第2話
シルヴァは、「キングとクイーンが永遠を誓った」と言う言葉から、いくつか、場所の見当をつけてくれた。
婚礼を執り行った教会。
婚約パーティが開かれた、第2王宮。
など。
しかし、ダフネが知っていると言うことは、最近のものなのだろうか?
とにかく、どんな些細なことでもいいので、思い出したことがあれば言ってくれるよう、シルヴァには依頼しておいた。
もう一つ、手塚はシルヴァ王妃にある提案を持ちかけた。
「わたくしたちが次元の向こうへ?」
「ええ。もし、向こうに行きたいと言う人がいるなら、政府に働きかけて受け入れてもらえるようにします。うちの国がだめなら、他の国にも依頼します。絶滅してもいいなんて悲しい事を言わないで下さいよ。貴女たち一族と俺らの間にも、子どもが産まれることは立証済みなんですから。それもバリヤチームに入れるほど優秀なヤツらばっかりがね」
手塚はシルヴァの重荷にならないようにか、冗談めかして言う。
「それは…」
と言ったきり、シルヴァは絶句していたが、やがてはらはらと涙を落としだした。
「ありがとうございます。私たちの事をそこまで…」
「それにね」
今度は手塚は、ひそひそ話をするように声をひそめて言った。
「貴女の大事な作業アンドロイドチームのメンバーと、うちの第7チームのメンバーのひとりが…もう、恋に落ちているらしい。お互いがお互いの立場を気づかって、何も言えないらしいが」
「!」
シルヴァは心底驚いたというような顔をした。
「なんてこと…」
「うちのが言うんだから、間違いないでしょうな。そういう話が大好きな奴ですから。絶対にくっつけちゃうわ!とか言って大張り切りです」
泣いていた目をまん丸に見開いたシルヴァは、今度は本当に可笑しそうに、幸せそうに笑い出した。
「あの、ルエラさんですね。あの方は、あんなにすごい力を持っているのに、なぜあのように楽しいのでしょう?」
「ああ、まったく。でもあれはあれでバランスが取れてるんだと思いますよ。もしあいつが氷のような性格だったら、今頃間違いなく世界はあいつの手の中に落ちてますよ」
するとシルヴァはますます笑い出す。
「ホホ、それはそうですわね。貴方もユニークな方だこと。あ、すみません、お話しを戻しますわ。でもリリアといい、おつきといい。そして今また恋に落ちたなどと聞くと、私たちは相性が良いのかもしれませんね。よろしいわ、うちのクイーンたちに次元の向こうの話しをしてみましょう」
「ありがとうございます。決して強制ではありませんが、ダフネが戦闘アンドロイドに壁を越えさせでもしたら、大変なことになる。出来ればその間だけでも、安全なあちらへ行っておいていただきたいのです」
そんな話をしてすぐ。
手塚は、第7チームと制御装置の運搬をするための相談もあったので、1度隊員たちを連れて次元の向こうに帰ることにした。
帰ってみると(イグジットE)の強化は順調に進んでいる。
聞けば上層部が、毎日まだかまだかと急かしてくるらしい。
少しばかり頭にきた手塚は、
「あまり急かすと、工事に支障が出て、かえっって遅れてしまいますよ。それに、たまには彼らを慰労してやらないと。疲れてくると、もっと遅れてしまう」
と、おどして?1日の休暇をむしりとってやった。




