第百四十二章・王族のツタイは神聖な物?
今日は少し早めに更新します。
第百四十二章・王族のツタイは神聖な物?
俺たち一行は、エヴァからツタイに関して、聞いた。
ツタイは国を治める力を秘めているが、争いを絶えず続ける元にもなるものだということ。
そして高額な宝としても狙われる可能性があるということだ。
エヴァにとっては王族として、必ずツタイを守ること。それが王族の務めのひとつでもあるということらしい。
「それで、ツタイをパーティス小国に持っていけば、そのあとどうなるんだ?」
俺はエヴァに訊いた。
「ツタイをパーティス小国に持っていった時から、わたしの国の名は、プロコト・パーティス王国という国名に変わります」
「え、それだけ?」
「とても重要なことです。ツタイは当然、とても神聖な物なのですから」
俺には分からん‥‥‥。
「それで、盗賊団ってのは、まだこの砂漠にいるのか?」
「たぶん。この黄金のツタイを狙っているでしょうから」
「じゃあ、急いだほうがいい。その盗賊団にまた出くわさないように」
「はい。では行きましょう!」
俺たちはパーティス小国に向かって、再び旅に戻った。
行き先は変わってしまったが‥‥‥。
* * *
パーティス小国は、砂漠の端の方にあるということだった。
「あと、どのくらい行けば着くんだ?」
俺はエヴァに訊く。
「歩いての砂漠はつらいですね。まだかかります」
という返事だった。
昼過ぎの砂漠は、とても暑い。
分かり切ったことだが‥‥‥。
「これでピラミッドに行ってたら、エジプトなのに」
まぁ、エジプトに行ったことはないのだけど。
たぶん、こんな感じだろう。いや、ひょっとしたらエジプトの方が過酷かもしれない。
もう少し行くと、岩場だらけのところに来た。
砂漠といっても、こういうところもあるのだな。
砂漠か荒野か分からなくなってきたが、まあ、砂漠とくくっても問題はあるまい。
岩場で一息ついた俺たちは、水筒の水を飲んだ。
暑いところでの、この水の一杯が美味い!
部活で運動した後の、麦茶の一杯が、クーっと飲んで美味いのと同じだ。
しかし、この岩場も太陽の光で、熱したフライパンの上のように熱くなってきた。
「あまり、長居は出来ないようだな」
俺は岩場を下りた。
皆もそれに続く。熱いに違いはないのだろう。
この先は砂山が待っている。あれを越えれば、そこはパーティス小国だ。
と、その前に、誰かが近くにいるのを感じた。
敵か?
俺たちの近くにいたのは、さっきエヴァが話していた強盗団の一味だったようだ。
これは戦うか、逃げるかするしかない。
相手は魔族でもモンスターでもない、おそらく人間だろう。
一番厄介な連中だよ、まったく。
読んでくれる読者の皆様に幸あれ!!