第十二章・頭に来た!駆逐してやる!やつらをみんな駆逐してやる!!
ハイファンタジーの奥の深さを知りました。これからも読んでいただけたら嬉しいです。
第十二章・頭に来た!駆逐してやる!やつらをみんな駆逐してやる!!
俺たち四人はルビの町の外に出た。スライムの軍団がものすごい数、こっちに向かっているのが見えた。本当に約3000ほどいるようだ。
多いって数じゃないのは分かっていたが、これは多過ぎる。
まぁ、俺が一人でたくさん倒すのが一番理想なのだが‥‥‥。
俺は剣を抜いた。
コマドリも忍者刀を片手に、もう片方の手で手裏剣を持てるだけ持つ。
イーゼルは魔導書を出す。
ルルチェはバリアの魔法を張った。
戦闘開始だ。
俺は一撃でスライム二十匹ほどを倒した。
イーゼルはミサイルを撃ち、三十匹を一気に片付ける。イーゼルのミサイル系の魔法は威力が絶大だった。これがいちいち暗記してない呪文を端折って使えるようになればいいのにと思ったが、今はそれを言うヒマなどない。
コマドリも逆手持ちの忍者刀でスライム数匹を倒すと、手裏剣でさらに数匹やっつけた。
ルルチェのバリアは、別名結界なのだろう。バリヤに触れたスライムは、力を奪われてヨレヨレになってしまう。そこを狙って、ルルチェはスライムを踏んづけて潰していった。
俺たちはそれを続けた。
さらに町で戦える男たちも武器を持って、加勢しに来てくれた。
これでスライムたちは三分の一ほどコインと化していった。倒すとコインになるらしい。
あとで回収しよう。
でも、こいつらを全滅させなければと思い、俺は仲間たちを信じて戦う。
やっと戦闘らしい戦闘をした気分だ。相手がドラゴンのようなやつだったら、こんなに簡単にやっつけていくことなどできないだろう。
スライムたちはどんどん数を減らしていく。
でも待てよ?戦っているうちに気付いたのだけど、俺もけっこうダメージ食らってね?
そりゃそうだ。スライムの体当たり攻撃を少しずつだが受けてはいるのだ。さすがにチートと言っても、鎧や兜を身に着けているわけではないのだし。それにこの間のドラゴンのヴァーラントに攻撃された時も、俺はダメージを負ったのも思い出した。弱小モンスターでも俺を攻撃すれば、少々のダメージは避けられないというのか。
ちりも積もればってやつか。スライムほどの攻撃でも‥‥‥。
まだ、それほど食らっているわけではないのだが、何しろ相手の数が多過ぎる。
それに体力も無限大とはいえ、俺以外の連中はレベルが低い。
見ろ!
イーゼルはマジックポイントをどんどん減らしていて、体力や魔法の体にかかる負担はかなりのものだろう。
コマドリはそれでも疲れてはいるようだが、まだ体力は残っているらしい。スライムたちを倒すペースは相当落ちていたが、それでも尽力している。
「ルルチェ、一度ヒーリングをみんなにかけてくれ!」
俺は大声で叫んだ。
「でも、それにはバリアを一度、解かないと‥‥‥」
「俺が援護してやる!」
「分かったわ!」
俺はルルチェの前に立ち、スライムが襲い掛かってくるのを倒していった。
その間にルルチェは呪文を唱えて、その場で戦っている全員にヒーリングをかけていった。
俺も負けるものか!ルルチェを狙うスライムは、俺の剣の餌食になるのだ!
あ、でもイーゼルの魔力が尽きたようだ。読み上げていた魔導書を落とし、フラフラと体を揺らしている。
コマドリも限界近くだったようだ。でもヒーリングによってダメージと体力は回復していったみたいだった。持ち直すコマドリ。
あと、スライムは三分の一くらい残っていた。
「リューイチ‥‥‥」
後ろを見ると、ルルチェが回復魔法を使い過ぎたのか、その場に倒れる。
「ルルチェ!」
マズい、マズいぞ!
それでもスライムはやって来る。
何か、ちょっと俺、ムカついてきた。
もう、こうなったら俺だけでも一人でスライムを撃退させてやるか!
駆逐してやる!一匹残らず!!
俺は剣を振り回し、スライムどもを片っ端から駆逐していく。
残ったスライムたちは、だんだんと勢いを落としていく。
そして、すぐに方向転換して逃げていった。
俺はそれが逆にカチンと来て、逃げるスライムたちを追っていった。
イーゼルたちから見えなくなるほどの距離まで、俺はやつらを追った。
そして二時間後。
服がボロボロになったが、俺はスライムの軍団を全滅させて、帰ってきた。
コインも袋いっぱい手に入れた。
俺の装備していた剣は、折れていた。剣はチートではなかったらしい。
さーて、陽も暮れたし、町に戻って打ち上げでもやるか!
続けることが肝心だと、いろいろ思いました。ご感想をお待ちしています!!