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第百章・グラウンド・ゼロ

記念すべき第百章に達しました!!これも読んでくれる皆様のおかげです!!ありがとうございます!!

第百章・グラウンド・ゼロ



 陸上戦艦ガンドレアはモクモクと煙を上げていた。

俺は何かがおかしいことに気付いた。戦艦の近くにいた兵士たちがその場を離れていく。

「何か起こりそうな雰囲気だ、コマドリ」

「そうなのか?」

 コマドリは忍者刀を納刀すると、戦艦を見上げた。


「いかん、俺たちも離れよう!」

 俺は叫ぶ。

「逃げるんだ!」

 俺はコマドリの袖を掴み、引っ張った。

今すぐ離れなければ!根拠があるわけじゃない。だけど、今は戦艦から出来るだけ離れることが重要だった。


 戦艦の中の自爆用の爆裂魔法石が光り、次の瞬間、轟音とともに、戦艦が凄まじいほどの大爆発を起こした。その威力は城ひとつ破壊できるほどの爆発だった。

 勢いは凄まじく、周りの人たちや地面をもえぐった。巨大なキノコ雲が空へ向かって昇っていく。奴ら、マジで自爆なんかしやがった。なんて連中だ!


 俺とコマドリはその爆発に、一緒になって巻き込まれた。しかし、俺たちは無事だった。

いつの間にか、俺たちの周りにバリヤが張られているのに気づく。

助かったのか?

「こ、これは?」


 高台にいたイーゼルと、そのそばにいたルルチェの魔法のおかげであった。俺たちにバリヤを張ってくれたのだ。


 爆発の爆心地には、巨大な穴が出来ていた。

「バリヤで助かった‥‥‥」

 チートの俺でも巻き込まれていたら無事では済まなかっただろう。コマドリは死んでいたかもしれない。いや、死んでただろう。


 ルルチェのバリヤはかなりの強度だった。かなりの魔力を使う魔法だっただろう。彼女に感謝しなければいけないな。


「それにしても、今の爆発は凄まじかったな‥‥‥」

「まさか、自爆出来るとはな」

 コマドリは呆れたように言った。


 オレンジ色の炎の塊が空へと昇っていった。

「なんて代物だ。こんな機械魔法兵器、ひどすぎる!」

 爆発に巻き込まれた人たちは大勢いた。助からない者もいた。タリル族の人たちも、敵のルイ・イーク軍の兵士たちも。


 ルイ・イーク・ル・ドルティスめ、なんて残忍な奴なんだ!

 

 俺は怒りに燃えた。こんな兵器は笑えない。

「コマドリ、皆と合流しよう」

「ああ。バリヤが間に合って良かったよ」

「そうだな。俺が守らなくちゃいけなかったのに、すまなかったな、コマドリ」

「リューイチ‥‥‥」

 

 二人で、燃え盛る戦艦の残骸を見つめていた。

でも、これでルイ・イーク軍の主力を潰すことが出来た。奴らの国力を少しでも削いでいけば、奴らは国を維持するのが難しくなる。これはその第一歩だ。


ドルティス王、ざまーみろだな!


 この土地の戦艦の爆発で出来た大穴は、今後グラウンド・ゼロと呼ばれるだろう。

「グラウンド・ゼロだな」

 と、つぶやく俺。

「どうしたリューイチ。グラウンド何だって?」

 コマドリが訊いてくる。

「グラウンド・ゼロだ。爆心地の意味だ」

「また、そなたは聞いたこともない言葉を使うな。どこの言葉なんだ?」

「俺がもともといた世界の言葉さ。2001年のアメリカの同時多発テロ事件で、世界貿易センタービルの倒壊した場所の名としても使われるが、元は爆心地のことだ。特に原爆などの被害が出たところのことだな。ヒロシマとかナガサキとか」

「それも何を言っているのか分からないな‥‥‥」

「まぁ、忘れろ。イーゼルたちと合流するぞ」

「ああ。皆無事で良かったよ」

 俺とコマドリは、バリヤが晴れると、高台を目指して歩いて行った。


 生きていると信じてたぞ!イーゼル、ルルチェ。

俺は信心深い奴ではないのだが、今回は神の慈悲ってものを感じざるを得なかった。ルシフィーネとかな。ありゃ女神か。



たくさんのアクセス数をもらって、元気になります!!読者の皆様に幸あれ!!

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