豪勢に行きすぎかもしれないな。
いやー、まさか5人で飯を食いに行くことになるとは思わなかったな。当初の俺の予定では1人寂しく飯を食いに行くことになるだろうと思ってたんだが、人生何があるかわからないもんだ。それも、可愛い女の子4人と。最高だな。これもすべて、レイリヤが俺に声をかけてきてくれたおかげだ。
「それで? どこに行くかは決まってるのレイリヤ? この二人は肉がどうとか言ってるけど、私たちは後からついて行くことになった身だからお店が決まってるって言うならそこについて行くわよ」
そこだけ自重するんだな。別に俺たちはどこに飯を食いに行くとかはまったく話してなかったし、二人が肉を食べたいって言うなら俺は別に構わないな。
「まだそこまでは話してないわ。私たちもとりあえずご飯い行こうって話してただけだから。行きたいところがあるなら遠慮しなくていいわ」
「流石レイリヤお姉ちゃん、だったら私はステーキが食べたいなぁ。どこかいいお店知らない?」
ステーキか、お肉の定番って感じだな。
俺の記念すべき初食事にふさわしい料理といって差支えないだろう。肉料理のシンプルにして最強の料理だと俺は思っている。普段はそこまで食う機会がないのが少し残念だが、たまに食べるから価値があるって言うのもあるだろう。どんな最高の料理でも毎日食べていたら必ず飽きが来てしまうからな。
「私は、1人でステーキを食べに行ったりしないからわからないわよ。シオンは知ってる?」
「サリーが知らないんだから私が知るわけないでしょ。一緒のパーティーよ。これで私だけ知ってたらこっそりステーキ食べに行ってるみたいじゃない。そんなことしないわ」
「じゃあ、どうするのよ。適当なお店に入って失敗するのが一番しょうもないわよ。それに今日はデンジロウの初クエストクリアのお祝いなんだからおいしいお店に連れて行ってあげたいわ」
まさかの誰もいい店を知らないとか……ステーキはお預けかな。
俺のお祝いなんてそんなこと考えなくてもいいってのに、レイリヤはほんとに気が利くよな。これでパーティー組んでないとか嘘だろ。
「行ったことはないけど、有名なところなら1つ心当たりがあるわ。もうそこでもいいかしら?」
シオンが提案する。
この状況では行ったことがなくてもそこに決まるだろう。だって誰も代替案がないのだからな。それに有名って言うなら味も保障されているようなもんだろ。なんで行ったことないんだろうなそこだけ不思議だ。
「もしかして私が思い浮かべてるところと一緒にだったりしない? 多分あそこよね?」
レイリヤも心当たりがあるのか? でもこの反応だと微妙な感じがするんだが……。
「私も正直気は進まないけど、せっかく豪勢に行くって言ったんだからいい機会じゃない?」
「ついにあそこへ行くのね。フフッ、デンジロウは本当にラッキーだわ。私たちですら行ったことないのに、奢ってもらえるんだから」
「どういうことですか? なんで二人は行ったことないのに、ちょっと通じ合ってるんですか?」
疑問に思い質問してみる。
なんで、俺がラッキーってことになるんだ? そりゃ飯を奢ってもらえるだけでもラッキーだけど、奢ってくれるレイリヤ本人が改めていうことでもないだろう。それに、豪勢に行くって言ったってのが何の関係が……。
「ビックリするぐらい高いらしいのよ。富豪が行くくらい、冒険者が行くには相当頑張ってお金を貯めなくちゃダメって聞いたことがあるわ」
レイリヤが教えてくれる。
そういうことか。そこまでの店に連れて行ってもらえたらそれはラッキーだ。
「そんな高い店に行く必要なんてないですよ。俺は安くておいしい店で大丈夫ですから」
いくら何でもそんなところに行くのは気が引ける。さっき図々しく行くつもりになっていたが限度というものがあるだろう。
「レイリヤ、私たちも正直手持ちのお金だけで足りるかどうか怪しいわ。値段がわからないって怖いわね」
「えー、私行ってみたかったなぁ。レイリヤお姉ちゃん私たちの分も出して。いつかちゃんと返すから」
「うん。私も食べてみたい。頑張る」
この二人組もその店は知っているみたいだ。一つ違うのが、諦めきれていないところだな。金を借りてまで飯を食いに行くのはおかしいと思うんだけど、この世界では普通のことなのか?
「やめておいたほうがいいわよ。報酬がいいクエストで稼ごうと思えばその分危険度も増すの、だから自分でお金を貯めて行くのが一番よ」
「冷静になりなさい二人とも、借金を抱えて暮らせるほどの余裕は私たちにはないわ。きっといつか行けるわ、その時まで楽しみにしてましょう」
「「はーい」」
二人は全然納得していない顔だが、シオンが怖いのか一応返事はしている。
でもこればっかりはシオンとレイリヤが正しいからな。借金なんてしていいことなんて一つもない。
「それじゃあ、今度こそどこに行くか決めましょう」
こうして俺たちは安くてうまい店を決め、そこへ向かうのだった。




