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勢いで書いたので所々前後していることがあるかもです・・・
・・・皆さん。驚きでしょう?もう夏休みが終わろうとしているの。
私もびっくり。
学園は王都にあるんだけど夏休みは各個人の領土で過ごすのが貴族の過ごし方なんだけど。
そこで、男性だったら領土の運営の仕方を学んだりね、女性はマナーや裁縫を行ったり。もちろん、魔法の復習だったりもするのかもしれないけど領土の行かないとできないこととかあるだろうからそういうことをする人がほとんどね。
卒業したらすぐに領土の運営に関わることとか城に勤める人とか、出てくるには出てくるし、結婚して魔法に関わらない人も出てくるのは出てくるのよ。何をするかって?社交界の準備に入るのよね。なので、こういう夏休みとかも無駄にしない人が多いんだけど。
私てきにはほぼ家にいなかったわね。ギルドに行ったり、森に行って修行していたり。帝国に何回か入ろうとしたんだけどやっぱり国境のところで影に入らないと無理そうだったから、帰る時も影に入らなきゃいけないのでしょう?
実は魔法王国から出るときや帝国に入るときは魔法の結界がないと言われているんだけど、魔法王国へ入ろうとするときはあるんですよ。魔法を使って入ると警報がなるの。そして、捕まるんです。お約束と言われればそうだけど、魔法に対してとってもシビアなのがこの国。いろんな国から間者が来るからそれに対して魔法を使って密入国はできませんよっていう牽制も含めてものすごく強化しているところだからたぶん、難しいと思うのよね。
戻ってくる方を考えると面倒だから結果やめた、というわけ。
そんなに長く滞在するつもりもないしね。
これから王都へ戻ります。王都までは馬車に乗って3日くらいかしら。それでも短い方だったりするのよ。
「お嬢様、荷物はどうしますか?」
そうよね〜今回行って帰ってくる(予定)だから荷物なんて持って行きたくないのよね。
っていうか、自分の異次元収納に入るし。それでも貴族だから馬車とか多めに連れて行ってお金を散財しなければいけないというなんという無駄!!まぁ、それで稼いでいる人がいるので、それをなくすことはできないのですけれど・・・
「とりあえず1ヶ月分くらいの荷物だけでいいわ。それ以上あまりいる気がしないし。」
「かしこまりました」
レイビンの口調って本当に適当よね。侍女っぽいときは丁寧な口調なんだけど一旦そこから離れた会話をすると、さらっとしたぶっきらぼうないい口調になるし。それでいて友達みたいな口調の時もあるし。
とりあえず荷物は少なめに持って行って足りなければ調達すればいいんでしょう。1ヶ月分っていうのは貴族でいうところではものすごく少ない方なの。ただし、貴族っていうのは一回社交界に出た服を二回は着ないからリメイクしたり買え変えたりして最低持っていなければいけない量が1ヶ月ってところ。お金は実家からでるから、つまはじきにされているとはいえ、学園に通っている以上はある程度の仕送り等がある関係で使わなければいけないお金もあるのよ。
リメイクすることをお願いするっていうだけで賃金が発生するからそれで暮らしている人も・・・ってこれはさっきも言ったわ。
つまりは上流階級の人たちが使わなければいけないお金があって、それが無駄だと感じている私は貴族には向いていないと思うのよ。
まぁ、そんなことはどうでもいいわ。実際私になって、悪役令嬢に会うのは初めてだから緊張するけど。
そして、転入生がやってくるからとっても楽しみだわ〜
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「バロニ様、お久しぶりです。」
早速ご挨拶にきましたよ。
あ、王都につきましたよ。さっき。それから寮へ荷物を置きに行きます。一応、貴族でも寮に入る決まりで侍女を一人だけ連れてきていいことになっています。貴族と、平民の寮は別々になっていて歩合制。ここ笑えますよね。
私は子爵家しかも次女なので、あまり平民と変わらない作りで狭いお部屋です。お金のある公爵とか伯爵にもなると、塔ごと自分たちの寮にしたいというくらいお金を入れるらしいのですが、そこまで広さに余裕がないのである程度のお金を支払ったら何個かしかないすごく部屋が広いところをあてがってもらえるんだとか。まあそれも数に限りがあるので早いもの順とかも聞いたことがあるけどね。どうでもいいから知らないけど。
で、私は寮に入ったらしなければいけないことがバロニ様への挨拶。
戻ってきているかわかっていなくても部屋を訪れなければいけない。子爵家よりも近いところに領土があるからここから近いので、私より戻ってくるのが早いかな〜と思っていたけどやはりいた。ちょっとお部屋が遠いんですよ。お金がある公爵家ですので一等広いところに住んでおられるのだけれど、そうすると私のお部屋から歩くんです。
ちなみにお金持ちが住んでいる寮が一番学園の門に近いところにあって、どんどん離れていくというシステムです。はい。
「アイラさん、お久しぶりね、戻ってくるのがとてもギリギリだけど準備とか大丈夫なのかしら?」
「ご心配おかけしてすみません。一応、領土にいるうちに夏休みが明けてからの準備はしておきましたから問題ないです。」
もちろん夏休みは明日で終わりってところで私は帰ってきました。目論見通り。
「それならよろしくてよ。わたくしのそばにいらっしゃる方で何かあったら、皆様へ恥になりましょう?」
さすがですよ。自分の威厳大事。わかるよ、そうでなくては!悪役令嬢はやっぱり誰にでも辛辣でなければね!!
