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視点が変わります。



俺の名前はギンガ・ゲレオ・トレナーエ


帝国の白騎士団に所属している。

今回隣の魔法国に留学に来たのは言うまでもなく、上司命令だった。


「お前、ちょっと留学してこい」

「いや、何を言ってるんですかあなたは。」


この国と魔法国は一応協定を結んでいる友好国ではあるが、はっきり言って紙の約束でペッラペラ。いつ戦争が起きてもおかしくないほどである。

どちらも裕福でそこまで窮困しているわけではないし、周りの国からしたらよほど恵まれているのだろうが、自分たちの国の方が優れていると言って子供みたいな喧嘩をしてるのだ。上が。

実際、巻き込まれた方は死者が出るんだから何ほざいてんだ。って感じだし、皇帝は実力主義のこの帝国でトップに立つほどなのだがいかんせん激情家で喧嘩っ早いところが玉に瑕である。

で、なぜ俺が行かねばならんのだ。


「なんかさ、どっかの貴族の嬢ちゃんがギルドで大活躍しているらしいんだわ。で、貴族の嬢ちゃんがそれをやっている意味がわからないからそれ探ってこいっていうことらしい」

「は?貴族の娘がギルドに所属しているって・・・魔法国のですか?帝国のではなくて?」

「おう。おかしいだろ?まぁ、その情報もある筋から聞いたから確かなんだけど、あの魔法国の貴族連中といえば、ギルドみたいな野蛮なところに属するなんて。みたいなモヤシが大勢ごった返しているようなところなはずなんだけど、そうじゃない子がいるみたいなんだよな。」

「で?いてもおかしくはないですが、それの何を調べて来ればいいんですか?」

「いいな。俺はお前のそういうところが気に入っている」


実際、この国はあまり魔力がないものの方は一般的で、実力主義だから魔法が使えなくても問題ないし、体が資本なので結構ガタイがいい男女が多い。

そのせいか、脳筋が多く、俺が所属している白騎士団はギリギリそういうのが集まらないようにはなっているが、泥戦を得意とする黒騎士団はそういう輩が多く、密偵には全く適していない。

ちなみに、帝国は大抵のものがギルドに所属しているし、騎士団だからといってギルドを下に見ることははっきり言ってないに等しい。

騎士団は規律にのとって団体で動くし一応はエリートと言われているが、ギルドに所属しているハンターもソロでやる方が性に合っているだけで強さも上に行けば行くほど騎士団より個々の能力が高いものがざらにいると知っている。

だが、魔法国はその逆で自分たちが優位にいてギルドは荒くれ者の集まりであり落ちこぼれがいくものだという風習が未だにあるらしい。

実際、ハンター達はそんなことは思っていないが、それは貴族のプライドなのかも知れない。


そんなこんなで貴族子息ならまだしも、令嬢がギルドに所属しているとなってはある意味スキャンダルなはずなのだ。

今のところ、それが表沙汰になっていないということはうまい具合にその令嬢が隠しているからに他ならない。

そして、それはもちろん実力が伴っているからでもあるという証明だ。

魔法国で唯一と言ってもいい実力社会はギルドであるお思われる。

そのハンター以外のマスターたちが認めているからであろう。


「その令嬢をスカウトしたいってことですか?」

「惜しい!でもそんな感じなんだよな!」

「はぁ・・まぁやれるだけやってみますよ・・・」

「よろしくな!とりあえず、お前の見た目ならどんな令嬢でもコロッと行くと思うんだけどな??」

「ある意味、それも武器ですからね・・・使えるものは使いますけど」


俺の容姿はこの帝国では珍しく魔法国に近い。白騎士団は一応皇帝の身辺を預かるところから他国との外交がある際も護衛を司っているため顔もほどほどにいい。という節があるが体格に関しては他国とは比べ物にならないほどがっしりしている。その中でも俺はがっしりではなく少し細身だ。筋肉がないわけではないが、他国の外交官を威圧しないようにと厳選された中の一人だからだ。それでも他国に行けばそれ相応にがっしりしている方だとは思っているが・・・


「まぁ、俺の見てくれに騙されるような人物じゃないと思いますけどね?」

「うまくいっても行かなくてもどっちでもいいんだよ。そこまで重視している話でもないんだ。気楽にちょっと行ってこいよ。休暇だと思って。」

「休暇に留学して頭とか使わなければならない身になってから言ってください。」

「すいませんでした。」

「頭をすぐ下げなければいけない発言をしないように」

「どっちが上司なんだ・・・」


_/_/_/



そんなわけであれから少しして俺はこの魔法国の学校に通っている。年齢的にはちょっとアウトな気がするが帝国にはいない小綺麗にしている女性に囲まれるのはそんなに悪い気はしない。

強いて言うならギルドに何回か顔を出しているのになかなかお目当ての令嬢に出会えないことくらいか。


まぁ、そんな中俺にもお気に入りがいる。


「こんにちは。ドレーヌ嬢。」

「・・・ごきげんよう。トレナーエ様。」


カフェのチョコレートが絶品だと教えてくれたドレーヌ嬢。

これがまったくけしからんことにものすごく美味しかった。感動した。

俺は、甘党でチョコレートが大好物なのだが。なぜ彼女が知っていたのかは知らないがとても感謝している。

ちなみに彼女とは今図書室でお会いした。


「実技の試験に向けて少しでも知識を蓄えたくて来たのだけれど何かお勧めしてもらえることは出来だろうか?」


彼女は図書室であったのだが、なんともとても詳しい上に俺に色々アドバイスをくれる俺にまったく食指が動いていない令嬢で。俺自身もあんなに綺麗な令嬢の中に入る彼女は霞むような気のする見た目だが・・・

