第百四十七章・プロコト砂漠のミイラ。
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第百四十七章・プロコト砂漠のミイラ。
砂漠を歩く俺たち一行。さすがにこの時間の日差しは暑い。
「歩いていれば、ミイラに出くわすというのは本当なのかな?」
疑問に思う俺。
「でも、パーティス小国改め、プロコト・パーティス王国もリタ・エールも退治できないなんて、どうしてでしょう?」
イーゼルも疑わしく思ったのか、そう言った。
「この辺りはもともとプロコト王国があったところだ」
近くには、プロコトの遺跡が、砂に半分埋まっているように、建物や柱が散乱していた。
この辺はプロコト王国の名残りなんだろう。
「ミイラなんて、カル・デール王朝に行けば、世界で一番大きい博物館で観られるものだけどね」
と、ルルチェが言う。
「なるほど。世界最大の盗掘展か」
おれは大英博物館を思い出していた。
ルルチェは「言い方!」と、言った。
生きている?ミイラが見れるというのは、それでも面白いものだが、それを討伐とは‥‥‥。
俺の頭の中では、死体が乾燥して、ミイラ化したものを想像していたが、タクリートという布を体じゅうに巻いたミイラもゲームとかで見たことある。
そう思っていた矢先、砂嵐が発生しているのに気づく。
「おい、ヤバいぞ!」
「え?」
イーゼルが俺が見ている方向を、見た。
「砂嵐だ。こっちに向かって来る!」
「逃げましょう!」
俺たちは、プロコト遺跡の崩れかけた、斜め倒しになっている建物の中に逃げ込む。
その上を、砂嵐がゴーという轟音を立てて、通り過ぎていく。
「少し待った方がいいな」
俺の言葉に同意するみんな。
どのくらいの時間が過ぎたのか、やがて砂嵐はおさまってきた。
「やっとか‥‥‥」
「巻き込まれたら、助からなかったかもしれないな」
と、コマドリは言う。
「チートの俺でも砂嵐には敵わなかったかもな‥‥‥」
完全に砂嵐がやむと、俺たちは外へ出た。
と、そこで出くわしたのは、例のミイラだった。
砂嵐で身を隠していたのだ。それに気づかなくては、見つからなかっただろう。
しかし、俺たちはミイラと対峙したのだ。
「こいつがミイラか」
「女性ですね」
「あまり強そうには見えないぞ」
「本当にタクリートを巻いた、ミイラなのね」
言いたい放題言った俺たちは、戦闘の準備を始めた。
「待って!」
ミイラ女は突然俺たちに話しかけてきた。
こいつ、コミュニケーション取れる奴か?
「わたしはシーイ。およそ2000歳のミイラです」
「ミイラの方から自己紹介してくるとは驚きだな‥‥‥」
俺は剣を抜いて、構えようとした。
「待ってください!わたしを斬らないで!」
「だって、旅団を襲うミイラなんだろ?」
「それは違います!旅団は盗賊が襲うものなんです。わたしは濡れぎぬです」
「どういうことだ?」
「わたしはプロコトのミイラですが、特に誰かを襲ったりというのはありません」
「じゃあ、どうして?」
「パーティス小国には、もしプロコトのミイラに襲われた時のために、ミイラ保険というのがあるんです。旅団がミイラに襲われたと言えば、保険が降りる仕組みなのです。だから、全部ミイラのせいにするんですよ」
「ミイラ保険ってのがあるのかよ?」
「はい」
「じゃあ、あんたは?」
「はい、プロコト王国の2000年前の王女、シーイ・エミリア・プロコトと申します」
いろんな奴がいるもんだな‥‥‥。
物を書くことは、勉強を必要とします。書くことでいろいろ調べたり、楽しかったり難しかったりですね。