「ローエンさんにはお会いしまして?昨日着いたようでしたけどわたくしに挨拶にいらっしゃらなかったのよ・・・」
おや?ローエン様はそういう挨拶とか重んじる方かと思っていたのだけど?
「それでしたら私が見てきましょうか?お部屋もそう遠くはありませんし」
「そうね、よろしくね?必ずわたくしの元へ挨拶に来るように伝えてね?」
軽くお辞儀してお部屋を辞すると、ローエン様のお部屋に向かう。一応彼女のお部屋は私が部屋に戻るところの通り道にある。もちろん彼女もいいところですよ。
コンコン
「ローエン様、いらっしゃいますか?アイラです。ご挨拶にお伺いしましたのと、バロニ様がお呼びでしたがお部屋に今いらっしゃいますか?」
シーン・・・
・・・?いないのかしら?魔法を使ってもいいけれど寮で魔法を使うとシステムに干渉して面倒くさいことになるからやりたくないのよね。
コンコン
「ローエン様?」
「・・・・・アイラ?さん?」
おっ返答あり。でもなんか夏休みに入る前と結構声のトーンとか違うけど?何があった??
「ご挨拶したいのですが扉を開けて頂くことは可能ですか?」
「あ・・・ええ、ごめんなさい今扉を開けるわね。」
あれ?ちょっと待て。侍女はどうした?普通は侍女がここまで来て開けるかと思うのだけれど。
ガチャ
「ごめんなさい、ちょっとお部屋に入っていただける?今お外へは出たくなくて・・・」
「え?はぁ・・・大丈夫ですけれど」
なんだ?どうしたんだ?
ちなみにローエン様のお部屋には初めて入る。基本的に侍女が私のところにやってきて応接間みたいなところに通してくれるんだけど、今日は違って応接間を通り越してローエン様のお部屋に直行だった。
そして侍女は見当たりません。
「ねぇ、アイラさん・・・とっても突拍子もないことを私いうんですけれど・・驚かないで聞いてくださる?」
「え?ええ・・・」
「・・・・・・・・」
「・・・・・・・・」
長いな。
「私・・・、この学園から追い出されるみたいなの・・・」
「・・・?え?どういう・・・?」
「私、夏休みの間に夢を見てそのお告げみたいなのだと思うのだけれどこれからこの学園が荒れると思うの。そしてその渦に巻き込まれた私はこの学園から追い出されて剰え、お母様やお父様から勘当されてどこかにお嫁に行かされるの!好いていないお年を召した方へ!!どうしましょう?!私お母様やお父様にお話ししたんですけれど誰も信じてくれなくてついには夏休みが終わってしまって私どうしたらいいかわからなくて侍女を連れてくることもしたかったのだけれど侍女もその渦に巻き込まれた挙句、私を裏切る結果になってしまって誰一人信用できなくて・・・わぁぁぁ・・・」
・・わーお。すげー全て一息で言った後に泣き出したぜ。すげーな肺活量。
「ローエン様、申し訳ないのですが・・・とても・・・・なんといっていいかわからないのですけれど誰にも信用していただけなかったお話をどうして私に?」
「あ、ごめんなさい、私ったらつい・・・アイラさんへお話したのはその夢にはアイラさんも出てきて同じような運命を辿ったの。実はバロニ様もなんですけれど結末があまりにもひどくてお話したら私その前にそばを外されるのかもしれないと思って怖くなってしまったの・・・」
ふむふむ。同志ということで話してくれたってことで彼女的には確信があってこの話を私にしたわけではないし、彼女は転生者っていう感じじゃないってことか。
あれ。バロニ様のことは救おうとしているのかなどっちかな。
私てきには救う気はないというか取り巻きやめる気満々だったから全然考えてなかったけど。
「バロニ様へはこれからでは言わないということで?」
「私はバロニ様に伝えたことで関係が悪化して嫌われたくありませんわ・・でも、バロニ様も渦に巻き込まれてしまって酷い結末を迎えておいででしたの。夏休みが終わってからの・・・なんと言えばいいのかしらどこまで信じていただけるかわからないのですけれどある方へのいじめを始めるんですの。そこに私とアイラさんが混ざって・・・っていうのが正しいかしら。私としてはそこから手を引きたいんですの」
まさかの展開。
え?こんな展開ってあんまりなくない?
