第百五十七章・再び、旅へ!
今日は外出する用事があるので、少し早めに更新したいと思います。
第百五十七章・再び、旅へ!
茶屋で話が終わると、俺を含むベアトリアースとルルチェは、エミリディアと別れた。エミリディアは別の公務があると言って、茶屋の前の道を歩いて行った。
「リューイチ、お前はまた、旅に出なくてはならなくなったですね」
と、ベアトリアースは言う。
「まぁ、俺の範疇の仕事ではないけどな」
「あら、冒険者は今の時代、冒険は選んではいけないのではないのですか?」
「なぜ?」
「当然、魔王がいないからですよ。今は人間の時代ですからね」
「お前からしてみれば、人間ってのは面白いって感覚なんだろ?」
「まぁ、そうなりますけどね」
「モンスターなら退治しているところだ」
「人間が一番怖いですよ、リューイチ」
「そうな‥‥‥」
俺たちはダ・ガール城に戻る。
* * *
俺たちは旅の支度をして、ダ・ガールの城下へ下りた。イーゼルとコマドリもフランジータ寺院には興味を示していた。
「それでリューイチ、またカル・デール王朝へ行くのか?」
「ああ。今度は王朝じゃなくて、さらに北の地へ行くんだけどな」
「ふ~ん」
途中で、ミスコンでコマドリが辞退したため、繰り上がって優勝したリンゴ売りのアリサに出くわした。
「おっ、ミスコンの優勝者じゃないか!」
俺は声をかける。
「あ、はい。わたしはただのリンゴ売りですが」
「コマドリが辞退して良かったな。城下じゃ有名になっただろ?」
「いいえ。そんなことはないですよ。ミスコンなんて、年に一回はやってますし」
「そうか。でも、自信は付いたんじゃないのか?」
「そうですね。でもわたしは別に変わらないですよ」
「え、そうなの?」
「はい。あんなのはただのお祭りというか、イベントなので」
「へ~」
「あ、待ってください。冒険者様たちは今日から旅に出られるんですよね?」
「え、ああ」
「ちょっと待っていてくださいね」
そう言うと、リンゴ売りのアリサは、市場の中に入ってから一つの箱を持ってきた。
「これ、ミス・ダ・ガールの優勝賞品なのですが‥‥‥」
その箱は、どっかのお土産屋に置いてありそうな箱だった。
「これは?」
「中身はダ・ガールまんじゅうです。どうかこれを持っていってください。日持ちはけっこうしますから」
ダ・ガールまんじゅうだと?いくら何でも俗っぽ過ぎる賞品だろ!
「いいのか?」
「こんなのが優勝賞品なんて、可笑しいですよね?」
「まぁ、もらっていいのならもらうが」
「ぜひ持っていってください。本来の優勝者はコマドリさんですから」
「悪いね」
「いえいえ。では行ってらっしゃい、皆さん」
俺たちは再びカル・デールへと向かって、城下を出た。
読者の皆様には感謝しかありません!!やる気につながります!!