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Magus  作者: 凡 飛鳥
1/1

Magu-1 始まり

何年か前に設定と3話まで置いていたのを推敲し、書き直したものです、稚拙な作品ですが最後まで読んでいただけたら幸いです

「じゃっ!またね~」

栗色の毛が夕日に照らされて、金色に光る

「それじゃね!」

私は明日また会えることを楽しみにして、人通りが少ない道を歩く

電灯に薄暗く照らされた道路が、ひどく怖く見える

突如、私は倒れ、意識を失った











制服の襟をただし、玄関へと歩く

扉を開けると後ろから抱きつかれる


「やめてくれよ、姉さん」

僕がその腕をどけると、少しつまらなさそうな顔をした姉が後ろに立っている

「釣れないですね…行きますよ、(カナデ)

同じく制服を着た姉が歩いていく、揺れる黒髪に見惚れていると、姉がこちらへ振り向く

「何を見てるんですか?行きますよ」

姉はその髪を揺らしながら僕に近づく

「えっと…いや…行こうか姉さん」

その言葉を無視して、僕に抱きつく

「それと…今夜も(・・・)よろしくお願いしますね…?」

扇情的な声に僕は頷くことしかできず

「はい…」

「いい子ですね、行きましょうか」

姉を追い掛け、僕は歩く


姉は思い出したかのように話しかける

「そういえば、今日は部活はあるのですか?」

今日はあったのか、それともないのか

「いや、ないはずだよ、何か用事でも?」

姉は嬉しそうに頷くと僕の腕を引いて歩く

「えっ何ちょっと!説明してください!」

「帰ってからおしえますよ」

喜色を帯びた声に困惑しながら、僕は流されるを得なかった




教室の扉を開き、自分の席に座る

「よう!相棒、今日もまたお姉さんとイチャつきやがってこのシスコンが!」

いつものように活発な笑顔で人を和ます彼女、相変わらずだな

「なんだアキラか、相変わらず元気だな」

紅茶のような鮮やかな髪の色の少女、アキラは僕の登校を見ていたのか、姉と手をつないでいたことを指摘してくる

「なんだ嫉妬かぁ?」

アキラは僕の言葉に顔を真紅に染める

「ちっちがう!そんなのじゃ」

「クソレズが」

僕に嫉妬するとは、そこまでして姉さんが欲しいか

「ちがうのにぃ!なんでわかんないかなー」

「はいはい、そろそろ予鈴がなるから、はやく席に戻りな」

アキラは悔しそうな顔をしたまま自分の席へと戻っていく

そんなに思われたとしても僕はそれに答えることはできない、だから僕はこうするしかないんだ



放課後、おそらくほとんどの生徒が教室から出て行っただろう時間

教室に夕日が差し込み、赤い光が机を強く照らす

今日、教室の中で持ちきりになっていた話題、2-5の相原が行方不明…何があったのかはわからないが…

少なくともこの区域を統治する『魔術師』として見逃せないことでもある、恐らく怪異や物怪の類ではないはず、むしろあったら姉か父が討伐しているだろうはず

父は今は『会議』で家にいない、だから恐らく魔術師や自然発生した化物ではないはずだが…

いや、姉は昨日僕と…

脳が危険な思考へ突入する寸前に、声が響いた

「奏、こんなところにいたのですか、帰りますよ」

僕はその思考を停滞させたまま、姉にこの事を相談すべく歩くのだった





僕は校門を抜け、人通りが少なくなったところで口を開く

「姉さん…知っているかもしれないけど、昨日2-5の相原さんが行方不明になった」

「えぇ…家の結界を探らないと詳しくはわからないけど…少なくとも昨日の内に怪異の反応はないはずよ」

姉も同じ考えをしているのを聞き、僕は思考を巡らせる

なにがあったのか、いや、なぜ行方不明に?結界をくぐり抜けた?まさか、家の結界は索敵、迎撃に特化しているはず…それを通り抜けるのは並大抵の物怪では不可能…通り抜けるのに特化している…?いや、それなら理論上は霊体化を行い、通り抜けのみに突き詰めないとまず不可能だし…

いや、その状態で動けるのも珍しいが…ならば人か?しかし2-5の相原は武道ばっかりの脳まで筋肉の女性だったはずだが…

結界の中なら魔術は使えない、『僕ら』の様な特異な血筋なら魔眼なりなんなりで幻惑をかけることも可能か…?まさか『分家』の方が影響している…?あそこにいる現状で魔眼を使えるのは今はまだ中学生、家の重さや貴重価値を考えてもここまで来れるとは…いや、あいつならくるかもしれない、あいつは…

「奏、あまり考えすぎないほうがいいわ」

姉が僕を見つめて窘める

「でも、家の区域内で何かが起きている、警察も痕跡もないって言うし…」

「そうねぇ…恐らく危害を加えるためではないでしょうね」


姉の答えに僕は困惑し、問いを投げかける、僕はそれしかできなかった

「ならなんで…少なくとも人間の犯行なら足は残る、物怪なら入ったり発生した時点で勝手に迎撃されるし、できなくても僕や姉さんが出るだろ?」

姉も困惑するような顔を浮かべて、簡単に答える

「そうね…まずは、あの()を何とかするとしましょう」

姉が向ける先には、一人の少女が立っていた


「こんばんは…奏さん」

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