なんだろうな。無意識に目が行くんだよな。


「トレナーエ様、この図書室には司書が常駐していますから彼らに聞くと一番いいかとおもわれます」

「釣れないな。私は貴女に教えていただきたいのだが・・・」


普通のご令嬢、または女性なら顔を真っ赤にして色々教えてくれる俺の言葉にもいっさい情が動かないようで、さらっと離れようとするのが、逃げられれば追いたくなるこの心情。誰かわかってくれるだろうか。


「大変申し訳ないのですが私も試験の勉強をする身ですのでそんな時間はありません。」


きっぱりと断られるのがまた面白くてついつい話しかけてしまうのだがそろそろやめておかないとこれは本格的に嫌われるな・・・

この前手の甲にキスをした際も目を泳がせてまったく世の女性と違う反応をしてくれただけに・・・


なんとなくだけど、こういう女性はどういうことをしたら喜んでくれるのだろうか?


「すみません、私もこちらに来たばかりでしたので不安で相談に乗って下さる貴女に甘え過ぎてしまいましたね。また機会があったら話しかけて構いませんよね?」

「はぁ・・・・あまり人目のつかないところでしたら構いません。」


俺を誘っているのだろうか?



_/_/_/




あれから、簡単に勉強して実技の試験にとりあえず挑むとしてそろそろ上司の命令である令嬢にお目にかかりたいものなのだがと思ってとりあえず今日もギルドに行く。

このころギルドに頻繁に行き過ぎて顔を覚えられてしまった。


この国のギルドは面白いくらいに清潔だった。さすが女性のギルドマスターなだけはあるな。

いや、うちの国の女性じゃあれば無理だからこの国独特といったほうがいいな。



「あら、今日もいらっしゃったんですか。色男さん?」

「こんにちは、ギルドマスター」


ここのギルドマスターははっきり言って男性から見ると目に毒だ。そうやって考えると、ドレーヌ嬢のなんとも変哲のない体は目に優しいか。これは言ったら怒られるやつだから絶対に言わないが。


「探しているうさぎちゃんは今日も来ていないわよ」


そう、一応ギルドマスターには俺がここに来ている目的は伝えている。そうでない場合俺はスパイのような存在として扱われても文句が言えないからだ。

実際、貴族として公言していないがわかる人にはわかるらしい彼女はまだ今日も来ていないらしい。


「うさぎちゃんっていう表現は果たしてあっているんですか?」

「見た目はね。強さは私が認めるくらいにはかなりの実力よ。本人にまるで自覚はないし、本人も隠しているようだけどね。わかる人が見たらわかるわよ。」


ギルドマスターにそこまで言わせるとは。やはり相当な実力なのか・・・


「でも、あなたも十分な力をお持ちよね。うさぎちゃんを見つけてスカウトっていうけど本当は違うってあなたもわかっているんでしょう?」

「わかってはいますよ。でもまぁ、上司命令ですからね〜」


実際、魔法国から帝国に居を移すものもたくさんいるし、戦争が起こるかもしれないっていうのもあるため、牽制っていうのも考えられるが、ギルドマスターからすると、他国に移動しようがしなかろうが、実際の所ギルドは国所属ではなくギルドという所属になるため国境の扱いはほとんどない。

なので、国同士が喧嘩をしようとそれに強制徴収されるわけではない。なので、どこの誰が国を出て、入って、ということは結構些細なことらしく俺がスカウトに来ていようがうさぎちゃんが帝国に移動しようが痛くもかゆくもないらしい。

ただ、あいにくと結構なお気に入りらしく行ってほしくないとは思っているらしいが。


「俺はうさぎちゃんの好みに合っていますか?」

「そうね〜うさぎちゃんは、この国にまったく合っていない筋肉フェチだからね〜あなたの筋肉はその装備に隠れて見えていないけど一応は妥協点なんじゃない〜?」

「・・・装備で隠しているわけではないですが・・・肌を見せた方が好みなんですか?」

「前にそんな話で盛り上がった記憶があるわ。」

「・・・本当に貴族令嬢ですか?」

「・・・多分ね」


俺の貴族令嬢は結構おしとやかでそういうのはおおっぴらに話さないものかと思っていたのが・・・実際強かなのはなんとなくわかるのだが・・・実際、貴族令嬢は政略結婚が多いと聞くからな。

恋愛に関してあまり自分を出せないには出せないとは思うが・・・ギルドマスターが言っていることが本当だということはこの国としては致命的ではないか?筋肉とは程遠いもやししかいないだろ。



_/_/_/



今日も今日とて俺はギルドに向かっている。

なんとなく休みの日はギルドに行くという習慣が俺の中に芽生えてしまった・・・。一応依頼的なものも一応やってはいるのだが自分の目的に差し障りのない内容だったため、今日は実技の前に一発気合いを入れるために重めのものでもやろうかな。と思っているのだが・・・


ギルドの中にドレーヌ嬢がいる。


どう見てもあれはドレーヌ嬢だ。

もしかしなくてもドレーヌ嬢が、貴族令嬢なのか・・・?


なんて面白い展開なんだ。これは・・・必ずスカウトして帝国に来てもらわなければーーーーー。









お読みいただきありがとうございます。


恋愛って・・・(遠い目)ギンガの目線で書いてみましたが次はきっと多分試験です。

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