【完結】アンチ異世界アンチ

転生の女神はなろう作家だった。

異能（いわゆるチート）を授け、異世界へ送り出した勇者の行動を元に小説を書いていたが、小説投稿サイトで評価が伸びないことに悩んでいた。

これまでになかったユニークな者を勇者にすれば、面白い作品が書けるのではないか。

そう考えた女神が次の勇者に選んだのは、なろうアンチの男子中学生、奈路安智(なろやすとも)だ。

トラックに轢かれて命を失った奈路は、女神からどんな異能が欲しいか聞かれると、持っているだけで最強になれる剣が欲しいと答えた。

希望通り最強の剣を受け取り、異世界へ送られた奈路は、空に向かって叫ぶ。
「おい女神！！ 感謝しろよ！！ お前の小説めちゃくちゃ面白くしてやるからな！！」

見守っていた女神が首を傾げていると、奈路は武器屋に入り、受け取った最強の剣を安値で売り飛ばすのだった。