第百三十八章・ゾミースープってまさか‥‥‥。
昨日のアクセス数が560を越えていましたので、俄然やる気が出てきました!!とはいえ、あまり力を入れ過ぎても本末転倒になるので、ボチボチやっていきます。
第百三十八章・ゾミースープってまさか‥‥‥。
俺たちは、ケイトが訳してくれた文章を読み返した。
「なぁ、このゾミーってのは何だっけ?」
俺はルルチェに訊いた。
「それも最近聞いたわよね?」
俺は思い出した。
ジェイドおばさんが秘伝だとか言った、あの壺の中身が、ゾミーじゃなかったか?
俺は皆に言った。
「確かにそう言っていたわね」
「だろ?」
「じゃあ、ダ・ガールに戻って、『ガルーダの食堂』に行ってみる?」
「ああ、そうしよう!」
俺たち一行はダ・ガールに戻った。そして城下にある、『ガルーダの食堂』へと赴いた。
「あら、いらっしゃい。旅はもう終わったの?」
ジェイドおばさんが新聞を読みながら、俺たちを迎え入れた。
「ジェイドおばさん、ゾミーって持ってたわね?」
ルルチェが単刀直入に言った。
「ええ。あの壺に入ってるわよ」
ジェイドおばさんは置いてある壺を指さして言う。
「じゃあ、そのゾミーを使った料理が出来ることを知ってる?」
「いいえ、前も言ったけど、わたしは知らないの」
「これを読んで!」
ルルチェは訳された紙をジェイドおばさんに渡す。
「何かしら?」
「ゾミーを使った、伝説のスープの作り方よ」
石板に刻まれたのが、料理のレシピみたいなのとは、そっちの方が不思議だが、珍味のひとつだとしたら、すごい発見になるな。
ジェイドおばさんはメモを読んで、「なるほどねー」と言った。
「作れますか?」
俺も興味が湧いて、率直に訊いてみる。
「ええ。これで作り方が分かったわ。ちょっと待っていてちょうだい」
ジェイドおばさんは、メモとゾミーの入った壺を持って、店の奥へと行ってしまう。
俺たちはカウンターで待った。
しばらくして、店の奥から、嗅いだことのある匂いがしてきた。
俺以外の三人は、何かいい匂いがするとか言っていたが、俺にはそんなに特別な反応はしなかった。どうしてだ?
ジェイドおばさんは、皿に分けたスープを人数分お盆に載せて持ってきた。
「出来たわよ。ゾミースープ」
俺たちは目の前に置かれたスープに目をやった。
俺はこの匂いを知っている。
「ゾミースープってのは、ミソスープ。イコールみそ汁じゃないか!」
と、叫んだ。
「みそ汁って何よ?」
ルルチェが俺に訊いてくる。
一日二回、朝飯と夕ご飯に飲んでたぞ、俺!
「いや、これはさぞ美味いスープだろうな」
俺はそれを飲んでみた。
やはりみそ汁だ。
つまり、今回はみそ汁の作り方をゲットした旅だったのだ。
みそ汁くらい、材料があれば、俺が作ってやるのに‥‥‥。
その後、俺たちはこのゾミースープという、古代の料理?の作り方を、ダ・ガールに持ち帰った。
今後、そのゾミースープは、王宮料理のひとつとして、食卓に並ぶことになったのだ。珍味のひとつとしてである。
複雑な結末だったな、俺にとっては。ま、いいけどな。
みそ汁万歳!
読者の皆様には、感謝しかないです!!今後もお付き合いくだされば、幸いです!!皆様にも幸あれ!!