルルチェが開いた扉から外へ出た。
俺は三人とも外へ出たのを確認すると、錬金の剣を外し、でんぐり返りで外に出る。俺が外へ出た瞬間、両壁はゴウンという音を立てて、閉まってしまった。
なんでこんなにブービートラップがあるんだ?
俺たちは無事を確認すると、寺院の入り口に来た。入り口と言っても門の前だが。そこで待っていたのは、シスター服を着た尼僧だった。
読んで頂いてる皆様に幸あれ!!