こちら現場のユリウスです。PRさせてください!(脚本形式)
調和の王、ユリウスがマイクを持ってPRするらしいです。
(なお、本人の安全は保障されておりません)
※ 脚本形式です。
登場するのは、ほぼ男性で構成されていて、ミレイユだけが女性です。
ユリウス「あー、あー、テステス。現場のユリウスです。聞こえてますかー?
(イヤホンを抑えながら)」
ミレイユ「こちら、スタジオのミレイユ。ばっちりよ。じゃ、始めましょう」
※カメラの前にカンペが出される。
スタジオ側の画面には「彼らの素の顔」という、タイトルが映し出された。
ユリウス 「(咳払い)初めまして。’’調和の王’’の主人公をやらせてもらってます。ユリウスです。本日はお日柄もよく……」
ミレイユ 「ちょっと、そういうの良いからさっさと本題入りなさいよ!時間が押してるんだからね!」
ユリウス 「あ、はい。では改めて。現場からユリウスです。今回はわけあって、僕が主人公の’’調和の王’’に、登場する人たちを紹介させて頂きたいと思います!では、早速行きましょうか」
※カメラを伴って、公園へと移動するユリウス。
ユリウス 「(木の影からこっそりと公園内を指さす)いました、いました。あの全身真っ黒が、エーレです」
ミレイユ 「エーレ、何してるの?」
ユリウス 「何してるんですかね? ベンチに座って、腕組んでますね。何もしてないのに、そこにいるだけオーラが半端ないですよね」
ミレイユ 「なにビビってんのよ。もっとカメラ近づけさせなさいよ!紹介にならないじゃないの!」
ユリウス 「(カメラさんにエーレを指さす)
僕はここにいるので、もう少し他の角度から、お願いします」
ミレイユ 「あー見えた見えた。なにしてんのあいつ。はー、それにしても相変わらず、腹立つくらい綺麗な黒髪ね。毟り取ってやりたいわ」
ユリウス 「あそこのベンチに座っているお方が、僕たちのリーダー。エーレです。頭もよくて、剣も強くて、魔法もすごい!
天才です。ただ破滅的な性格で、全部チャラです!
さて……怖いので、さっさと次いきましょう」
ミレイユ 「え、ちょ……終わり!?
せっかく、あいつの弱みを握るチャンスかもしれないのに」
ユリウス 「弱みより、今は僕の命の方が大切なので、次いきます」
※街の中央通りの武器屋でシュトルツを発見するユリウス
ユリウス 「あれが、シュトルツですね。仲間の一人です。
彼は刀剣類に拘りがあるようで、街に寄るといつも武器屋に行ってます」
ミレイユ 「赤髪と長身が目立つから、見つけやすいわよね」
ユリウス 「今日は何見てるんでしょうか?
彼なら取材に答えてくれそうなので、話しかけたいと思います」(カメラを伴って、近づいていく)
ミレイユ 「武器屋の主人に、許可とらなくて大丈夫?」
ユリウス 「あ! 少しお待ちください! 今話してきます!」(小走りで武器屋に入っていく)
※10分ほど待つがユリウスが帰ってこない。
ミレイユ 「現場、どうなってんの? 遅くない?」
※そこに疲れ果てた様子のユリウスが帰還。
ユリウス 「えっと……大変申し訳ありません。なんかあの馬鹿……シュトルツが、武器屋の主人と言い合いを始めた締め出されました。
もう面倒くさいので、口頭だけで紹介します。
あの長身赤髪馬鹿男はとりあえず女好きで、大酒飲み、ギャンブルも煙草もする問題児です!以上!
