第十一章・決戦!スライム討伐。
一日に三回投稿しました。皆さん、どんどん読んでくださいね!
第十一章・決戦!スライム討伐。
俺たちが二日ほど宿の世話になったあと、町を散策した。
けっこうきれいな街ですな。来るのは二度目だけど。
「旅もいいけど、こういう町でのんびり過ごすのもいいな」
と、コマドリが言った。
「お前も冒険やめるか?」
俺は尋ねる。
「いや、それはノーだ」
強情だな………。
「さて、町を出て森に入ろうよ。モンスター退治よ」
ルルチェが言う。
まあ、レベル上げしたいんならモンスターを倒すしかないけどな。
めんどくせー。
「弱小モンスターを退治するなんてな」
「リューイチ、この世界のことをまだ分かってないようだな」
と、コマドリ。
「何でだ?」
「最弱でもモンスターはモンスターだ。ここでは森でモンスターたちが森でひっそりと自然に調和して暮らしてるとでも思っているのか?」
「え、違うの?」
「これだから愚者は‥‥‥」
「誰が愚者だ!今度言ったら忍者の山に強制送還させるぞ」
「おい、それはやめてくれ。分かった、謝る」
こいつもさっそうと冒険に出た口だな。帰りたくないのだろう。というか、帰るにしても、帰りづらいと言うことだ。
まぁ、そうか。例えるなら桃太郎が鬼退治に出たのに、鬼ヶ島に行ったら鬼いねーじゃん。おまけに宝物も無いじゃんって感じか。
戦いも無く、手ぶらで帰ってハイ凱旋ですってのは昔話にもならない。
そんな残念な冒険者はみじめだ。
「さっきの話だけど、」と、コマドリ。
「ん?ああ」
「モンスターが森に入ってからは、いっけん平和そうに見えるけど、まぁ、人間の生活は平和になったけど、本当は知ってる者は少ないと思うが、モンスターは森の生態系を脅かしているのだ。つまり、端的に言えば森にとっては害虫みたいなものだ。害虫は退治するものだろう?」
「そうなのか?俺はてっきり‥‥‥」
「リューイチが雑魚モンスターたちを相手に戦いたくないのは、リューイチが最強だからつまんないってだけでもないんだろ?これ以上レベル上げる必要もないという理由ですらないんだよな?」
「ああ。できれば森に帰ったモンスターたちは倒しに行くのは気が引けていただけなんだよ」
だってそれだと、弱い者イジメみたいなんだもん。ゲームの世界では経験値稼ぎも金銭稼ぎも弱そうなモンスターを倒してから手に入れていくものだが、それが異世界転生してしまったこの世界だと、俺はチート過ぎて弱いモンスター相手に退治していくのはカッコ悪いもんだと思っていた。
でも、こいつら三人のレベル上げにはこいつらに相手できるモンスターを倒しに行かなくてはならない。
三人ともレベル上げは大事だと、ドラゴン退治未遂で実感したことだろう。俺もチートだからって甘く見ていた部分もあるわけだ。
その時、町がざわめき始めた。
何だ?
町民がパニックに陥ってるようだった。
最初に「いったいどうしたの?」と、町の人たちに訊いたのはルルチェだった。
町民の男が、「スライムだ!スライムの軍勢が町に向かってやってきてるんだ。見張り台の者が確認したらしい!」
「スライム?町に向かってるのか?」
俺も確認しようと思い、話に加わった。
「それで?」
「ああ、スライムだ」
「スライムなら俺たちで戦っても退治できるだろう」
そう気軽に考えていた俺を無視して、町民の男はルルチェに話を戻した。
あれ?俺、無視された?
「ちょうど50年ぶりの繁殖期なんだろう。エサを求めて町を襲おうとしてるんだ!」
「繁殖期?聞いたことがあるわ。スライムは分裂して繁殖するんでしょ?」
「ああ、それにこの50年間誰もスライムを退治してない。冒険者がほとんどいなくなったからだ。森に入ったスライムが大量にやって来るんだ」
でも、相手はスライムだろ?
「そんなん、町のみんなで討伐してけばいいじゃん」
俺はそうつぶやいた。
町民の男は俺に向かって、「ざっとスライムの数は3000匹ってとこだ。戦える連中がどこにいる?この町にも元冒険者とかは、まだいると思うが、他は素人だ」と、強い口調で言った。
3000?
マジか?!
「おい、イーゼル、コマドリ、ルルチェ。俺たちで全部やっつけるんだ!」
「えっ、リューイチ、本気?」
「最高のレベルアップだと思え!行くぞ」
スライム討伐、行きます!これも冒険の一つだ。
さて、この物語はいったいどこに向かってるのか、自分でも分かりませんね(笑)