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第百三章・国境の砦ツィタデルに到着せり!

ちょっと問題が起きまして、小説の書き直しがありました。直すのが大変です。

第百三章・国境の砦ツィタデルに到着せり!



 俺たち一行は、広大な田園地帯を抜けた。緑豊かなところだ。

俺はその先にある、崩れかけた城塞があるのを見つける。

「あれがツィタデル砦か?」

 ルルチェに訊いた。

「そうみたいね。あそこからダン・ルーエの土地に入れるはずよ」

「ダン・ルーエの国境警備隊が守ってそうだな」

「それは当然いるでしょ」

 

 俺たちは砦の前に来た。警備兵が二人、出迎えてくれた。

「君たちは?」

 一人の警備兵が訊いてくる。

「俺たちはダ・ガールの冒険者だ。国境を越えるにはここからでいいのか?」

「名は?」

「俺はリューイチ」

「他の者は?」

 俺は一人ずつ指さして言った。

「この子はイーゼル。そしてルルチェ、で、ポニーテールの子がコマドリだ」

 警備兵はボードに乗った紙を差し出してきた。

「これに代表者がサインを」

 俺はそれを受け取り、ペンを借りると自分の名前を書いた。

「それで、通行証は?」

「え、通行証?」

 

なんだそれ?そんな手形持ってないぞ?


「無い」

 と、一言だけ言う俺。

「通行証がないと、ここは通れないぞ」


な、何ということ!


「いや、そこは顔パスで」

「何だ、その顔パスって?」

「ダメか‥‥‥」

「君たちは通行証無しで冒険者をやっていたのか?」

「ええ、まぁ」

 俺はオドオドする。


 何だこの、飲食店で食べ終わったあとに会計時に、財布がないことに気がついた的なバツの悪さ感は。

 俺は今まで、顔パスで国境を通って来たっけ?

「あ、そうか!」

 俺はルルチェの方を見る。

「ルルチェ、お前は顔パス出来るだろ?」

「え?」

 ルルチェはかぶりを振った。

「この国境はわたしのお父様の管轄じゃないから、無理よ」

「え?そうなの?」

「お父様からの依頼でわたしたち、旅してきたから、前もって国境には手紙でお知らせしてきたのよ。だから今までは国境や州をまたぐことが出来たの」

「そ、そうだったのか?」

「ええ」

「じゃ、ここは通れないのか?」

「通行証がないとね」


 俺たちは立ち往生してしまった。

ルルチェは警備兵と話をする。

「あの、ここはダン・ルーエの国境でしょう?ダン・ルーエはわたしのいとこの旦那さんがダン・ルーエ・タ・トドス王子なの」

「トドス王子の?」

「ええ。そのよしみでここを通らせてくれないかしら?」


 警備兵たちがヒソヒソと話をする。

「分かりました。ツィタデルの中に入ってください。我が軍の責任者に会ってもらいます」


 俺たちは砦の中へと案内された。

誰もいない部屋へと通される。そこには背もたれのない椅子が五つ置いてあった。

しばらく待つと、ブロンドヘアーのロングボブカットの髪をした、軍服姿の女がやって来た。年齢は二十代くらいだったと思う。

「初めまして。わたしはダン・ルーエの国境警備軍将軍のクリスティーナだ。ここを通行証無しで通りたいんだって?」


 クリスティーナは椅子に座った。

「あんたたちも座りな」

 俺たちは全員、座り心地の悪い椅子に腰かける。

「それで、どの子がトドス王子の関係者だって?」

 関係者と言われると、俺たち全員が関係者になるが、この場合は親族ということで、まずはルルチェのことを指すだろう。

「わたしはダ・ガール・フォー・ルルチェ。ダ・ガールの姫です」

 ルルチェが話した。

「冒険者だろ?」

 と、訊いてくるクリスティーナ。

「今は冒険者の仲間になっているのですが」

「ダ・ガールの姫は大賢者の弟子になったと風の噂で聞いたことがあるが、違うのか?」

「いえ、本当です。修行が終わって戻ってきました」

「ほう、興味深いな。あのルルチェ姫が今、ここでこうしてわたしと話しているなんて」

「どうか、ここを通らせてはくれないでしょうか?」

「ダン・ルーエ王朝へ行くのか?」

「はい。一度そこを通って、それからダ・ガールに戻ろうかと思ってまして」

「なるほどな。でも、ただで通らせるわけにはいかない」

「え?」

 クリスティーナはニヤリとする。

「ここでわたしと勝負してもらう。もしそちらが勝てば、通してやろう。負けたらルイ・イークに引き返してもらう。いいな?」

「勝負…ですか?」

「ああ」

「分かりました。何で勝負しましょう?」

「あわてるな。わたしは軍人だが、ゲームが好きでな。それに勝てば、ここを通してやる」

「では、何のゲームですか?」

「ショーギというゲームだ」

 

 俺はそれを聞いてびっくりする。椅子からズッコケて倒れるような感じに襲われた。

今、将棋と言わなかったか?

「ちょっと待った。それって王の駒を取ったら勝ちとかいうゲームじゃないだろうな?」

「ほう、知っているのか、ショーギを?」

 クリスティーナは俺の方に目をやった。関心が俺の方に向いているのは確かだ。

やっぱり将棋か‥‥‥。

「リューイチはそのゲーム知っているのか?」

 コマドリが訊いてくる。

いや、忍者の山で暮らしていたコマドリの方が知ってそうなものだと思ったが。

「そのゲームなら知ってる」

 俺ははっきりと言った。

「ではそこの者、わたしとショーギで勝負だ!」


せ、責任重大だな‥‥‥。



これを更新した後で、やり直しを始めます。

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