第百十三章・ダ・ガールへ戻ろう!
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第百十三章・ダ・ガールへ戻ろう!
レドアローナ小国の見学を終えた俺たち一行は、けっこう十分に楽しんだ。
珍しい体術や剣術、棒術などを稽古している、または演武を弟子たちに見せている武術家たちを見た。
「さ、そろそろ帰るか」
俺は一通り見学を終えたあとに皆に言った。
「これからどこへ行く?」
コマドリが俺に尋ねた。
「そうだな。ダ・ガール城に戻るか?」
「そうですね。もうずっと帰っていないと思いますし」
イーゼルは同意した。
「ルルチェ、いいか?」
「あなたたち、わたしの実家はあなたたちの帰る場所なの?」
「いや、一応ダ・ガールの直属の冒険者ってことになっているからな」
「もう‥‥‥。別にいいけど」
ルルチェはそう言ったが、あまり気乗りはしてないようだ。
まぁ、そうか。年頃のルルチェは、そんなに親に甘えることはしたくないのだろう。
俺たちは、半月かけてダ・ガールへと向かった。
ダ・ガールは俺たちにいろいろ依頼してくれるから、冒険するには事欠かない。
冒険者自体がほとんど存在しないので、俺たちは貴重なのだ。
冒険が時代遅れ?
そんなことはないだろう。
冒険が無かったら、俺は冒険やめてる。
ちょくちょく旅をしているから、冒険は続いているのだ。
まぁ、冒険の講釈はここまでにして、俺たちは馬車を調達して、ダ・ガールまで行った。
相変わらずの喧騒。ここは本当に賑わっている。
* * *
昼過ぎに着いた俺たちは、馬車を止めて、城の中に入った。
「なんか、久しぶりだな」
「そうね。思い返せば、ここでわたしは、あなたたちとも出会ったんだし」
「ああ、一緒に連れて行かないと、ギロチン刑にするって言ったからな、お前」
「何?わたしもたくさん役に立ってたでしょ?」
「それはそうだが‥‥‥」
「みんなわたしの仲間よ!」
そりゃけっこう!
「で、また城の中が慌ただしいが‥‥‥」
「ああ、そういえば、今日は半年に一度の舞踏会がある日よ」
「舞踏会?」
「そう。みんなで大広間で踊るの。貴族や王族が主催して、半年に一回、舞踏会を開くのよ。まぁ、貴族の婚活パーティーみたいなものよ」
婚活って言葉がこの世界にもあるとはな。
つまり、出会いの場なのか。
「前、王族がこんなに豪華な舞踏会を開いて、貧しい人たちが非難してくるんじゃないのか?」
「わたしが主催するんじゃないから。それに国策にはわたしは本来、参加することは許されてないの」
「そうなのか?」
「ええ。でも、わたしは姫だから、お父様に直接、伝えたいことを伝えることが出来るということは、ある意味で強みがあるのよ」
「そっか。なるほどな。お前らしいな、そういうところは」
「でしょ?わたしだって、自分の立場をわきまえた上で、王族としての責務を果たしたいと思っているのよ」
「空回りしないといいけどな」
「いえ。空回りしてばかりよ。世の中、そんなに甘くはないのだということを、わたしも知っている。だからそれでもわたしは意地でも自分の意思は変えないことにしているのよ」
「お前は頑固だからな。いや、イーゼルもコマドリも頑固なところがあるしな」
「リューイチ、あなたもそれは同じでしょ?」
「まぁな」
俺たちは夕方まで割り当てられた部屋でくつろいだ。
旅にも休みが必要なのだ。俺たちの旅はブラックではない。気を抜く時は、とことん気を抜くものだ。
これからも頑張って書きます!!