第百二十七章・ルルチェの決断は素晴らしい!!
今日は天気がいいです。外に出たいです。
第百二十七章・ルルチェの決断は素晴らしい!!
ダ・ガールに戻ろうとした帰り道に、森の中で、はぐれモンスターを見つけた。
見つけたといっても、あんな巨大な獣は見たことない。大きなベンガル虎のような、四本足の化け物だ。
「ルルチェ、あれは?」
「巨獣よ。ジャイアント・タイガー」
「ジャイアント・タイガー?モンスターか?」
「ええ」
「なら良し!」
俺はさっそく剣を抜いて、構えた。
「ではこの剣を使わせてもらうぜ!」
まるで日本刀のような、その剣は、コマドリの忍者刀よりも大きかった。
これはほぼ、太刀だな。しかも、ダ・ガールの剣以上の武器だ。
「行くぜ!」
俺はそのモンスターに錬金の剣を振りかざした。
途端にその剣の威力を悟ったのか、モンスターは森の奥へと逃げていった。
「あれ?」
* * *
ダ・ガール城に戻っていった俺たちは、城の中に入っていった。
俺たちは王様に呼ばれた。
何だろう?
王の間に行く俺たち一行。リエットだけは、ベアトリアースのところへ行った。
「王様、何です?」
「いや、今日の昼頃、王都の外の林の中で、この剣を拾った者がいてな。親切に城まで届けてくれたんだ」
そう言うと、王様はダ・ガールの剣を俺に渡した。
「こ、これは‥‥‥」
「そうだ。儂が君にあげた剣だろう?」
「そ、そうですね」
「失くしたのか?」
俺は少し、間を開けて、「はい」と、答えた。
「この剣は、我がダ・ガールに古くから伝わる伝説の剣なのだぞ?」
「そ、そうですね」
「で、失くしたと?」
「はい。すみませんでした」
「もう失くすでないぞ?」
「分かりました」
その時、ルルチェが、口を挟んだ。
「お父様、リューイチにはもっと強い剣が必要なんです。だから一緒に剣を手に入れるために旅をして、ついに剣を手に入れたのです」
「そ、そうなのか?」
「そうです」
「では、その剣はもう無用ということか?」
「いいえ。この剣は他に利用価値はあります。この剣を大金に換えて、そのお金で貧民のために使うのです」
「ひ、貧民のためにだと?」
「はい!貧富の差を埋めることに使うのです」
「ルルチェ、それがお前の正義なのか?」
「正義とかそういうことではありません。でも、わたしたちだけが富める者であってはならないと思うだけです」
「むむむ‥‥‥」
王は目を閉じた。
そして、ゆっくり目を開けると、こう言った。
「良い!その剣はお前に託す。自分の意思を大事にしろ」
「ありがとうございます、お父様!」
* * *
やがて、ルルチェはダ・ガールの剣を引き取ってくれるという業者に剣を預け、その代わ
りに大金を得て、それを貧者に分け与えるということを行った。
「ルルチェ、お前はそれでいいのか?」
俺は人の好いルルチェが心配になった。
「わたしはこの国をより良くしたいのよ」
「そうか。お前らしいな」
「わたしは姫で、冒険者で、賢者だからね」
「いろいろ肩書があるんだな」
「そうね。でも、偽善かもしれないけど、人の役に立ちたいと思うのはホントよ」
「なるほどね」
ルルチェは俺の方を見て、言った。
「わたしにはわたしの道があるの!」
ルルチェ、お前の決断は正しいと思うぞ!
俺は感心した。
読んでくれる読者の皆様に感謝します!!