第百四十一章・プロコト砂漠での出会い。
冒険を書くのは好きです!!この小説は冒険で溢れています!!
第百四十一章・プロコト砂漠での出会い。
俺たちはリタ・エールの国境を越えると、砂漠に差し掛かった。
「ここが砂漠か。砂漠を進めば、アステアールのピラミッドにたどり着くのか」
「ええ。でも、気をつけないと、ミイラに出会う危険があるわ」
と、ルルチェが言う。
「砂漠にピラミッドっていうのは、ミイラも関係してるものなのか?」
俺はルルチェに尋ねた。
なんか、エジプトのピラミッドと似ている気がする。
ミイラといえばピラミッドなのか?
ごっちゃになってやがるな。
その時、蟻地獄にハマって、助けを呼ぶ声がした。
俺たちは蟻地獄の流砂をのぞいた。
女の子が助けを求めていた。
「ここにハマってしまったようね」
俺たちはすぐに、その子を助け出した。
「大丈夫か?」
その子は、息を切らしていた。
「助けていただき、誠にありがとうございます。この御恩は忘れません」
忘れていいよ。
「それで、君は誰?」
「申し遅れました、わたしはパーティス小国の国女、エヴァ・パーティスと申します」
ルルチェが反応した。
「パーティスの実の王女ですか?」
「はい。あなたは?」
「わたしはダ・ガールの姫、ダ・ガール・フォー・ルルチェです」
「あ、あなたがダ・ガールの?」
「ええ」
ルルチェ以外、俺たちは何だか置いてきぼり食らってるな。
「ルルチェ、パーティス小国って?」
「ああ、このプロコト砂漠にある小国なの。小さな国だから、人口はそんなにいないのだけれど」
「そうなんです。国と言っても、一万人ぐらいしかいない小さな国ですの」
俺は「ふ~ん」と言った。
「それで、どうしてあなたがこんなところで一人でいるのです?側近や護衛の方は?」
「それが、謎の盗賊団七人の襲撃を受けまして、わたしだけ、命からがら逃げ出せたんです。たぶん、待ち伏せしていたのでしょう。砂漠のど真ん中でいきなりでしたから」
「それで、そいつらの目的は?ただの盗賊集団じゃないでしょう?」
「え、おそらく彼らの狙いはツタイでしょう」
「ツタイ?」
「あなた方に話すべきか、いえ、まぁいいでしょう」
そう言うと、エヴァは懐から、手のひらサイズの、黄金のヘビが台の上に乗っている像を出した。
「これです。これがツタイです」
「トレジャーハンターが欲しがりそうな宝物のようだな」
と、俺は言う。
「古代プロコト王国の神話に出てくる黄金のヘビ像、ツタイ。その価値はひとつの国を治めてしまうほどのものだと言われています」
「へー」
「もともとは滅亡したプロコト王国の王家のものなのですが、今はパーティス小国がこれを受け継ぐように神話の中で語られているのです」
「じゃあ、それは大切な物なんですね」
と、ルルチェ。
「はい。プロコト王国跡から、パーティス小国に運ぶ途中に襲撃を受けたんです」
「なら、そのツタイのことが、世間に知れ渡っている可能性もあり得ますね」
「はい。だから、悪い人の手には渡したくないのです」
この子は何だか、すごいものを背負っているらしいな。
ツタイとやらを、運ぶのを手伝ってやるか。
「よし、パーティス小国まで一緒に行くか?」
全員が、「えっ?」と言った。
こういうエピソードを書くのは楽しいですね。