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冒険者登録って案外簡単に終わるんだな

「こっちが登録の受付よ。ほかは、クエストの受注やクリア報告、モンスターの素材の買取窓口になってるわ」


「いろいろあるんですね。確かにこれだけ人が並んでると一つの窓口で複数業務を行うのは難しそうですね」


「うーん、これでもそんなに混雑している方ではないわよ。一番混む時間帯だと軽くこの倍は並ぶわ。朝と夕方が混むから覚えておいた方がいいわよ」


 混雑していると思ってたのは俺だけだったのか。これの倍も並ぶような時間は避けて行動するようなしないとな。


 レイリヤさんは前を歩き、登録の窓口まで案内してくれる。俺一人だったら今頃誰かに聞いてやっとどこが登録か聞いているような段階だろうな。親切な人に助けて貰えるのは幸せなことだ。


「あれ、レイリヤさんじゃありませんか。それに横の方はどなたですか?」


「センカ、今日は登録をしてるのね。こっちは冒険者登録にきたデンジロウ。ちょうど、私が協会の外へ出ようとしていた時に目に入ったから声をかけたの。冒険者にしては軽装すぎるから」


「そうでしたか。ようこそ、冒険者協会へ。デンジロウさんは冒険者協会は初めてですか?」


 協会の職員の人とも知り合いのようだ。長く冒険者を続けていると、こういう人脈もできてくるのだろうか。いち冒険者では手に入らない情報も協会の職員だったら手に入れることができるものもあるだろう。俺としてもできるだけたくさんの人と知り合いになっておきたい。


「はい、今日この町についてとりあえず最初に冒険者協会に来ました。ちょっと腕っぷしには自信があって。それで、いい仕事はないかなと探してたんです」


 あまり無知だとバレるようなことは言えない。できる限り、違和感なく会話を進めていかないと不信感を抱かれかねない。もう少し神様にこの世界のことを聞いておくんだったな。何も知らないのは不便だ。


「冒険者は己の強さがものをいう世界です。是非ともその力を生かしてください」


「頑張ります。さっきレイリヤさんから誰でも冒険者になれるって聞いたんですけど、お金とかって必要だったりしますか?」


 ここで金が必要だと言われてしまえば俺は詰んでしまう。腕っぷしに自信があるとか言っておきながら旅の途中でモンスターに襲われたなんて言い訳はできない。なにかないか、金を持ってなくても怪しまれない言い訳わ。


「来るもの拒まずが冒険者協会です。冒険者になるために必要なものはやる気しかありません。誰でも登録可能です。お金なんて必要ありません」


 よかったぁ、何とか冒険者にはなれそうだな。

 冒険者にさえなってしまえばモンスターを倒して金を稼ぐことができる。


「ありがとうございます。それじゃあ、登録お願いします」


「かしこまりました。登録に入るのですが、一応確認させてください。通常、新人冒険者の方はFランクからなのですが、テストを受けることでDランク冒険者になることができるのですが、挑戦してみますか? ちなみに合格率は2パーセント程です」


 合格率2パーセントの狭き門をクリアすればDランクからってことか。さっきもレイリヤさんから聞いてた話だよな。神様の力を宿している俺なら軽く合格できるんだろうが、やっぱり普通にFランク冒険者から初めていこう。魔王を倒すのに冒険者のランクなんて関係ないしな。


「やめときます。俺はFランク冒険者からのスタートで大丈夫です」


「かしこまりました。それでは、通常通り冒険者登録をさせていただきます。こちらの用紙に必要事項をご記入ください」


 センカさんから紙を受け取る。

 内容を見てみると、名前や年齢など簡単なことしか書く必要はないさそうだった。


 これを書くだけで冒険者になれてしまうなんて本当にゆるいな。就職するには何回も面接を受けなくちゃいけないって聞いたことがあるしそれに比べてみれば楽勝だな。仕事に就くのは簡単だと勘違いしてしまいそうになるな。


 俺は、すらすらと必要事項を記入する。不思議なもので書こうとしたものがそのままこの世界の言葉へ変換される。まったく意識もしていないのに俺が書く文字は見慣れない異世界語になっているのだ。もちろん、読むこともできる。


「デンジロウさん、17歳ですね。レイリヤさんの一つ下ですか、歳の近い後輩冒険者ができて嬉しいんじゃありませんか?」


「年齢までは聞いてなかったわ。これからは私のことを先輩って呼んでもいいわよ。デンジロウ」


 へー、大して変わらないくらいだとは思ってたけどレイリヤさんは年上だったんだ。それに冒険者としての先輩か、いろいろと頼らせてもらおうかな。


「レイリヤ先輩ですか。わかりました。でも遠慮なく頼ってもいいんですよね?」


「もちろんよ。私は先輩よ。なんでも頼っていいんだから」


 先輩って呼ばれるのがよほど気分がいいのか明らかにテンションが高くなっている。こうやって顔を見ていて、今更ながら相当可愛いってことに気が付いた。この顔なら冒険者なんてやる必要もなさそうだけど、ああこの世界にはモデルとか女優なんて仕事はないってことか。


「よかったですね。レイリヤさん。では冒険者カードができたのでお渡しします」


 センカさんから名刺くらいのサイズのカードを受け取る。


 名前とFランク冒険者ってことくらいしか書かれていない。必要最低限のことしか記載しないようにしてるのかな。


「ありがとうございます。これで俺も冒険者ってことですね」


「そうです。今日から頑張ってくださいね。初めてのクエストはできるだけ安全なものを選んでくださいよ。慣れないうちは無理は禁物ですから」


「わかりました。無理せずいこうと思います」

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