第百三十四章・アスヒスト文字、読める人は誰?
今日は整骨院に行く予定ですので、早めに更新します!!
第百三十四章・アスヒスト文字、読める人は誰?
石板のそばには、立て札があった。
『この石板には結界が張られています。石板のそばまで行くことは禁止しています』
何だこれ?
「ルルチェ、この石板の周りには結界が張ってあるってよ」
俺は石板のすぐそばで足を止めた。
「結界解除ね?任せて!」
これはルルチェの仕事だ。結界解除の魔法で、結界を破るルルチェ。
「帰る前にもう一度、結界を張り直さないとな」
「ええ、分かってるわ」
ルルチェはアスヒスト文字の辞書を出すと、ページを開く。
石板には、六行くらいで横書きに文章が刻まれていた。
「えっと、『大きさに』『そのまま』『広がる』『火を止めて』『海藻類』『太古から』『一つ』これだけしか訳せないわ」
「何だそれ?」
俺には意味が分からなかった。
「とりあえず、その文章をメモしろよ。俺たちに解読出来なければ、ここに来た意味がないだろ?」
「そうね。でも、この文字は太古からの古い文字だから、誰に訊いても読めないかもしれないわ」
「まぁ、一応メモしろよ」
「分かったわ」
取り出した紙に、文字を書きうつすルルチェ。
「けっこう難しいわね」
まぁ、俺もアラビア文字やラテン語を書きうつせと言われたら、無理だと言うだろう。
日が沈んだ。文字が暗闇に飲まれる前に、ルルチェは文字を書きうつし終えた。
さ、帰ろう。
しかし、ホントにこの文字はどこかで見たような覚えがあった。
どこだったっけな~。
これを読める人を探してみるか。そんな人、いたかな?
「じゃあルルチェ、結界を頼む」
ルルチェは魔法を唱えて、石板に張り付けるように、結界を張り直した。
こういう時、ルルチェは出番がある。
俺はそのまま、深く考えずにその場をあとにした。
ターダスクの階段を下り始める。5000段を早足で下っていく。
階段の中腹まで来た時、暗闇にまぎれて何かの音が聞こえてきた。
コマドリもそれを感知する。
「おい、コマドリ」
「ああ。そなたも気づいたか?」
ルルチェが、「何?」と、訊いてきた。
イーゼルも不安がっている。
ヤバい。これはモンスターの気配だ。
左の方から、何かがやって来る。地面を削るような大きな音になった。
「あれは‥‥‥」
俺たちの前に、突然現れたのは、巨大なヘビだった。
デケェ!!
モンスターというより、ただの巨大なヘビだった。
でも、モンスターには違いはない。
まぁ、ここでひと当てあってもおかしくはなかった。
どうせ、こんなに簡単な任務なのなら、もう他に誰かがクリアしていても不思議ではないからだ。
とりあえず、これは戦闘だ。
こいつを倒さねば、帰れないからな。
読んでいただいて、本当に感謝です!!皆様に幸あれ!!