表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
バリヤ ~ barrier  作者: 縁ゆうこ
クイーンシティ
14/35

第2話


 チームにホッとした空気が流れたのもつかの間。ロボットはまだ次々とやってくる。

と、そのとき、聞いたこともないような言葉がスポットに流れ出す。

「これって…」

 タミーが言った言葉にブライアンも「ああ、この間の呪文だ」と言う。

「呪文?これが?」

 璃空はハッと身構えてまわりを見渡す。しかし、誰もおかしな行動をとる者はいない。

「なんなんだ?何がしたいんだ?」


 しばらくしてそれがやむ。


「今日はなんだかいつもと様子が違うな」

 璃空がいぶかしそうに次元を見つめて言った時だった。


 ギューンギューンと音がして、大量のロボットがなだれ込んでくる。

「うへっ、むこうに大型バスでも着いたんですかね?」

「それにしちゃー添乗員の姿が見えないぜ」

 怜と忠士が減らず口をたたきながら、ロボットを倒していく。ブライアンも今は普通の銃を持って、加勢に入っている。


 すると今度は次元の壁から触手のようなものが何本も現れた。

「なにあれ!気持ちワリィ」

「本当に今日はなんなんだ?」

 その触手は最初、璃空へと向かってきた。

 しかし身体能力では悪魔の魯庵に次いで、バリヤ2の彼だ。そんなものはすいすいとかわしていく。触手はあきらめたように動きを止めて床に落ちる。

 そのため、また皆がロボットに集中し始めた矢先だった。


「きゃあっ」

 後方にいたタミーが悲鳴を上げる。

 見ると、触手はタミーを縛り上げて次元の方へ運ぼうとしている。触手が隙を狙って、動きの少ないタミーに照準をあわせたのだろう。


「タミー!」

 だれよりも早く動き、タミーを思い切り抱き留めたのは、忠士だった。

「くそう!手じゃ切れやしねぇ」

 触手をつかみ、思い切り引き延ばした忠士が叫ぶ。

 そこへ駆けつけた璃空が、次元の壁とタミーたちの間に立ち、忠士に力を貸すが、やはり引きちぎるのは無理なようだ。

 璃空はもう一度それを引き延ばすと、ブライアンに向かって言った。

「ブライアン!ここを撃て」

「OK」


 ドン!


 ブライアンの弾丸は、少しの狂いもなく璃空の指し示した場所を射貫く。

 璃空は触手と一緒に次元の壁の方へ引きずられ、タミーと忠士は触手が切れた弾みで反対側へ少し吹っ飛ばされる。

 忠士がタミーを抱きかかえながら、受け身をとって床に転げ落ちた。


 その直後。

 切れた触手から、また触手が生えて璃空に襲いかかる。忠士たちに気を奪われていた璃空はまんまとそれに捕まった。

「うわっ」

 触手はあっという間に彼の身体に巻き付いていく。

「指揮官!」

「新行内!」

 ぐるぐると巻き付く触手。

 しかし銃でそれを撃てば璃空ごと撃ってしまう。忠士たちは、なすすべもなく、まるで繭のようになった璃空が、次元の向こうに消えていくのを見送るしかなかったのだった。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