今のことは忘れて、次行きましょう!」
※書店にて、リーベを発見するユリウス。
ユリウス 「やっぱり、リーベはここでしたね。彼は理論書オタクなんです。
彼なら冷静に取材に応じてくれそうなので、許可を取ってきます!」
ミレイユ 「今度はしっかり頼むわよ」
※数分して戻ってくるユリウス。
ユリウス 「(カメラにOKサインをして)取れました、行きましょう」
※本屋にカメラさんとユリウスが入る。
ユリウス 「こちらが仲間のリーベです」(隣のリーベを示す)
※カメラがリーベをアップで映す。
ミレイユ 「リーベも綺麗な銀髪よね、瞳も薄い金で綺麗だし。手なんて、私より……はー、やっぱり腹立つ」
リーベ 「取材って何だと思ったら……何してるんだ?」(向けられたカメラから目を逸らす)
ユリウス 「これには、深ーいわけがあってですね。 僕を助けると思って、大人しく取材されてください」
リーベ 「まぁいいが。取材と言っても何を話せばいいのか」
ユリウス 「そうですね。リーベは、僕たち3人のこと、どう思ってますか?」
リーベ 「そうだな。かけがえのない仲間だ。少々癖は強いが」
ミレイユ 「なにそのしょうもない模範解答。
もっと面白いこと言えないの!?ちょっとユリウス。
今のそのまま伝えなさい!」
ユリウス 「(イヤホンを抑えて、ちらりとリーベを見る)え、いや。それはちょっと……」
リーベ 「どうかしたのか?」
ユリウス 「あ、いや。それよりここで何してたんですか?」(誤魔化すために手を振る)
リーベ 「ああ、論文を探していてな。この前エーレに教えてもらった精霊力学論について、気になることがあったんだ」(持っている本をユリウスに見せる)
ユリウス 「(嫌そうな顔をしながら)あー、なるほど。そうですか。リーベはそういうの好きですもんね」
リーベ 「理論書は面白い。感覚でわかっていたものが、知識として保管されるあの瞬間がたまらない。
特に今は、魔法共鳴周波数と磁場の相関性について調べるるんだがそれが……」
ユリウス 「(カメラさんに合図。リーベから徐々に距離をとっていき、外に出る)
はい。リーベは、ああいう人です。
普段は冷静で無口、無表情なのですが、理論オタクで話し出すと周りが見えなくなります。
それ以外は面倒見がよくて、凄くいい人なんですけどね~」
ミレイユ 「まぁ気持ちはわかるけど、あんたはもう少し勉強した方がいいわよ」
ユリウス 「いや、僕はいいです。シュトルツと同じで、実践で学んでいくタイプなので」
ミレイユ 「実戦でって……あんた激弱のくせに、何言ってんのよ」
ユリウス 「さて。じゃあ、そんな感じで。
一旦、元の場所に戻りましょうか」
※ユリウス、リポート開始時点に戻る途中。先ほどの公園にさしかかる。
ユリウス 「げっ」(公園を見て、嫌そうに顔を歪める)
ミレイユ 「どうしたの?」
ユリウス 「(カメラさんに公園内を指さす)」
ミレイユ 「(カメラに映し出されたのを見て)ヴィクちゃんじゃない」
ユリウス 「あの人をそう呼ぶのは、ミレイユさんだけですよ。えー、紹介したくありませんが!
あの、刈り上げ黒髪のムキムキ肉体美の男性が、情報屋のトラヴィスです。ヴィクトリアと自称している変人です。
どうやらエーレは彼を待っていたようですね。昼間からこんなところで、待ち合わせてるなんて、何かあったんですかね?」
ミレイユ 「(カメラがアップされトラヴィスの筋肉が映し出される)あの筋肉、素敵よねぇ。惚れ惚れしちゃわ。
さすが、ヴィクちゃん」
ユリウス 「ミレイユさん、趣味悪いですよね」(ぼそりと呟く)
ミレイユ 「なんか言った?」
ユリウス 「いえいえ。まぁそういうことで。
僕は関わりたくないので帰りましょう」
※ユリウスが振り向くと、いつの間にかそこにトラヴィスがいる
トラヴィス「あ~ら、僕ちゃん。こんなところで新しいお遊び?」(カメラさんとユリウスを交互に指でつつく)
エーレ 「てめぇ、さっきからウロチョロしてんなと思ったら何してやがる」(ベンチの方から歩いてくる)
※カメラさん、3人は交互に映す。
ユリウス 「いつの間に……いや実ちょっと……僕に指名以来が入りまして……
僕の所属する、クランのメンバー紹介ムービーを作ってほしいって依頼が……」
エーレ 「は? てめぇ、俺たちをネタに金稼ぐとか、随分いい趣味だな?」(眉を寄せて、威圧)
トラヴィス「やっだ! なにそれ見たいみたい。私にも、売ってくれないかしら? エーレちゃんのセクシーショットなら、倍額出すわっ」(謎にカメラにウインク)
ミレイユ 「え、それは私もほしいかも。出来れば全員分」(ユリウスに聞こえるだけの声で)
ユリウス 「ちょ、ちょ、ちょ……皆さん、落ち着いてください!
