第百三十三章・降りるのは楽だが、登るのはキツイ。
休日はコーヒーでも飲みながら、ちょこっとずつ書きます!!
第百三十三章・降りるのは楽だが、登るのはキツイ。
俺たちはターダスクの階段の一番下へとたどり着いた。この丘の上に、プルストーンの石板があるんだな?
ターダスクの階段は5000段。これを登らなければいけない。
5000段なんて簡単だろう。
そう思っていたが、登っても登っても、階段はずっと先まで伸びていた。
けっこう登るな。
丘の上が見えない。
こんな時は空中浮遊の魔法でも欲しいくらいだ。
まぁ、贅沢は言ってられないが。
「これはけっこう足に来る。みんなはどうだ?」
ルルチェが、「平気よ」と、言った。まぁ、そうなのだろう。
「コマドリは俺の次に足が強いだろうし」
「それはそうかもしれないが‥‥‥」
「どうした?」
「いや、忍者の山では階段は走って登るのが普通だった」
「なぜ走る?」
「それが修行の一種だったのだ」
「それは鍛えられるな」
「ああ。おかげで足は強くなったぞ!」
自慢げに言うコマドリ。
「それじゃあ、イーゼルは?」
「キツいです‥‥‥」
やっぱりな。
この辺で待ってろというのは簡単だが、イーゼルは納得しないだろう。
絶対に一緒に登りたがるはずだ。
「仕方ない。ゆっくり登るか?」
「別に急いでるわけではないし」
と、ルルチェ。
「まだ昼過ぎだしな。登り終える頃には、夕方まではかからないだろ?」
「そうよね。ゆっくり登りましょう」
ルルチェが、そう言って締めた。
こういう階段を使った山登りは俺にも経験がある。
他人と話しながら登れば、疲れを忘れられるのだ。
こういうのは嫌いじゃない。
天気も良いし、雨が降らない時だと安心して登れるというもんだ。
きっと、階段を上るのはキツいが、降りる時は楽に下りられるだろう。下山は楽だ。
まぁ、山ではないが。
丘の上には古代の石板があるはずだ。そこへまず、行かないと、任務は達成されない。
俺たちは一歩一歩を大事に歩んだ。疲れも慣れれば、そうは感じなくなる。
さらに階段を上がると、もう何段登ったか、分からなくなった。
最初から数えていたわけではないのだから‥‥‥。
やっと丘の上が見渡せる高さまで登ることが出来た。
ここまで来たか。
ようやくだ。
イーゼルを見ると、もう限界というような顔をしていた。
「もうすぐだぞ!」
俺は声をかけてやる。
「丘の上が見える。みんな頑張れ!」
ついに階段は、終わりに近づいた。
あと数十段だ。俺も足が少し震える。
今になって、足がガクガクなってきたのだ。
最後の段を、登り終えると、そこには広い場所があり、その真ん中に石板があった。観光に来た数人の人がいたが、石板には近づいてはいない。
夕方になった頃、俺たち以外に観光で訪れた人たちは、夕日を見つつたそがれていて、それも終わると、階段を下り始めた。
ここって、観光名所だったんだ。でも、誰も石板の文字は読めないのだ。
アスヒスト文字だったか?
俺たちは古い辞書があるので、解読してみせるが。
俺たちは夕日が完全に沈む前に、石板のところに行き、彫られている文字を見た。
これはやっぱり辞書が必要だな。
誰も読めない。
読者の皆様に感謝です!!