暴れたいのです
予定より、一日遅れの投稿になりました。
レーヴェは、戦場が最も見える位置を歩きながら探していた。
とても戦場の中を行動してるとは思えない軽やかな足取りである。
当然戦場の中であるのだから見かけない人を見かけたら敵は襲いかかってくるだろう。
しかし、レーヴェは虫でも払うかのようにナイフを踊らせ彼の通った道には、死体が転がって行くだけだ。
レーヴェは、見張らしの良い場所を見つけ観戦モードえと移り、腰を下ろしていた。
「人間と魔族の戦いか…」
そう呟くとつまらなそうに眺めた。
人間側は、ざっと2万人。
魔族側は、ざっと千しか居ないのだ。
なのに魔族側が、有利に戦況は動いていた。
その理由は、明白。
人間達は纏まって行動してるのに対して、魔族側は個人で迎撃するゲリラ戦を駆使していた。
この世界では、魔族一人に対して人間の一般兵三人で当たるのが常識の世界。
四方八方から魔族に襲われては、地の利の無い戦場では良い的である。
そうしてジワジワと数を減らし人間達の士気は下がる一方である。
しかし、人間達にも魔族と互角以上に戦える兵士は存在し、その兵達を希望に一般兵達も戦っていた。
その結果、泥沼の乱戦状態に陥りただ数を減らすだけの戦になっていた。
「魔族は戦いが好きって言うけど私にも当てはまるんだね」
そうレーヴェは、呟くと当初の目的である魔族平定の為に動く決意をして戦場を見定める。
どうやってこの戦いを終わらすか、その算段をシミュレーションしながらレーヴェは戦場に乱入した。
レーヴェは手当たり次第に、ナイフの餌食にしていく。
彼が一歩踏み出せば、二本のナイフが敵の急所に走り切り裂き彼の通った後ろに2体の死体が転がって行く。
ナイフが意志を宿してるかのように、別々に動き人間達を死骸に変えレーヴェは強者を求めて狩り続ける。
そこにはもう、理性など無くただ強者を求める本能に支配された獣へとなっていた。
レーヴェを見た兵士達は皆こう口を揃えたそうだ、「あれは、銀狼の魔王だ」と、言われたそうだ。
結果的にレーヴェの事が、兵士達に伝わりこの戦争の早期解決に繋がったのは伏せておこう。
レーヴェは何故だか分からないが、全力を出せる事に歓喜していた。
全力を出せず周りと合わせてヘラヘラした自分を思い出し、今の自由を噛み締め吠えた。
弱い者は圧倒され、強き者は魅了される本能100%の咆哮である。
強いと自負する者を集める為だけに叫んだ。
そうしてる間にも敵兵を、死骸に変え山のようになって行く。
「ツマンナイ」
そう呟いて辺りを見回す。
強者を望んで吠えたのに強者が来ないのだ。
来るのは味方である魔族のみ。
無闇に時間が過ぎて夜になると人間達は本陣に帰って行った。
レーヴェは立ち去ろうとすると、如何にも偉そうな女魔族に呼び止められた。
「少しいいかな?」
「なに? 」
レーヴェは呼び止められた事に疑問を抱きながら呟いた。
心を、見透かされたのか苦笑気味に言われた。
「此度の戦で貴方に助けられたなのでお礼をしたい」
そう言ってレーヴェを連れて本陣へと、促した。
「まだ終わってない」
「助けられた命があるそれだけで感謝するには充分だ」
「合うのは大将さん?」
そう歩きながらレーヴェは聞いた。
「ええ我らの姫様に合って頂く」
そう女魔族は言って垂れ幕へと案内された。
「姫様、心恵戻りした」
心恵は、そう言って垂れ幕へとレーヴェを案内する。
次の話は、姫様との話になります。
何時もどうり二から三日投稿がんばります。