第十章・俺、もう冒険やめる!
今さらですが、昨日一日のアクセス数だ100を超えてました。ますますやる気が起きましたので、本当にありがとうございます!
第十章・俺、もう冒険やめる!
俺たち一行はルビの街に来ていた。
ヒッチハイクを繰り返し、馬車に載せてもらいながらたどり着いたのだ。二日かかったが、歩けば六日はくだらない距離だった。
俺たちは通称ギルドの酒場で適当な飲み物を注文し、それぞれが自分の飲み物に口をつけていた。
あのエルフの姉ちゃんだけでなく、周りからはジロジロと見てくる輩もいたが、おおむね酒場は静かに飲んでいる連中ばかりだった。
「さて、じゃあ俺たち解散するか」と言う、俺の提案に逆らうのはイーゼルもコマドリもルルチェも同じだった。
「嫌です」と、イーゼル。
それにコマドリも「このパーティーで行くのがいい」と言った。
まだ、結成して一か月も経ってないだろ?なのにそんなに居心地でも良かったのか?
「確かに、」と、話し始めるルルチェ。
「確かにこのパーティーはいろんな意味で問題があります。ドジだしヘタレだし、レベルも低いし、IQすら猿にも劣るかもしれないし、急増だし戦いにも向いてないかもだし、アホだしマヌケだし、本物のクズの寄せ集めパーティーと言ってもまったく過言ではないし」
こいつ……、賢者がそんなに毒舌吐くのかよ?と、ツッコみたくなる要素を指摘したくなったが、俺はその感情に耐えた。
「それでも出会いは一期一会。それって大事だと思う」
少し間を置いて、俺はルルチェに「本心は?」と、尋ねた。
「まぁ、あなたたちぐらいしかこんな冒険なんて時代遅れなことしてる人たちは、他にはいないからね」
はい、よろしい。
「じゃあ、解散ってことで」
そう締めようとした俺に、コマドリが、「お願いだ、何とかして冒険を続けようよ!」と、言った。
「いや、俺はもうあきらめてどっかで就職でもしようかと……」と、言い返してやった。
もう冒険というのは、この世界では時代遅れなんだ。分かってくれ。
その時、イーゼルが、
「待ってください。魔王がいなくても、レベルが低くても、ドラゴン倒せなくても冒険はできますよ!」
と、言った。
ん?そうなのか?
「イーゼル、どうしてそう思えるんだ?」
「はい!宝探しや、遺跡の発掘とかだって、立派な冒険じゃないですか!」
それは一理あるが……。
「この世のすべてのダンジョンが攻略されてしまってるとも思いませんし、山に行けば山賊がいます。海に行けば、海賊やクラーケンはまだ海を荒らしてるでしょう。それに森へ入ればモンスターだってまだまだいます。それを攻略していけばいいんです」
「お一人でどうぞ」
と、俺が言い返すも、イーゼルはそれでも食いついた。
そうか、こいつは魔女の里を出て、独り立ちしてるんだった。こいつの事情は分かった。
もう、実家には戻れないってことか。
「じゃあ、町でお届け物屋さんでもやればいい。ホウキで空くらい飛べるだろ?」
「何ですか、そのお届け物屋さんって?わたし空飛べませんよ。それにホウキでって何でですか。魔女がホウキで空を飛ぶなんて都市伝説ですよ!」
「えっ、そうなの?俺、今、著作権的にかなり危ないこと言ったんだけど‥‥‥」
「著作権って何ですか?」
「別に知らなくてもいいよ」
全員で、お通夜のように黙ってしまう俺たち。
このまま俺たちは果たして冒険は出来るのか?
俺たち一行は、とりあえず宿屋に直行した。夕方近くになっていたからだ。
さて、どうするか‥‥‥。
これからももっと頑張りますので、よろしくお願いします!!