01キャラクタークリエイト
"プレイヤーネームを登録してください"
無機質。それなのに違和感を感じない女性とも男性ともとれるような声が、この何にもない真っ暗な空間(いや、頭の中か?)に響き渡る。
今まで数々のVRゲームをプレイしてきたが、ここまで現実と仮想空間との【差】を感じないのは初めてだ。
驚きと逸る気持ちを抑えつつ、取り敢えず俺は普段から使っている名前を頭に思い浮かべる。
"プレイヤーネーム"ガルボ"で宜しいですか?"
肯定の意を送る。
"重複なし。決定します。
システムアップデートを行いますので少々お待ちください。"
この名前でプレイするのももう何度目かな……?思えば初めてVRゲームと言うものをした時に感動しすぎてシステムが異常検知で停止して--、再起動して。気を紛らわせる為に、このお菓子の事を考えていたら名前までお菓子になったんだよなぁ(笑)
一連の話で看護師さんが涙流して笑ってたっけ。
なんて、遠い昔の事をぼんやりと考えていたらどうやらアップデートが終わったらしい。今まで無の黒だった視界が徐々に白んで行く。おや?
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"ここではキャラクタークリエイトを行います。"
"種族を選んでください。"
いや、選べる種族多いなぁ……。でもこの手のゲームはこれって決めてんだよな。
【人族】
"【人族】でよろしいですね?……
では身体のパーツを決めてください。尚、性別は変更不能です。又、体型もガルボ様の肉体をコンバートし、ベースを作成します。サイズが違い過ぎると仮想空間・現実世界共に動作の違和感の原因となりますのでご注意下さい。"
「分かってるよ。お?喋れたみたいだな。あの身体決まるまでの半透明なのニガテ……。スースーするからなぁ」
苦笑いしながら一言言い終えて身体の動きを確認する。
「っと、よし!動きも滑らかだし、なんか本当に身体動かしてるみたいだな。ま、リアルで身体動かした事なんて首から上しかないんだがな♪」
「取り敢えず、さっさとパーツ決めちゃうかな」
ほぼベースの状態のまま身体のパーツを決めるとシステムエラーにより拒否された。やっぱりどこかしらはイジらなければならないのはVRゲームの鉄則らしい。
髪色と眼の色、そして筋肉量を増やしてみる。
「鏡よ。んー、なんかガイジンみたいになっちゃったけどいいかな(笑)」
そこには銀髪緋眼のムキムキな誰かが鏡に映っていた。
"それではチュートリアルを開始します。チュートリアル終了後、ガルボ様の冒険が始まります。新しい世界をどうぞお楽しみください。"
''TotentanZ On-line START!"