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バリヤ ~ barrier  作者: 縁ゆうこ
最終章
34/35

第2話


 シルヴァは、「キングとクイーンが永遠を誓った」と言う言葉から、いくつか、場所の見当をつけてくれた。

 婚礼を執り行った教会。

 婚約パーティが開かれた、第2王宮。

 など。

 しかし、ダフネが知っていると言うことは、最近のものなのだろうか?


 とにかく、どんな些細なことでもいいので、思い出したことがあれば言ってくれるよう、シルヴァには依頼しておいた。


 もう一つ、手塚はシルヴァ王妃にある提案を持ちかけた。


「わたくしたちが次元の向こうへ?」

「ええ。もし、向こうに行きたいと言う人がいるなら、政府に働きかけて受け入れてもらえるようにします。うちの国がだめなら、他の国にも依頼します。絶滅してもいいなんて悲しい事を言わないで下さいよ。貴女たち一族と俺らの間にも、子どもが産まれることは立証済みなんですから。それもバリヤチームに入れるほど優秀なヤツらばっかりがね」

 手塚はシルヴァの重荷にならないようにか、冗談めかして言う。


「それは…」

 と言ったきり、シルヴァは絶句していたが、やがてはらはらと涙を落としだした。

「ありがとうございます。私たちの事をそこまで…」


「それにね」

 今度は手塚は、ひそひそ話をするように声をひそめて言った。

「貴女の大事な作業アンドロイドチームのメンバーと、うちの第7チームのメンバーのひとりが…もう、恋に落ちているらしい。お互いがお互いの立場を気づかって、何も言えないらしいが」

「!」


 シルヴァは心底驚いたというような顔をした。

「なんてこと…」

「うちのが言うんだから、間違いないでしょうな。そういう話が大好きな奴ですから。絶対にくっつけちゃうわ!とか言って大張り切りです」


 泣いていた目をまん丸に見開いたシルヴァは、今度は本当に可笑しそうに、幸せそうに笑い出した。

「あの、ルエラさんですね。あの方は、あんなにすごい力を持っているのに、なぜあのように楽しいのでしょう?」

「ああ、まったく。でもあれはあれでバランスが取れてるんだと思いますよ。もしあいつが氷のような性格だったら、今頃間違いなく世界はあいつの手の中に落ちてますよ」


 するとシルヴァはますます笑い出す。

「ホホ、それはそうですわね。貴方もユニークな方だこと。あ、すみません、お話しを戻しますわ。でもリリアといい、おつきといい。そして今また恋に落ちたなどと聞くと、私たちは相性が良いのかもしれませんね。よろしいわ、うちのクイーンたちに次元の向こうの話しをしてみましょう」

「ありがとうございます。決して強制ではありませんが、ダフネが戦闘アンドロイドに壁を越えさせでもしたら、大変なことになる。出来ればその間だけでも、安全なあちらへ行っておいていただきたいのです」



 そんな話をしてすぐ。

 手塚は、第7チームと制御装置の運搬をするための相談もあったので、1度隊員たちを連れて次元の向こうに帰ることにした。


 帰ってみると(イグジットE)の強化は順調に進んでいる。

 聞けば上層部が、毎日まだかまだかと急かしてくるらしい。

 少しばかり頭にきた手塚は、

「あまり急かすと、工事に支障が出て、かえっって遅れてしまいますよ。それに、たまには彼らを慰労してやらないと。疲れてくると、もっと遅れてしまう」

 と、おどして?1日の休暇をむしりとってやった。





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