ラノベとかは悪役令嬢が記憶を取り戻したとかあったけどまさかのモブである取り巻き二人が思い出したわけではないけどその渦から回避しようとしているって・・・
どうしたものかな。ここまで私を案じてくれたのにハイ、サヨナラってわけにも行かなくなったぞ。
「ローエン様、なんということでしょう。そんな話をしてくれてありがとうございます。実は
私も似たような夢を見まして・・でも私の方はそこまで細かいことまでわからなかったのですがあまり学園に長くいようという気にもなれず・・・実はこの学園からお暇しようと思っておりましたの。」
ここまで話してくれたのに私の方の都合を話しておかないっていうのも申し訳ないよね。
「まぁ・・・アイラさんは私の話を信じてくれる上に貴女自身も同じような夢を見ましたのね?どうしましょう。私はこの学園を無事に卒業しましたら一応、婚約者の元へお嫁に行くことになっておりました。でも、その渦というのが・・・婚約者の元へ行けなくなるようなことで・・・」
だろうな。その婚約者は確か転入生に惚れちゃうんだった気がするもんね。ちなみに私の婚約者もその中に入っております。ローエン様の婚約者はまぁ、よくあるある言葉で救われるみたいなちょっとお前弱すぎじゃね?精神。っていう感じのお人なんですが、特に婚約者が転入者へ嫌がらせをすることでどんどん嫌気がさして行くんですよ。
実はこの嫌がらせっていうのは結構頻繁に行われていて、それを結構目撃していたけど申告しなかったっていう特殊な例なんだけど、なんで申告しなかったのかは知らない。そのルートはやったけどこいつ無理ってなってやめたから。
そんなこんなでローエン様はその人と結ばれることはなかったんだけど、結構それこそバツなんだよ!ってくらいの人の所に嫁がされるだった気がする。
でも、この感じだと婚約者のことを気に入ってるみたいな感じなのかな?イケメンだったかすら覚えてね〜わ。
「ローエン様は婚約者さまのことがお好き・・・なんですよね?」
「・・・私の婚約はお母様とお父様が決めた婚約で・・・私としてはあまり興味なかったのです。それでこの夢を見たことによってそんな方へ嫁がなければいけないというのは嫌で・・・でもそれすらも叶いそうになくて・・・」
ずっと、泣いてすごくか弱そうにしているけどいや実際か弱いんだろうけど、さすがお嬢様。自分の要望だけはしっかりいうんだね。うん。
「ローエン様はでは、お慕いしている方はいらっしゃらないのですか?そして、その方へ嫁ぐことができる可能性は?」
「ねぇ、アイラさん。」
「はい」
「このお話は初めから内緒のお話でしたよね?ではここでのお話はお互い誰にも言いませんわよね?」
「もちろんですわ」
そりゃな。結構こっちもすげーこと暴露しているから困るわ。他の人に言われたら。
「私、お慕いしている方がいるんですの。」
「はい」
・・まっすぐに私の目を見て話すローエン様は何か決めたような顔をしている。
「私にできることは少ないかもしれませんが、私もあなたがこの学園から去ろうと言うならばその時までお手伝いしますわ。ですから、私へも手伝っていただくことはできますわよね?」
手伝ってもらう前提かい!
「もちろんですわ。私にできることでしたら」
「ありがとう。ごめんなさい夏休みが終わった直前にこんなお話。でも話せてよかったですわ。バロニ様へは挨拶してきますわ。でも、このことに関しては進まなければ回避方法も思いつきませんし一旦何もなかったことにして学園に戻った方がいいかもしれませんわ。バロニ様は助けられたら助けられたらで。私たちの身の安全が最優先でしてよ。
これからのことはまたお話に来ていらして?私も出来る限りのことをしておきます。」
オォ・・・とりあえずなんかよくわからんがお手伝いしないとこの学園からは出られないのね。そして、まぁ、うまくいく保証もないけど。何というか強かだなぁ・・・。
「ローエン様こそ大変でしたわ。力になれることだありましたらお話ください。・・・ちなみにお慕いしている方は・・・」
「あら、ごめんなさい私ったら一番大事なことでしたわ。3年生のウフォロ・デオ・オ・クレオ様ですわ。」
・・・誰?
お読みいただきありがとうございました。