違和感
「おやおや、鮫島くん1人だけでしたか。」
とわざとらしく言う、この人は力学部顧問の斉藤先生だ、普段は生物基礎を教えているが数学の免許も持っているらしい。先輩は理系なので2人とも部活以外でも先生にお世話になっている。少し真面目すぎる節があるがとてもいい先生だと思う。
「今さっき、出ていきましたよ。」
ん、口に出した途端違和感が湧いてきた。
「そうですか、どうです? 佐久間さんとは仲良くやってます?」
「ええ、まあ、はい。」
考え事をしていたせいか返事が曖昧になってしまった
「それにしても珍しいですね、昼休みに部室に来るなんて。」
先生はちょっと待てと言わんばかりに僕の前を横切り
「これを取りに来たんだよ」
と冷蔵庫からお盆を取り出した、上には種子やら、ビーカーやら授業出使うであろう道具が乗っていた。
視線を向けると
「理科室の冷蔵庫が壊れちゃったんだよ」
申し訳なさそうそれじゃ、っと先生は部室を後にした。
6時間目理科室での授業だった、理科準備室を覗くと斉藤先生の言っていた通り冷蔵庫には故障中と張り紙がされていた。
おおよその予想は着いた...後は先輩に聞いてみるか