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休み時間の神事  作者: 山原喜寛
第四章
4/8

五分間の真実

場面が再び変わる。二年前の春の夕方。桜が舞い散る中、こたにの家の前にしゅうが立っている。

「こたに、俺…」

過去のしゅうが震え声で告白を始める。現在のしゅうは、その光景を客観的に見つめていた。

「付き合ってください」

挿絵(By みてみん)

過去のこたにが驚いたような顔をする。そして少し考えてから、口を開こうとした瞬間——

時計が午後三時十五分を指している。

こたには何かを言おうとした。しかし、その時しゅうの携帯電話が鳴った。慌てた過去のしゅうが電話を見て、そして周りを見回す。近所の人に見られるのが恥ずかしくなって、「やっぱり無理だ、ごめん」と言って走り去ってしまった。

時計は午後三時二十分を指していた。

「待って」現在のしゅうが叫んだ。「俺はこたにが何か言いかけたのを見たんだ。だから拒絶されたんだと思って——」

場面がもう一度変わる。今度はこたにの視点だった。

こたにがしゅうの告白を聞いて、嬉しそうに「私も——」と言いかけた瞬間、しゅうの携帯が鳴る。そしてしゅうが周りを見回して、慌てたように「やっぱり無理だ」と言って去っていく。

こたにの時計は午後三時二十分を指していた。

しかし、こたにには、しゅうが最後に「ごめん」と言った言葉しか聞こえていなかった。自分が告白を受け入れようとしたのに、しゅうに拒絶されたのだと思った。

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