表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
113/479

第百十二章・俺と戦いたいらしいレラ。

この小説を読んでくれる皆様に幸あれ!!

第百十二章・俺と戦いたいらしいレラ。



 カンダタの手続きが終わったあと、レラは俺に、関心を持っているような目で見てきた。

「あなたは不思議な気を放ってますね」

「え、俺?」

 確かに俺は、チートスキルの持ち主だが。

「ぜひ、あなたともお手合わせ願いたいのですが、いかがです?」

「いや、いかがって言われてもなぁ。俺はただの冒険者だし、武術なんてとてもとても‥‥‥」

 俺は断ろうとしていたが、イーゼルもコマドリもルルチェも、俺とレラのお手合わせに興味深々の様子だった。

おいおい、マジかよ?


「どうなっても知らないぞ?」

「あら、自信があるんですね。勝つ自信が」

 レラは笑顔で闘気を放った。

「勝つ自信というか、実際勝てるし」

「あなた、傲慢なのですね。でも、そういう人、嫌いじゃありませんよ」

「じゃあ、ちょっくらやってみっか。本気でいいんだな?」

「どうぞ!」

 レラは余裕だ。

いいのかな?俺はチートなんだぞ?

まぁ、それでも戦いたいというのなら、あとはもう、本当に知らねーぞ。

俺はダガールの剣を置いて、素手で戦うことにした。

お互いに対峙する。

礼をする俺とレラ。

「では、始めましょうか!」

「ああ。俺の能力の凄さを見せてやるよ」

「本当に傲慢なんですね」


 俺は足を大きく踏み込むと、グーパンをレラに向かって放った。

女を相手に殴るってのは気が引けるけど。


会心の一撃!


 レラは防御も回避も出来ないまま、俺のグーパンを食らった。天井に頭を打ち付け、畳の上にドスンと落ちる。


 勝った。

いや、これが当然なのだ。レベル無限大の俺にどんなに強い人間がいても、勝てはしないのだ。だからチートスキルと言うのだ。


 レラは大の字になって倒れていた。

 殺っちまったか?いや、これは事故だ。


 ルルチェは、あまりのあっけない結末に、少々退屈気味で、「もっとすごい攻防戦が観たかったのに」と、不満を漏らしていた。

「ホントだぞ、リューイチ。一撃でやっつけるなんて面白くないだろう?」と、コマドリも言った。

「リューイチは人間もモンスターも一発で倒しますからね。人間は誰でも一つは得意なものがあるのですよ」

 と、イーゼルがフォロー気味な発言をする。


 どうしろってんじゃい!


「とにかく、俺の勝ちでいいんだよな?」

 レラは頭を押さえながら、立ち上がった。ケガまではしてないらしい。

それで済むなら上々だ。

「衝突の瞬間、気を一点に集めて、威力を半減にしました」


なるほどな。ダメージを軽減したのか。


「あなた、何者です?」

 俺は頭を掻きむしりながら、「冒険者だ」とだけ答えた。

「では、魔王が生き返ったのですか?」

「いや、別にそういうわけじゃ。平和な世ですよ、下界も」

 まぁ、冒険することは出来るがな。

「じゃ、これで試合は終わりだな、レラ」

「あ、待ってください。あなた、ここでインストラクターやりませんか?」

「やりません」

「あなたのような人が、人間を動かすのです。見た目はヘタレっぽいですが、行けると思います」


ヘタレは放っておけ!このアマ。


「俺はまた、冒険に戻るよ。それがあればの話だがな」

「わたしもやはり未熟でした。あなたのことをヘタレのくせに、すごい気を発しているということに囚われていたんです」


見た目で判断するな!


「いや、あんたはカンダタの良き師匠になってくれ。それが俺の望みだ」

「それは、約束します」

「じゃあ、俺たちはこの山に観光に来たんだ。観光させてくれ」

「それでしたら、どうぞいくらでも観てってください。ごゆっくりどうぞ!」

「ああ」

「それで、その間に気が変わったら、またこの修行場に来てくださいね!」

「いや、それは無いから」


俺たち一行は、その場をあとにして、ゆっくりと武術の国、レドアローナ小国を見学しに行った。



最近は体調を管理しています。体が資本とはよく言ったものです。皆様もご健康を大事になさってください!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