表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
149/479

第百四十八章・ミイラはモンスターでも魔族でもありません。

読んでくれる皆様には感謝しかないです!!

第百四十八章・ミイラはモンスターでも魔族でもありません。



 ルルチェはミイラのシーイに話しかけた。

「あなた、モンスターじゃないの?」

「いいえ、違います。わたしを倒してもコインにはなりませんよ」

「じゃあ、魔族?」

「いいえ、それも違います。ただの砂漠のさすらいミイラです」

 

 さすらいミイラって‥‥‥。


「じゃあ、人畜無害なのね?」

「はい。自分でもそう思います。不老不死ですし。あ、もう死んでますけどね」

「じゃあ、ダ・ガールへ来ない?」

「え?」

「わたしたちと一緒にダ・ガールで生活してみないかしら?」

「生活?博物館の展示品のひとつじゃなくて?」

「あなたはまだ、生きてるじゃない!」

「いえ、死んでますけど‥‥‥」

「まぁいいわ。とにかくダ・ガールには魔族や魔女が住んでるワケだし、あなたも来たらいいわ」

「そちらへ行って、どうするんです?」

「お茶くみから始めて、そこからどんどん出世したらいいわ」


おいおい、どっかの会社員になれみたいな話になって来てるぞ?

食いっぱぐれたホームレスを新規雇用で働かせるみたいなものか?

相手はミイラだぞ?



「ミイラに手伝ってもらうことには全然抵抗はないわ。どう?」

「そ、そう言われましても‥‥‥」

「博物館の展示品になるよりは、良い話でしょ?」

「そう、ですね‥‥‥」

「じゃ、決まり!あなたを討伐する理由はもうないわ」

「いいんですか、本当に?」

「ええ。あなたは真面目そうだし、しっかりしているわ。こちらからお願いしたいくらいよ」

「そう言っていただけるなら、喜んで!」

「じゃあ、ダ・ガールへ行きましょう!」


 ルルチェは今度はミイラを雇い入れる気なのか。ちゃっかりしてるな。

しかし、2000年前の王女が一度死んで、ミイラになって、今度はダ・ガールの公務員として働くなんて、数奇な人生を歩む者がいるもんだな。


 ま、ダ・ガールのことだし、俺には関係ないか。

いや、待てよ?

俺もいつの間にか、ダ・ガール直属の冒険者ということになってるんだよな。


ダ・ガールは相当な物好きかよ!


 と、ミイラのシーイと話してる時に、そこにさらに現れたのは、あのファティア・エミリア・プロコトと、その部下七人だった。


「ゲッ、お前たち!」

 俺は驚く。

「冒険者たち、話は聞かせてもらったぞ。わたしたちも雇入れてはもらえないだろうか?」


 何?


「わたしたちも行き場が無いのだ。頼む!」


 ルルチェはそれを聞いて、少し考えてから、「それじゃ、ダ・ガールの軍に入隊するのはどう?」と、答えた。


 ルルチェも人が良いな。

俺が言うのも何だが‥‥‥。


俺の人情が伝染ったのか?


「まぁ、それでいいのなら、俺は軍人になろうが、役人になろうが、どうでもいいけどな」

 俺はため息をついた。


 ダ・ガールよ、国に幸あれ!ってか。



今日は早めに更新したいと思います。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