ミレイユさん! それは僕が殺されます」
エーレ 「ミレイユ? てめぇも共犯か」(カメラを睨んで)
トラヴィス「あら、ミレイユちゃんもいるの?
おっひさ~元気にしてた?」(カメラに手を振る)
※そこに、シュトルツとリーベが共にやってくる
シュトルツ「なーにやってんの? トラヴィスまでいるし」
リーベ 「ああ、さっきのやつか」
※カメラ、2人の方へ方向転換。
エーレ 「こいつが、俺たちで稼ごうとしてたらしい」(ユリウスを見て、顎で示す)
ユリウス 「だからそれは誤解……じゃないけど、誤解ですよ!」(必死に手を振って、シュトルツとリーベを見る)
シュトルツ「何それ、ちょー楽しそうじゃん。面白いの撮れた?あ、なんなら脱ぐ?」(羽織っているコートに手をかける)
トラヴィス「きゃー! いいわね、いいわね。脱いじゃって!」(シュトルツに駆け寄る)
ミレイユ 「ちょっと! 止めなさい、ユリウス! 教育に悪いわ!」
ユリウス 「さっきと言ってること違いますよ、ミレイユさん」(イヤホンを抑えて、脱ごうとしているシュトルツを、ちらりと見る)
ミレイユ 「そういうのは、隠れてみるから楽しいんでしょ!」
リーベ 「シュトルツ。見て嬉しがるのは、トラヴィスだけだ。やるなら場所を変えろ」(シュトルツに、冷ややかな視線を送る)
シュトルツ「えー、エーレさんも喜ぶって」
(口を尖らせながらも、コートを羽織りなおす)
エーレ 「誰がお前の裸なんて、見て喜ぶかよ。つーか、見飽きてんだよ」
ミレイユ 「なにそれ、うらやましい」
トラヴィス「いやん、エーレちゃんのえっち」
ユリウス 「もうやだ。帰りたい」
(マイクを持つ手を下ろして、項垂れる)
リーベ 「とりあえず、この場を収めろ。ルシ……」
ユリウス 「うわああああああ! リーベ、ストップストップ! 僕を、その名前で呼ばないでください! ネタバレだから、ストップ!」(リーベの口を押える)
リーベ 「ネタバレ? よくわからんが、このままだとエーレがカメラを壊しかねないぞ」
ユリウス 「(エーレを目だけで見る)」
※ユリウス、カメラさんを数歩下がらせて、カメラの前へ立つ。
ユリウス 「(咳払い)えー、そういうわけで。
こんな感じで大変申し訳ないんですが、このままだとカメラと僕の命が危ういので、ここまでにさせてください。
最後に、言っておきますけど! ’’調和の王’’は、僕が主人公で、僕の物語です!そこを、お忘れなく! スタジオにマイク返していいですか? スタジオのミレイユさーん」
ミレイユ 「はいはい。お疲れ様。まぁいいんじゃない?あ、ユリウス後ろ」
ユリウス 「え?」(後ろを振り返る)
※片手剣を抜いたエーレが、ユリウスの真後ろにいる。
エーレ 「なに、無事終わりました、みたいな雰囲気出してんだ。黙って、見過ごすわけねぇだろ」
ユリウス 「いや、ちょ、エーレ! 落ち着いて! 助けてミレイユさん!」
(首だけ振り向き、カメラに訴える)
ミレイユ 「大丈夫、データはばっちり転送されてるから、安心して」
ユリウス 「いや、僕が大丈夫じゃな……」
※カメラがエーレに叩き切られ、動画はそこで終わっていた。
その後、ユリウスがどうなったのかは誰も知らない。
アホみたいな感じですみません!
読んでいただきありがとうございました!
キャラたちはこんなかんじです!
よろしくお願いします!