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02チュートリアル

身体がガクンッ!と引っ張られるような感覚と共に、今度は見る見るうちに景色が変わって行く。







上を見渡せば一面の青。そして眼下に広がる草原。サワサワと揺れる風が妙に心地良い。現実では真白の病室しか知らない自分ではあるが、まるで本当の大地に立っているかのような気さえする。今までやってきたどのVRゲームよりも鮮明で、そして眩しかった。


初めて感じるリアルな【外】に気が付けばツーッと涙を流していた--。





▲▽▲▽▲▽▲▽


"それではチュートリアルを開始します。"


"まずはメニューウィンドウを開いてください。直接言うか、イメージする事によって開く事が出来ます。"


ここに来てこのシステムメッセージが直接頭の中に話しかけている事に気付く。


「こうか?メニューウィンドウ」



ヴォン

すると目の前に半透明な青色のウィンドウが展開された。


"メニューウィンドウではキャラクターステータスやインベントリの確認、システム設定など様々なデータが選択可能です。また、ダイヴアウトもこちらから行います。"


"それではキャラクターステータスを確認しましょう。メニューウィンドウから選択してください。"


ピッ


------

[name:ガルボ] [種族:人族(通常)]


[HP:100+(20) SP:50+(20)]


[称号:---]


[装備item]

【武器:---】

【頭:---】

【胴:初心者の服】

【腕:---】

【足:初心者のズボン】

【装飾品:---】


[取得スキル]

【---】

------


'"装備品はインベントリから選択でき、称号は一定条件を満たすと獲得できます。"


"スキルは武器の使用により獲得できるほか、NPCから教えてもらう・特定のイベントをクリアする等様々な条件下で獲得できます。中には特殊な効果を持つ【希少スキル】も有ります。一筋縄では行きませんが、使い方次第では強力な性能を発揮するでしょう。"




「なるほどね。まあ、細かいところはやりながら覚えるからスキップするとして……。早速戦闘チュートリアルをしてもらえるかな?」



"では、戦闘チュートリアルへ移行します。"


"はじめにお使いになる武器を選んでください。"



「俺の獲物は勿論これっ…と!」



武器の選択欄から迷う事もなく、双剣を選んだ。

インベントリを開いて性能を確認する。



------


[ルーキーズツインセイバー]

[ATK+5]

[耐久値∞]


・特殊な金属により精製されている初心者用の双剣。錆びる事も折れる事も無いため、手入れ不要。初心者は勿論、無精者にもスゴく優しい。


------



確認を終えて、そのまま装備すると背中へ鞘に入った状態で具現化した。ズッとした重みを感じる。



"敵モンスターが出現します__"



すると、目の前に角の生えた体高1mはあろうかという巨大なウサギが現れた。



「さすがのウサちゃんもここまでデカいと気持ち悪いな……あ、目があっt」


その巨大な角の生えたウサギは目が合うや否や、フシュフシュと鼻息を荒立てながら突進してきたではないか!

すんでのところで突進を避け、すぐさま双剣を抜刀して体勢を整える。



「武器の重さもシッカリ感じるなー。モブのモーションも滑らか!ホント、この世界はリアルに出来てんなー♪」


と感心していると、角ウサギが折り返し突進を仕掛けてきた。

一撃目を避けられたのが余程悔しいのか、さっきよりもよりフシュフシュしているような気がする。



「こっちだって、いつまでもチュートリアルしてる訳にも行かないんでね。さっさと終わらさせて貰うよっ!」



角ウサギの突進をギリギリまで接近させ、避けざまに首筋目掛けて一閃。


ギュピッ!



思いの外、刃はすんなりと肉に食い込み、鮮血がドッと溢れ出す。流石にこれには堪らなかったのか、角ウサギは大きな悲鳴をあげて突進の勢いそのままに倒れ伏した。

深く切れ目の入った傷口からは、血とともにコヒューコヒューと息の漏れる音さえする。



「クリティカルヒットってやつかな?何はともあれこれで、戦闘チュートリアルはクリア……だな。しかし……」



先程メニューウィンドウを開いた際に、ついでに設定も変えていたのだが。

【表現設定の変更:リアル・マイルド】

デフォルトでは[マイルド]の設定になっていた為、[リアル]へと設定変更していた。これまでの間でも、このゲームの作り込みにはまだ序盤にも関わらず驚かされてはいたのだが、あまりにもリアル過ぎるこの感覚に一瞬、背筋が冷たくなるのを感じた。

フィールドの雄大さもそう、このモブの息遣いもそう。





まるで、全てが生きているかの様な--。

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